【電気工事士】試験頻出!計器用変圧器(VT)の役割と正解の見分け方|CTとの違いや図記号まで徹底解説

【電気工事士】試験頻出!計器用変圧器(VT)の役割と正解の見分け方|CTとの違いや図記号まで徹底解説

記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ

電気工事士の試験では、高圧受電設備(キュービクル)の中に設置されている機器の写真を見て、その「名称」や「役割」を答える問題が頻出します。

特に、今回解説する「計器用変圧器(VT)」は、見た目が似ている「変流器(CT)」と混同しやすく、多くの受験生が苦手とするポイントです。

まずは、実際の問題形式で今の実力をチェックしてみましょう。

【問題】

高圧受電設備に設置されている写真の機器の用途として、正しいものは次のうちどれか。

計器用変圧器(VT)の写真。黒い箱型で上部に端子があり、ヒューズ筒が付いているもの
  1. 高電圧を低電圧に変圧する。
  2. 大電流を小電流に変流する。
  3. 零相電圧を検出する。
  4. コンデンサ回路投入時の突入電流を抑制する。

答えは決まりましたか?

「変圧」なのか「変流」なのか、それとも全く別の機器なのか。

選択肢のキーワードに注目して選んでみてください。

それでは、正解と解説を見ていきましょう。

1. ズバリ、正解は?

【電気工事士】試験頻出!計器用変圧器(VT)の役割と正解の見分け方|CTとの違いや図記号まで徹底解説の問題の正誤と選択肢の図解説の黒板解説

正解は、選択肢の 1(高電圧を低電圧に変圧する) です。

写真の機器は「計器用変圧器」と呼ばれるものです。

試験問題では、「VT」という記号や、「計器用変圧器」という名称、そしてこの「高電圧を低電圧に変圧する」という役割の組み合わせがセットで問われます。

では、なぜ他の選択肢は間違いなのか、それぞれの役割を確認しておきましょう。

2. 大電流を小電流に変流する(不正解)

これは「変流器(CT)」の役割です。

VTが「電圧(V)」を変えるのに対し、CTは「電流(A)」を変える機器です。

役割が対になっているため、試験では必ずと言っていいほどひっかけの選択肢として登場します。

3. 零相電圧を検出する(不正解)

これは「零相基準入力装置(ZPD)」などに関連する役割です。

地絡事故(漏電)が起きた際の電圧バランスの崩れを検出するためのものです。VTも接地型計器用変圧器(EVT/ZVT)として零相電圧検出に使われることがありますが、一般的なVTの第一の役割は「変圧」です。選択肢の並びとして、最も適切なのは1になります。

4. コンデンサ回路投入時の突入電流を抑制する(不正解)

これは「直列リアクトル(SR)」の役割です。

進相コンデンサとセットで設置される機器で、VTとは全く用途が異なります。

2. そもそも「計器用変圧器(VT)」とは?

そもそも「計器用変圧器(VT)」とは?

ここからは、計器用変圧器(VT)について、試験で問われるポイントを深掘りして解説します。

丸暗記ではなく「なぜ必要なのか」を理解すると、記憶に残りやすくなります。

役割:電気の「通訳」

発電所から送られてくる電気は、6600Vなどの非常に高い電圧(高圧)です。

しかし、私たちが普段目にする電圧計や、電気を守るための継電器(リレー)は、そんな高い電圧を直接受け取ることができません。もし直接つないだら、機器が壊れたり、巨大な絶縁装置が必要になったりしてしまいます。

そこで登場するのがVTです。

VTは、高電圧(6600Vなど)を、計器が扱える「110V」という低い電圧に変換(変圧)してくれます。

つまり、VTは高圧の電気信号を、計器たちが理解できる110Vの言葉に翻訳してくれる「通訳」のような存在なのです。

  • 一次側(入力):6600V(高圧)
  • 二次側(出力):110V(低圧)

この「二次側定格電圧は110V」という数字は、試験で非常によく出るので必ず覚えておきましょう。

名称の由来

  • VT = Voltage Transformer
  • 昔はPT(Potential Transformer)と呼ばれていました。古い図面やベテランの方との会話ではPTと呼ばれることもありますが、試験ではVTが一般的です。

3. 試験攻略のポイント:CTとの見分け方

試験では、写真を見て「これがVTだ」と判断できなければなりません。

よく似ている変流器(CT)との見分け方をマスターしましょう。

ポイント①:ヒューズが付いているか?

多くの計器用変圧器(VT)の一次側には、保護のためのヒューズが取り付けられています。

写真を見たとき、機器の上部や手前に筒状のヒューズが見えたら、それはVTである可能性が高いです。

(※すべてのVTにヒューズが見えるわけではありませんが、試験に出る写真では大きな判断材料になります)

VTのヒューズ部分の拡大イメージまたは図解

ポイント②:端子の形状

VTは電圧を変換するものなので、2本の線で電圧を受け取ります。

一方、CT(変流器)は電線が機器の中を貫通しているタイプ(貫通型)や、太いバーが通っているタイプがよく出題されます。

「箱の上に端子があり、電線が貫通していない」場合はVTを疑いましょう。

ポイント③:図記号で見分ける

配線図問題(単線結線図)では、図記号で出題されます。

  • VTの図記号:丸の中に「VT」の文字、または変圧器の記号に文字が添えられています。
  • 接続方法:電路に対して「並列」に接続されています。
計器用変圧器 (VT)の単線結線図記号

一方、CTは電路に対して「直列」に書かれています。

「並列(ぶら下がっているイメージ)」ならVT、「直列(線の上に乗っているイメージ)」ならCTです。

4. 試験でよく出る「二次側」の注意点

試験でよく出る「二次側」の注意点

第一種電気工事士の筆記試験では、取り扱いに関する知識も問われます。

VTの二次側は「短絡(ショート)厳禁」

VTは電圧源です。コンセントと同じイメージを持ってください。

コンセントの穴同士を電線で繋ぐとショートして火花が散りますよね?

それと同じで、VTの二次側を短絡(ショート)させると、過大な電流が流れて機器が焼損してしまいます。

  • VT(計器用変圧器) ⇒ 二次側【短絡厳禁】(ショートさせてはダメ)
  • CT(変流器) ⇒ 二次側【開放厳禁】(回路を開いてはダメ)

この「VTは短絡NG、CTは開放NG」という対比は、電気工事士試験の鉄板ルールです。

どっちがどっちだったか迷ったら、「家のコンセント(電圧)をショートさせたらヤバい」=「電圧(VT)はショート厳禁」と思い出してください。

まとめ:計器用変圧器(VT)の重要ポイント

  • 名称:計器用変圧器(VT)
  • 役割:高電圧を低電圧に変圧する。
  • 電圧:二次側定格電圧は「110V」。
  • 用途:電圧計、電力計、不足電圧継電器などの電源として使われる。
  • 注意:二次側は絶対に「短絡(ショート)させない」。
  • CTとの違い:CTは「電流」を変えるもの。VTは「電圧」を変えるもの。

この問題は、写真鑑別でも配線図問題でも頻出のサービス問題にできる分野です。

「VT=110Vに変える変換器」というイメージをしっかり持って、試験本番で確実に点数を稼ぎましょう!