この記事でわかること
・チューブサポートの正しい用途とネオン放電灯工事での役割
・試験の写真鑑別問題で見分けるための特徴とスプリングが付いている理由
・引っかけ問題で頻出する「コードサポート」との明確な違いと覚え方
電気工事士の試験勉強を進めていると、普段の生活や一般的な住宅の配線工事ではまず見かけない特殊な工事用材料がたくさん登場します。今回は、工事用材料の「その他材料」に分類される「チューブサポート」について徹底的に解説します。
チューブサポートは、筆記試験の写真鑑別問題などでたびたび出題される重要なアイテムです。日常的に触れる機会が少ないため、似たような名称の器具と混同してしまい、貴重な得点を落としてしまう受験生が少なくありません。
この記事では、第一種・第二種電気工事士の取得を目指す方に向けて、チューブサポートの用途や特殊な構造の理由、そして試験で確実に正解を選ぶための見分け方を、現場のイメージと合わせて分かりやすく解説します。

目次 非表示
1. チューブサポートとは?ネオン工事に欠かせない支持具

チューブサポートとは、一言で表すと「ネオン管(ガラス管)を建物の壁などの造営材に固定し、支持するための専用器具」です。
繁華街の看板などで見かける色鮮やかなネオンサインは「ネオン放電灯工事」という特殊な電気工事によって設置されています。細長いガラス管の内部にガスを封入し、ネオン変圧器を使って数千ボルトから一万ボルト以上という非常に高い電圧をかけて発光させる仕組みです。
もし、高電圧が流れているネオン管が、建物の外壁や看板の金属枠に直接触れてしまうと、漏電や火災といった重大な事故につながる恐れがあります。
そのため、電気を通さない絶縁性の高い材料を使って、ネオン管を壁から一定の距離を保った状態で浮かせて固定する必要があります。この「ネオン管(チューブ)を空中で支える(サポートする)」という重要な役割を持つのがチューブサポートです。材質には、高い絶縁性能を持つ磁器(がいし)、ガラス、合成樹脂などが用いられています。
2. なぜ「スプリング(ばね)」が付いているのか?

電気工事士の試験において、写真からチューブサポートを見分けるための最大のヒントになるのが「衝撃緩衝用のスプリング(ばね)」が組み込まれていることです。
なぜ、ただ造営材に固定するだけでなく、わざわざスプリングを取り付けているのでしょうか。その理由は、ネオン管の材質と過酷な設置環境にあります。
ネオン管は非常に薄くて細いガラスで作られています。もし、これを金属のサドルやビスなどで壁にガッチリと強固に固定してしまうとどうなるでしょうか。
建物のわずかな振動や、強風による看板の揺れ、あるいは昼夜の気温差によるガラスの膨張と収縮の逃げ場がなくなり、ガラス管は簡単に割れてしまいます。
そこで、チューブサポートの支柱部分にスプリングを持たせることで、外部からの衝撃や振動をクッションのように柔軟に吸収し、デリケートなガラス管にかかる物理的な負担を和らげる構造になっているのです。
実際の施工現場では、チューブサポートの先端にあるL字やT字のフック部分にネオン管を乗せ、「バインド線」と呼ばれる細い針金で縛って固定します。この際も、スプリングの弾力を活かすことでガラスを割らずに安全に保持することができます。
試験の写真問題では、白いL字型やT字型のがいしに「スプリングが巻かれているか」を必ずチェックしてください。
3. 絶対に間違えない!「コードサポート」との違い

電気工事士の筆記試験において、チューブサポートと並んで頻繁に出題されるのが「コードサポート」です。名称が似ているため、ひっかけ問題の選択肢としてよく登場しますが、現場での用途は全く異なります。ここをしっかり区別できるかが合格への鍵となります。
チューブサポート(ネオン管の支持)
用途は、光るガラス管そのものである「ネオン管」を支持することです。ガラスが割れないように衝撃を吸収するための「スプリング」が付いているのが最大の特徴です。
コードサポート(ネオン電線の支持)
用途は、ネオン管に高電圧の電気を送るためのケーブルである「ネオン電線」を支持することです。電線を挟み込んで固定するための溝やくぼみがありますが、電線はガラスのように割れないため「スプリングは付いていません」。
試験の問題文の選択肢に「ネオン管の支持」とあればチューブサポート、「ネオン電線の支持」とあればコードサポートを選びます。「管(チューブ)を支えるからチューブサポート」「電線(コード)を支えるからコードサポート」と言葉の意味をそのまま紐づけてしまうのが一番確実な覚え方です。
4. ネオン放電灯工事の関連ルールも押さえよう

第一種電気工事士を目指す方や、第二種で確実な合格を狙う方は、チューブサポートに関連して「ネオン放電灯工事」の基本ルールも一緒に覚えておくと非常に効率的です。電気工事士試験では、特定の工事に関連する材料や施工ルールがセットで出題される傾向があります。
ネオン変圧器の接地工事
ネオン管を光らせるための高電圧を作る機器が「ネオン変圧器」です。このネオン変圧器の金属製外箱には、感電事故を防ぐための「D種接地工事」を施すルールになっています。
支持点間と離隔距離の制限
コードサポート等を用いてネオン電線を配線(がいし引き工事)する場合、電線の支持点間の距離は「1m以下」と定められています。また、ネオン電線相互の離隔距離は「6cm以上」離す必要があります。
これらの数字やルールは筆記試験で非常によく狙われるため、チューブサポートの用途と合わせて記憶の引き出しに入れておきましょう。
まとめ

工事用材料のその他材料であるチューブサポートについて、試験で覚えるべきポイントをおさらいします。
・問題文で問われる用途は「ネオン放電灯工事でネオン管の支持に使用する」こと。
・高電圧の漏電を防ぐため、絶縁性のある「がいし」等で作られている。
・ガラス管を振動から守るための「衝撃緩衝用スプリング」が付いている。
・「ネオン電線」を支持するコードサポートとは、スプリングの有無で確実に見分ける。
日常的に触れる機会の少ない材料だからこそ、「なぜその形をしているのか」という背景を論理的に紐づけて覚えてしまうのが合格への近道です。「ガラスを守るためのスプリング」というポイントを頭に刻み込み、本番の鑑別試験で自信を持って正解を選べるようにしておきましょう。

