ディーゼル発電装置の特徴とコージェネレーションシステム徹底解説

ディーゼル発電装置の特徴とコージェネレーションシステム徹底解説

この記事では以下のことが分かります。

・ディーゼル発電装置の動作工程(吸気、圧縮、爆発、排気)とはずみ車の役割が理解できます。

・ディーゼルエンジンにおいて点火プラグが不要である理由とその仕組みが分かります。

・排熱を利用して総合効率を高めるコージェネレーションシステム(熱電併給)の概念が分かります。

発電設備の基礎:ディーゼル発電装置とは

第一種電気工事士の試験において、発電・送電・変電施設の分野は非常に重要です。その中でも、ビルや工場などの自家用電気工作物で広く用いられているのがディーゼル発電装置です。ここでは、ディーゼル発電装置の基本的な特徴と試験で問われやすいポイントを徹底的に解説します。

発電設備の基礎:ディーゼル発電装置とは

非常用予備発電装置としての役割

ディーゼル機関によって駆動する発電装置は、主にビルや病院、工場などの「非常用予備発電装置」として一般的に使用されています。商用電源が停電した際に、保安用設備や重要な機器へ速やかに電力を供給するための信頼性の高いバックアップ電源として活躍します。起動が比較的早く、燃料の備蓄と取り扱いが容易である点が、非常用として選ばれる大きな理由です。

ディーゼル機関の4つの動作工程

ディーゼルエンジンの動作は、4つの連続した工程から成り立っています。この順番は試験でも頻出の項目ですので、確実に記憶しておく必要があります。

1. 吸気

2. 圧縮

3. 爆発(燃焼)

4. 排気

空気を吸い込み、ピストンで高圧に圧縮します。その後、燃料を噴射して爆発させ、その力で動力を得た後、燃焼ガスを排気するというサイクルを繰り返します。

ディーゼル機関の4つの動作工程

点火プラグが不要な仕組み

ガソリンエンジンとの最大の違いであり、試験でもよく問われる特徴が「点火プラグが不要」であるという点です。

ガソリンエンジンは空気と燃料の混合気を吸入し、点火プラグの火花で強制的に着火させます。一方、ディーゼルエンジンは「空気のみ」を吸入し、非常に高い圧力で圧縮します。空気を急激に圧縮すると高温になる性質(断熱圧縮)を利用し、高温になった空気中に霧状の燃料(軽油や重油など)を噴射することで「自己着火」させます。この自然発火の仕組みにより、ディーゼル発電装置には点火プラグが存在しません。

 点火プラグが不要な仕組み

はずみ車(フライホイール)の役割

ディーゼル機関は、爆発(燃焼)の工程でのみ大きな動力を発生させ、他の工程(吸気、圧縮、排気)では動力を消費します。そのため、回転の力にムラが生じやすくなります。

この「回転のむらを滑らかにする」ために用いられるのが「はずみ車(フライホイール)」です。はずみ車は質量の大きな円盤状の部品で、爆発時に得たエネルギーを回転の慣性力として蓄え、動力を発生しない工程でそのエネルギーを放出することで、発電機の回転速度を一定に保つ重要な役割を担っています。試験では「はずみ車の目的は何か」という形で出題されるため、回転むらの平滑化と結びつけて覚えておきましょう。

はずみ車(フライホイール)の役割

コージェネレーションシステムの仕組みとメリット

発電設備を学ぶ上で、エネルギーの有効活用という観点からコージェネレーションシステムの理解も欠かせません。近年、省エネルギーや環境負荷低減の観点から注目されており、第一種電気工事士試験でもその定義がよく問われます。

電気と熱の併給(熱電併給)

コージェネレーションシステム(Cogeneration System)とは、「電気と熱を併せ供給する発電システム」のことです。言葉の成り立ちとして、Co(ともに)generation(エネルギー発生)という意味があり、日本語では「熱電併給システム」とも呼ばれます。

従来の発電方式では、発電時に発生する排熱は冷却水や排気ガスとしてそのまま大気中に捨てられていました。コージェネレーションシステムでは、この捨てられていた熱を回収し、給湯や冷暖房、蒸気などの熱源として有効活用します。

総合的なエネルギー効率の向上

ディーゼルエンジンやガスタービンなどの内燃機関を回して発電機を駆動させ電気を作ると同時に、エンジンの冷却水や排気ガスから熱を回収します。

発電だけの効率(発電効率)が例えば30〜40%程度であったとしても、熱として利用する効率(熱効率)を40〜50%程度回収できれば、システム全体の「総合的な効率(総合エネルギー効率)」は70〜80%、あるいはそれ以上へと飛躍的に高まります。

このように、ひとつの燃料から電気と熱という2つの有用なエネルギーを無駄なく取り出すことで、総合的な効率を高めているのがコージェネレーションシステムの最大の特徴です。試験では「電気と熱を併せ供給する」というキーワードを確実に押さえておきましょう。

第一種電気工事士試験での出題ポイントまとめ

ここまで解説した内容を踏まえ、実際の試験でどのような点が問われるのかを整理します。

・ディーゼル機関の動作工程の順序

「吸気→圧縮→爆発(燃焼)→排気」の正しい順序を問う問題が出題されます。順序が入れ替わっている選択肢に騙されないようにしましょう。

・はずみ車(フライホイール)の目的

「回転のむらを滑らかにするため」という目的が正解となります。始動を容易にしたり、停止を容易にしたりするためのものではない点に注意してください。

・点火プラグの有無

ディーゼル機関は圧縮着火方式であるため「点火プラグは不要」です。誤記述を選ぶ問題で「点火プラグが必要である」といった選択肢が出ることがあります。

・コージェネレーションシステムの定義

「電気と熱を併せ供給する発電システム」であることを問われます。深夜電力を利用したり、単に常時連系したりするシステムを指すわけではありません。排熱の有効活用による総合効率の向上が目的であることを理解しておきましょう。

これらのポイントをしっかりと理解し、過去問演習に取り組むことで、発電設備に関する問題の正答率を確実に上げることができます。