【第二種電気工事士】金属線ぴ・各種ダクト工事の施工ルール!ライティングダクトの禁止事項と支持点間隔を徹底解説

【第二種電気工事士】金属線ぴ・各種ダクト工事の施工ルール!ライティングダクトの禁止事項と支持点間隔を徹底解説

おしゃれなカフェや店舗の照明でよく見かけるライティングダクト。

また、オフィスや工場で電線を収める金属線ぴ(メタルモール)や金属ダクト。

これらは第二種電気工事士の筆記試験において、配線工事の施工方法として非常によく出題されるテーマです。

特に「支持点間の距離」や「やってはいけない施工方法」といったルールは、工事の種類ごとに数値や規定が異なるため、試験直前に混同しやすいポイントでもあります。

今回は、実際に出題された過去問を題材に、ライティングダクト工事を中心とした各種ダクト工事の重要知識を整理して解説します。

記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ

まずは、実際の試験問題を解いてみましょう。

電気工事のプロとして、現場で「危険だ!」と判断すべき不適切な工事を見抜く力が問われます。

【問題】

使用電圧300V以下の低圧屋内配線の工事方法として、不適切なものは次のうちどれか。

  1. 金属製可とう電線管工事で、より線(600Vビニル絶縁電線)を用いて、管内に接続部分を設けないで収めた
  2. ライティングダクト工事で、ダクトの開口部を上に向けて施設した
  3. フロアダクト工事で、電線を分岐する場合、接続部分に十分な絶縁被覆を施し、かつ、接続部分を容易に点検できるようにして接続箱(ジャンクションボックス)に収めた
  4. 金属ダクト工事で、電線を分岐する場合、接続部分に十分な絶縁被覆を施し、かつ、接続部分を容易に点検できるようにしてダクトに収めた

答えは決まりましたか?

「全部正しそうに見える」あるいは「金属線ぴやダクトの違いが曖昧」という方もいるかもしれません。

しかし、この中に一つだけ、電気工事の安全常識として明らかに危険な施工方法が含まれています。

ホコリが溜まったらどうなるか?水が入ったらどうなるか?

そういった現場の想像力が正解への鍵となります。

1. ズバリ、正解(不適切な工事)は?

正解(不適切なもの)は、選択肢の 2 です。

問題文の選択肢2には、「ライティングダクト工事で、ダクトの開口部を上に向けて施設した」とあります。

これが明確なルール違反です。

問題の正誤と各選択肢の図解説の黒板解説

なぜ「上向き」はダメなのか?

ライティングダクトは、レール状の開口部(溝)に照明器具のプラグを差し込んで使います。

この溝の中には、電気が流れる「導体」が露出しています。

もしこの開口部を「上」に向けて設置すると、以下のような危険が生じます。

・ホコリの堆積による火災

開口部に埃(ほこり)やゴミが溜まり、それが湿気を吸うことで電気が流れる「トラッキング現象」が発生し、火災の原因になります。

・異物の混入

クリップや硬貨などの金属片が落下して入った場合、内部の導体と接触して即座にショート(短絡)する恐れがあります。

そのため、電気設備の技術基準の解釈において、ライティングダクトの開口部は 原則として下向き に施設することが義務付けられています。

ライティングダクトの正しい向き(下向き)と構造のイラスト

2. これだけは覚えよう!ライティングダクト工事の鉄則

ライティングダクト工事は試験の頻出分野です。正解の「開口部の向き」以外にも、以下の3つの数字とルールを必ず覚えておきましょう。

① 支持点間の距離は「2m以下」

ダクトを天井などに固定する場合、その固定点(支持点)の間隔は 2m以下 でなければなりません。

これより広いと、照明器具の重みでダクトがたわんだり落下したりする危険があります。

② 終端部は「閉塞(へいそく)」する

ダクトの端っこ(切り口)が開いたままだと、充電部が露出して感電の危険があります。

必ず「エンドキャップ」と呼ばれる部品を使って塞ぐ必要があります。

③ 接地工事と省略条件

・原則として D種接地工事 を行います(漏電時の感電防止)。

・電路には 漏電遮断器 を設置します。

【重要】接地工事の省略条件

以下の条件を「両方」満たす場合は、接地工事を省略できます。試験でよく問われる数値です。

・対地電圧 150V以下

・長さ 4m以下

3. 紛らわしい!「金属線ぴ」や「金属ダクト」との違いを整理

今回のテーマである「金属線ぴ(せんぴ)」や「金属ダクト」についても、ライティングダクトと合わせて整理しておきましょう。

試験では、これらの「支持点間の距離」の違いがよく問われます。

金属線ぴ工事(メタルモール等)

特徴:幅が5cm未満の細い金属製の樋。壁面の露出配線などによく使われます。

支持点間距離:1.5m以下

金属ダクト工事

特徴:幅が5cmを超える太い金属製の樋。工場やビルで多数の電線を収めるのに使われます。

支持点間距離:3m以下

ライティングダクト工事

特徴:照明器具を取り付けるためのレール。

支持点間距離:2m以下

【覚え方のポイント】

支持点間の距離は、器具のサイズや頑丈さのイメージで順番に覚えましょう。

・金属線ぴ(小さい・細い) → 1.5m

・ライティングダクト(中くらい) → 2m

・金属ダクト(大きい・頑丈) → 3m

4. 他の選択肢はなぜ適切なのか?

最後に、正解以外の選択肢(1、3、4)についても、なぜそれが正しい施工方法なのかを確認しておきましょう。

選択肢1:金属製可とう電線管工事(適切)

「管内に接続部分を設けないで収めた」

これは 適切 です。

金属管や可とう電線管(フレキシブルな管)の中では、電線の接続点を作ってはいけません。接続点を作る場合は、必ず「ボックス」の中で行います。

選択肢3:フロアダクト工事(適切)

「接続部分を容易に点検できるようにして接続箱(ジャンクションボックス)に収めた」

これも 適切 です。

オフィスの床下配線などで使われるフロアダクト。電線の接続や分岐は、必ず点検できる「ジャンクションボックス」内で行うのがルールです。

選択肢4:金属ダクト工事(適切)

「接続部分を容易に点検できるようにしてダクトに収めた」

これも 適切 です。

ここで「管(パイプ)の中は接続NGなのに、ダクトはいいの?」と疑問に思うかもしれません。

金属ダクト(幅が5cmを超えるもの)には特例があります。

電線を分岐する場合で、フタを開けて接続点を容易に点検できる状態 であれば、ダクト内で接続点を設けることが許可されています。

「管はNG、ダクトは点検できればOK」と覚えておきましょう。

まとめ:この問題の攻略ポイント

今回の問題を通して覚えるべき要点は以下の通りです。

・ライティングダクト:開口部は絶対 下向き。支持点は 2m以下。

・金属線ぴ:支持点は 1.5m以下。

・金属ダクト:支持点は 3m以下。点検できるなら分岐接続OK。

・金属管・可とう管:管内の接続は 絶対NG。

特に「上向き施工」は、雨漏りやホコリのリスクを考えれば直感的に「危ない」と判断できるはずです。

このような施工のルールは、単なる暗記ではなく「なぜそうするのか(安全のため)」という理由とセットで覚えると、試験本番で迷わなくなります。