【第二種電気工事士】HID灯(水銀灯)の図記号は?配線図の照明記号「H」「M」「N」の違いや覚え方を解説

記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ

まずは実力試しです。第二種電気工事士の筆記試験(配線図問題)において、以下の問いに正解できるかチェックしてみましょう。

【問題】

次の図記号1〜4のうち、「水銀灯」を示すものはどれでしょう?

※図記号はすべて照明器具(円形)の傍記表示とします。

  1. 水銀灯
  2. メタルハライド灯
  3. ナトリウム灯

答えは決まりましたか?

アルファベット一文字の違いですが、これを間違えると配線図の材料拾い出しなどで失点してしまいます。

自信を持って答えられた方も、勘で選んだ方も、このまま読み進めて「確実に1点取れる知識」にしてしまいましょう!


電気工事士の勉強をしていると、照明器具の図記号(〇)の横に、小さくアルファベットが書いてあるのをよく見かけます。「L」ならLED、「F」なら蛍光灯となんとなく想像がつきますが、「H」「M」「N」のような見慣れない文字が出てくると焦ってしまいますよね。

これらはHID灯(高輝度放電灯)と呼ばれる、非常に強力な光を放つ照明グループの記号です。

特に、これから電気業界(ブルーカラー)へ転職し、工場や大型施設のメンテナンスに関わりたいと考えている方にとって、この種類の照明は現場で必ず目にする設備です。

今回は、試験によく出る「水銀灯とその仲間たち」の図記号について解説します。

1. ズバリ、この図記号は何?

先ほどのクイズの答え合わせです。

正解:1. 水銀灯

照明器具の図記号(〇)のそばに「H」と書かれている場合、それは 水銀灯 を表します。

クイズの選択肢 「1」 が正解でした!

なぜ「H」なのか?(覚え方のコツ)

ただ丸暗記するのは大変なので、由来で覚えるのが一番です。

  • H = Hg(水銀の元素記号)

理科の授業を思い出してみてください。水銀は元素記号で「Hg」でしたよね。その頭文字の「H」が使われていると覚えましょう。

※JIS C 0617 などの規格に基づき、HID灯の種類を区別するために容量の前にこの記号を傍記します。

2. 試験で問われる「HID灯」3兄弟(H・M・N)

今回のテーマである画像にもある通り、試験で区別しなければならないのは以下の3つです。どれも「強力な照明」ですが、中身が違います。

① 水銀灯:記号「H」

  • 覚え方: Hg(水銀)のH
  • 特徴: 青白い〜白色の光。昔からある体育館や工場の照明です。
  • 試験対策: 一番基本となる記号です。「Hは水銀灯」と即答できるようにしましょう。

② メタルハライド灯:記号「M」

  • 覚え方: Metal Halide(メタルハライド)のM
  • 特徴: 水銀灯よりも演色性(色の見え方)が良く、明るい。スタジアムや商業施設で使われます。
  • 試験対策: 名前の頭文字そのままなので、一番覚えやすいはずです。

③ ナトリウム灯:記号「N」

  • 覚え方: Natrium(ナトリウム:ドイツ語由来)のN
  • 特徴: トンネルの中でよく見る、オレンジ色の独特な光です。霧の中でも光が通りやすいため道路やトンネルで使われます。
  • 試験対策: 英語のSodium(ソジウム)ではなく、元素記号や日本語名のナトリウム(Natrium)の「N」と紐付けてください。

【まとめ:試験用・暗記テーブル】

記号名称由来・イメージ
H 水銀灯水銀灯Hg(水銀)
M メタルハライド灯メタルハライド灯Metal(メタル)
N ナトリウム灯ナトリウム灯Natrium(ナトリウム)

3. 実際の現場ではどこに使われている?

机上の勉強だけでなく、現場に出た時のイメージを持つと記憶に定着しやすくなります。

これから皆さんが働くかもしれない現場の視点で解説します。

天井が高い場所(高天井)の主役

これらの照明(HID灯)は、家庭用の電球とは比べ物にならないほど強力な光を出します。そのため、一般住宅で見ることはまずありません。

  • 工場の天井: 高さが5m以上あるような場所
  • 体育館・倉庫: 広範囲を照らす必要がある場所
  • 街路灯・トンネル: 雨や霧でも視界を確保するため(特にナトリウム灯)

「LED化工事」のターゲットになっている

現在、電気工事の現場では、これらのHID灯を「LED照明」に交換する工事が非常に増えています。

水銀灯などは消費電力が大きく、熱もすごく持ちます。また、「水銀に関する水俣条約」の影響で、水銀灯の製造・輸出入は規制されています。そのため、既存の工場や倉庫に行くと、「H」の記号がついた照明を撤去し、新しく「L」(LED)を取り付ける仕事が山のようにあります。

つまり、「これから新しく取り付ける」よりも「既存の図面を見て、これが水銀灯だと認識し、撤去する」 機会の方が圧倒的に多い図記号と言えます。

現場での注意点(高所作業)

この図記号が出てくる照明器具は、写真のように大きくて重いものが多く、しかも高い場所に設置されています。

実際の工事では、高所作業車やローリングタワー(移動式足場)を使って作業することになります。ホワイトカラーの仕事では味わえない、高所での作業スキルや安全管理が求められる「THE・職人」の領域です。

4. 補足:他のよく出る照明記号

選択肢4に出てきた記号も、紛らわしいので合わせて復習しておきましょう。

  • F:蛍光灯 (Fluorescent lamp)
  • L:LEDランプ (LED)

配線図問題では、これらの記号が入り混じって出題されます。「〇の横にアルファベット」を見たら、まずは落ち着いて頭文字の意味を思い出してください。

まとめ

  • 図記号の横にある 「H」水銀灯(Hg由来)。
  • 「M」メタルハライド灯「N」ナトリウム灯
  • これらは工場や体育館、道路などで使われる大光量の照明(HID灯)。
  • 現場では、これらをLEDへ交換する「省エネ改修工事」でよく出会う。

たった一文字の記号ですが、そこには「どんな場所で」「どんな用途で」使われているかという背景があります。

それを理解していれば、試験本番でド忘れすることもなくなります。

バックオフィス業務から現場のプロフェッショナルへ。まずはこの「H」の記号をマスターして、合格への一歩を踏み出しましょう!