記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
まずは今の実力をチェックしてみましょう。第二種電気工事士の筆記試験(配線図問題)において、以下の問いに正解できるでしょうか。
これが解ければ、配線図問題で出題される「音響・呼出装置」の点数は確保したも同然です。
【問題】
次の図記号1〜4のうち、「チャイム」を示すものはどれでしょう?
- [ 画像:円の中に半円が描かれた記号 ]
- [ 画像:正方形の中に音符(♪)が描かれた記号 ]
- [ 画像:円の中にブザーの振動板のような形(またはB)が描かれた記号 ]
- [ 画像:黒丸(●)の記号 ]
答えは決まりましたか?
正解がどれか、そしてなぜその記号になるのか。
これから未経験で電気業界へ飛び込もうとしている方や、AIに代替されない「手に職」をつけて安定したキャリアを築きたい方に向けて、現場での使われ方も含めて詳しく解説していきます。
昨今、AIの台頭によって単純な事務作業やバックオフィス業務の将来性に不安を感じ、電気工事士への転職を考える方が増えています。
電気工事の世界は、実際に現場へ行き、物理的な機器を取り付ける仕事です。今回解説する「チャイム」や「ベル」といった機器も、建物がある限り必要とされる重要な設備の一つです。
試験対策としてはもちろん、現場に出たときにも役立つ知識として、しっかりと定着させていきましょう。
1. ズバリ、この図記号は何?
先ほどのクイズの答え合わせです。
配線図記号で「チャイム」を表すのは以下のものです。
[ 画像:正方形の中に音符(♪)が描かれた記号 ]答えは、選択肢の 2 でした。
覚え方のコツ
これは非常に直感的で覚えやすい記号の一つです。
チャイムといえば「ピンポン」という音が出ます。そこから 音符(♪)のマーク が使われていると連想しましょう。
JIS C 0617(電気用図記号)の規格においても、この音符マークは音響装置としてのチャイムを示しています。
2. ベル、ブザーとの違いを整理しよう
試験では、チャイムだけでなく「ベル」や「ブザー」も選択肢として並ぶことが多いです。
これらは全て「音を出して何かを知らせる」という目的は同じですが、使われるシーンが明確に異なります。添付いただいた参考書の解説を元に整理しましょう。
チャイム(音符マーク)
住宅などでは、チャイムは玄関の呼び鈴に使用されています。
用途:来客の通知(呼出)
特徴:柔らかい音(ピンポン、メロディなど)
記号:四角形に音符
ベル(円の中に半円)
ベルは非常事態の警報音に使用されています。
用途:火災報知機、学校の始業チャイム、非常警報
特徴:ジリリリ!という鋭い連続音
記号:電気工事士試験では、丸の中に半円(ベルの断面図のような形)で表されます。
ブザー(円の中に振動板またはB)
ブザーは異常発生時の注意報として使用されています。また劇場などの開演通知などに使用されています。
用途:工場の機械異常、盤内の警報、劇場のブザー
特徴:ブー!という低い警告音
記号:丸の中に独特の振動板の形、あるいは文字で示されることがあります。
3. 重要!「小勢力回路」とは?
この単元で必ずセットで覚えておかなければならないのが 小勢力回路 という言葉です。
画像内のメモ書きにも重要な定義が書かれています。
小勢力回路とは、小型変圧器を用いた、電圧が60V以下の回路です。
なぜ60V以下なのか?
チャイムやブザーの押しボタンは、人が指で直接触れるものです。万が一、雨で濡れた手で触ったり、器具が破損していたりしても、感電して命に関わることがないよう、電圧を低く(60V以下)落として安全を確保しています。
試験では「小勢力回路の電圧は何V以下か?」という問題も頻出です。
「チャイム=人が押す=危なくないように60V以下」 とセットで記憶しておきましょう。
4. 実際の現場ではどんな工事になる?
皆さんが試験に合格し、実際に現場に出た際、チャイム(呼び出し装置)に関わる工事は意外と多く存在します。
戸建て住宅やマンションのリフォーム
最近は「チャイム(音だけ)」から「テレビドアホン(カメラ付き)」への交換需要が非常に高いです。
古いチャイムは「小勢力回路(低い電圧)」で配線されていることが多いため、新しいドアホンに交換する際は、配線の種類や電源の取り方をしっかり確認する必要があります。
「ただの交換作業」に見えても、今回学んだ「小勢力回路」の知識がないと、適切な電線選定ができず、思わぬトラブルになることもあります。
テナントや店舗の工事
飲食店などで「ピンポーン」と店員を呼ぶボタンがありますが、あれもこの分野の応用です。有線のものもあれば、無線のものもありますが、基本となる「呼出・警報」の考え方は同じです。
まとめ
- チャイムの図記号は 正方形に音符マーク 。
- ベルは非常警報、ブザーは異常警報や合図に使われる。
- これらの回路は安全のため 60V以下の小勢力回路 が使われることが多い。
- 現場ではリフォームやドアホン交換などで頻繁に遭遇する設備である。
電気工事士の仕事は、こうした小さな記号一つ一つが、実際の建物の中で「安全」や「便利」を作っています。
プロフェッショナルへの第一歩として、まずはこの図記号を確実にマスターしてください。
