記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
まずは実力試しです。第二種電気工事士の筆記試験(図記号問題)において、以下の問いに正解できるかチェックしてみましょう。
【問題】
次の図記号1〜4のうち、「遅延スイッチ」を示すものはどれでしょう?
- [図記号:黒丸 ● の横に「H」]
- [図記号:黒丸 ● の横に「L」]
- [図記号:黒丸 ● の横に「D」]
- [図記号:黒丸 ● の横に「A」]
答えは決まりましたか?
正解がどれか、なぜその答えになるのか、これから詳しく解説していきます。
この記号は、私たちの日常生活、特に「家に帰ってきたとき」に必ずお世話になっている便利なスイッチです。
自信を持って答えられた方も、少し迷った方も、このまま読み進めて「確実に1点取れる知識」にしてしまいましょう!
1. ズバリ、この図記号は何?
先ほどのクイズの答え合わせです。
配線図記号で「遅延スイッチ」を表すのは以下の記号です。
●D
(※実際の試験では、黒丸の傍記としてDの文字)
正解は、選択肢の 「3」 でした!
覚え方のコツ:DはDelay(ディレイ)のD
覚え方は非常にシンプルです。
英語の Delay(ディレイ/遅れる・遅延) の頭文字をとって「D」と覚えましょう。
音楽をやっている方ならエフェクターの「ディレイ」、ビジネスマンの方なら飛行機の「ディレイ(遅延)」という言葉で馴染みがあるかもしれません。
JIS C 0617 などの規格に基づき、スイッチ(点滅器)を表す黒丸「●」に、機能を表す「D」が添えられています。
2. 遅延スイッチってどんな仕組み?
「スイッチを切っても、すぐには消えない」。これがこのスイッチ最大の特徴です。
添付いただいた画像の説明にもある通り、以下の動作をします。
スイッチを「切」にすると、約30秒ほど電気がつき続け、その後に自動で消灯する。
実際に使われている場所:なぜ「玄関」なのか?
このスイッチが最も活躍するのは 「玄関(内側)」 です。
実際の生活シーンを想像してみてください。
- 夜、仕事から帰宅する。玄関の電気をつける。
- 靴を脱いで、廊下へ上がる。
- 部屋へ向かうために玄関のスイッチを「切」にする。
もし、普通のスイッチだったらどうなるでしょうか?
スイッチを切った瞬間、玄関は真っ暗闇になります。まだ靴も揃えていないし、足元には段差があるかもしれません。暗闇の中を手探りで移動するのは危険ですよね。
ここで「遅延スイッチ」の出番です。
パチンと切っても、まだ30秒間は明るいまま。
その間に、脱いだ靴を揃えたり、廊下の奥にあるリビングまで安全に歩いて移動したりできます。そして、あなたが去った後、誰もいない玄関で自動的に「スッ…」と消灯してくれるのです。
まさに、「去り際の安全を守ってくれる、気の利くスイッチ」と言えます。
3. 試験で間違えやすい!似ている記号との違い
電気工事士の試験では、アルファベット一文字違いの記号が選択肢に並びます。
特に以下の3つは「スイッチ御三家」として頻出ですので、違いを整理しておきましょう。
- ●D (Delay): 遅延スイッチ
- 今回のお題。切った後に遅れて消える。用途:玄関など。
- ●H (Hotaru): 位置表示灯内蔵スイッチ(ホタルスイッチ)
- スイッチが OFFの時 に、緑などのランプが光る。暗闇でもスイッチの場所がわかる。
- 覚え方:暗いところで光るから「ホタル」。
- ●L (Light / Load): 確認表示灯内蔵スイッチ(パイロットスイッチ)
- スイッチが ONの時 に、赤色などのランプが光る。換気扇の消し忘れ防止などに使う。
- 覚え方:負荷(Load)が動いているか確認できるからL。
試験攻略のポイント:
問題文に「玄関」や「遅れて消灯」というキーワードがあれば、迷わず「●D」を選んでください。
4. 実際の現場(電気工事)でのリアル
これから電気工事士への転職を考えている方へ、現場目線でのプチ情報です。
リフォーム現場などで、古いスイッチを交換する際、お客様から「玄関がすぐ暗くなって不便なんだよね」と相談されることがあります。
そんな時、「今の配線そのままで、スイッチだけこの『遅延スイッチ』に変えれば解決しますよ」と提案できると、お客様に大変喜ばれます。
このスイッチは、ハンドル(指で押す部分)に「遅れ消灯」「玄関」といった文字が書かれていることが多いです(添付画像参照)。
現場でスイッチプレートを外した時、裏側の器具本体に配線をつなぎ込みますが、基本的な結線方法は片切スイッチと同じ場合もあれば、3路スイッチのように配線するものもあります(メーカーや型番による)。
「たかがスイッチ、されどスイッチ」。
そこに住む人の動線を考えて選定されている器具なんだな、と理解できると、仕事がもっと面白くなります。
まとめ
- 図記号 ●D は 遅延スイッチ。
- Delay(遅延)のD と覚える。
- スイッチを切った後、約30秒遅れて 消灯する。
- 主な設置場所は 玄関。
ホワイトカラーの仕事では「即断即決」「スピード」が求められることが多いですが、このスイッチのように「あえて遅れる」ことが価値になる、そんな面白い機能が電気の世界にはあります。
まずはこの「●D」を確実に覚えて、試験合格への一歩を踏み出しましょう!
