【電気工事士】工事用材料のケーブルラックとは?用途や種類から接地工事などの施工条件まで徹底解説

【電気工事士】工事用材料のケーブルラックとは?用途や種類から接地工事などの施工条件まで徹底解説

この記事でわかること

第二種電気工事士の試験で問われるケーブルラックの基本的な用途と種類

第一種電気工事士で頻出となる金属製ラックの接地工事の種別や緩和条件

実務でも重要となるケーブルの離隔距離や壁貫通部の耐火処理などの施工ルール

電気工事士の試験勉強をしていると工事用材料のその他材料の項目で必ず登場するのがケーブルラックです。

実際の現場でもビルや工場などの大規模な建築物において、大量の電線を綺麗かつ安全に配線するために欠かせない重要な部材として多用されています。

本記事では第一種および第二種電気工事士の取得を目指している方に向けて、ケーブルラックの基本的な用途から試験で引っかけ問題として出題されやすい施工ルールまでを漏れなく徹底解説します。

ケーブルラック

ケーブルラックとは?主な用途と特徴

ケーブルラックは大量のケーブルをまとめて載せ、支持および固定するための配線用支持材です。

電気工事士試験のテキストにおいては工事用材料のなかのその他材料に分類されます。

一般住宅などの小規模な配線であれば合成樹脂管や金属管などの電線管に電線を収める方法で十分です。しかし工場や商業施設、高層ビルなどでは動力設備や照明設備、通信設備などに電気を送るため膨大な数のケーブルが必要になります。それらすべてを個別の管に収めるのは物理的にもコスト的にも非常に非効率です。

そこで天井裏や電気室などにケーブルラックを設置し、その上にケーブルを並べて配線する手法が取られます。これにより太く重い幹線ケーブルも効率よく一気に敷設でき、開放的な構造のためケーブルから発生する熱を逃がしやすく、後からの回線増設やメンテナンスも容易になるという大きなメリットがあります。

ケーブルラックの代表的な種類

ケーブルラックには用途や環境に合わせていくつかの形状と材質が用意されています。試験の写真鑑別問題で出題された際にすぐ判断できるよう特徴をしっかりと押さえておきましょう。

はしご形

最も一般的で試験の写真問題としても頻出するタイプです。名前の通り親桁の間に子桁が等間隔で配置されたはしごのような形状をしており、通気性が良く重量のある太い電力ケーブルを支持するのに適しています。インシュロックなどの結束バンドを用いてケーブルを子桁に直接縛り付けて固定できるため施工性にも優れています。

トレー形

底面が板状になっており細かい穴が開いているタイプです。はしご形に比べて細いケーブルが下に垂れ下がりにくいため、通信ケーブルの敷設やホコリの落下を防ぎたい食品工場などで採用されます。

材質については強度の高い鋼製、軽量で現場での取り回しがしやすいアルミニウム合金製、塩害地域や腐食性ガスが発生する場所向けの合成樹脂製やステンレス製などがあり環境によって使い分けられます。鋼製の場合は錆を防ぐために表面に亜鉛めっき処理が施されているのが一般的です。

3 第二種電気工事士試験での対策ポイント

第二種電気工事士の筆記試験では主に写真を見て名称や用途を答える鑑別問題として出題されます。

写真を見せられてこの材料の名称と用途の正しい組み合わせを選ぶ形式が定番です。

正解の選択肢は名称がケーブルラック、用途がケーブルを支持および固定するとなります。

ここで注意したいのが引っかけの選択肢として金属ダクトが混ざってくることです。金属ダクトは電線を完全に覆って収めるための金属製の箱ですが、ケーブルラックはケーブルがむき出しで乗っている状態です。写真を見たときにはしご状の架台であればケーブルラックであると見分けるようにしてください。

4 第一種電気工事士試験で頻出の施工ルール

第一種電気工事士の試験ではさらに踏み込んだ実務的な施工ルールが文章問題として出題されます。以下の4つのポイントは正誤判定で確実に出題されるため必ず暗記しましょう。

金属製ラックの接地工事ルール

ケーブルラックは金属製であることが多いため、ケーブルの被覆が傷ついて漏電した場合ラック全体に電気が流れて感電や火災の事故につながる恐れがあります。そのため確実な接地工事が求められます。

使用電圧が300V以下の場合はD種接地工事を施します。

使用電圧が300Vを超える低圧や高圧の場合はC種接地工事を施します。

ただし300Vを超える場合でも、人が容易に触れないようにする接触防護措置を施せばD種接地工事に緩和できるという特例があります。この条件付きでD種に緩和というルールは引っかけ問題でよく狙われます。

また乾燥した場所であったため接地工事を省略したといった選択肢も出ますが、ケーブルラックの長さが4m以下でかつ乾燥した場所であるといった厳しい条件を満たさない限り安易な省略はできないため、誤りの選択肢であると疑って問題文を読み解きましょう。

異なる種類のケーブルの離隔距離

同一のケーブルラックに高圧ケーブルと低圧ケーブル、あるいは弱電流電線を一緒に敷設する場合、万が一の事故で高圧の電気が低圧側に流れるのを防ぐため原則として15cm以上の離隔距離を保つ必要があります。もしスペースの都合で15cm以上離せない場合は耐火性のある堅ろうな隔壁となるセパレータを間に設けなければなりません。

一方で低圧ケーブル同士であれば離隔距離は不要です。過去問では同一のケーブルラックに電灯幹線と動力幹線を敷設する場合両者の間にセパレータを設けなければならないという誤った選択肢が出題されます。どちらも低圧ですのでセパレータは不要です。電圧の組み合わせを必ず確認してください。

壁や床の貫通部の耐火処理

ケーブルラックが受電室などの壁や建物の階層を隔てる床を貫通して設置されるケースがあります。この貫通部分に隙間が開いていると火災が発生した際にその隙間を通って別の部屋へ炎や煙が一気に広がってしまいます。

そのため貫通部には耐火パテやモルタルなどの不燃性の材料を用いて、火災の延焼を防止するための耐火処理を確実に施すことが法令で定められています。試験でも受電室の壁を貫通する部分は火災の延焼防止に必要な耐火処理を施したという記述が正しい施工として頻出します。

ケーブルラック本体の支持間隔

ケーブルラック本体を天井や壁から支持し固定する間隔にも決まりがあります。

水平に敷設する場合、鋼製のケーブルラックであれば2m以下、アルミニウム製などその他の材質であれば1.5m以下の間隔で支持します。

垂直に敷設する場合は材質に関わらず3m以下の間隔で支持する必要があります。

これらの数字は試験でそのまま問われることがあるため確実に覚えておきましょう。

まとめ

電気工事士試験において工事用材料のケーブルラックで覚えておくべき重要事項は以下の通りです。

  • 写真問題が出たら名称はケーブルラックで用途はケーブルを支持および固定することです。
  • 接地工事は300V以下ならD種、300V超ならC種になります。
  • 高圧と低圧を混在させる場合は15cm以上の離隔距離またはセパレータが必要です。
  • 低圧ケーブル同士の混在であれば離隔距離やセパレータは不要です。
  • 受電室などの壁や床を貫通する部分は必ず耐火処理を施します。
  • 支持間隔は水平で鋼製2m以下、垂直で3m以下です。

ケーブルラックに関する知識は電気を安全に配り届けるための非常に重要なルールばかりです。理由とセットで施工の決まりを覚えることで第一種および第二種電気工事士の試験本番でも迷わず正解を導き出せるようになります。実務に出た際にも必ず扱う材料ですので試験勉強を通じてしっかりと基礎をマスターしてください。