この記事でわかること
・電気工事士試験で頻出のスイッチボックス(埋込形)の役割と種類の見分け方
・金属製と合成樹脂製の決定的な違いと、試験で問われる接地工事(アース)のルール
・よく似ているアウトレットボックスとの違いや、実務でも役立つ施工知識
電気工事士の勉強を始めると、配管工事の単元で似たような箱がたくさん出てきて混乱することがあります。
特に今回解説する【スイッチボックス(埋込形)】は、住宅やビルの屋内配線で必ずと言っていいほど使用される最重要材料の一つです。
筆記試験の鑑別問題(写真を見て名称を答える問題)で頻出なのはもちろん、金属製か樹脂製かによって【接地工事(アース)】のルールが変わるという点は、配線図問題や施工条件の判断でもよく狙われるポイントです。
この記事では、電気工事士試験の合格を目指すあなたに向けて、スイッチボックス(埋込形)の知識をどこよりも分かりやすく、かつ試験に出るポイントを肉厚に徹底解説します。
目次 非表示
1. スイッチボックス(埋込形)とは?

スイッチボックス(埋込形)とは、その名の通り、壁の中に埋め込んで使用する箱状の材料です。
私たちが普段、部屋の壁で見ているスイッチやコンセント。あれは壁に接着剤で貼っているわけではありません。壁の裏側にあるこのスイッチボックスに、ネジでしっかりと固定されているのです。
主な3つの役割
- 器具の固定スイッチやコンセントなどの配線器具(連用取付枠)を壁に強固に固定する土台となります。
- 電線の保護電線の接続部分(結線部)をボックス内に収めることで、ネズミなどの小動物や、外部からの衝撃から保護します。
- 絶縁と防火万が一、接続部分でショートやスパーク(火花)が発生しても、壁の木材などに引火しないように隔離する役割があります。
2. 試験に出る!金属製と合成樹脂製の違い

電気工事士試験で最も重要なのが、【材質による違い】を理解しているかどうかです。
大きく分けて2種類あります。それぞれの特徴と試験対策のポイントを見ていきましょう。
① 金属製スイッチボックス(鉄ボックス)
昔からビルや工場、住宅で幅広く使われている鉄製のボックスです。

【外観の特徴】
色は銀色(亜鉛メッキなどの金属色)。四角い形状で、側面や底面に「ノックアウト」と呼ばれる丸い切れ込みがあります。
施工時は、接続する電線管に合わせてノックアウトをハンマーで打ち抜き、そこに管を接続します。
【超重要:試験対策ポイント】
金属製は電気を通します(導電性)。もし中の電線が被覆破れを起こしてボックスに触れると、ボックス全体が帯電して感電事故に繋がります。
そのため、原則として【D種接地工事(アース)】を施す必要があります。
※ただし、対地電圧150V以下で、かつ乾燥した場所や簡易接触防護措置を施す場合など、一定の条件で省略可能です。この「原則必要・条件により省略可」という知識が問われます。
② 合成樹脂製スイッチボックス(樹脂ボックス)
近年の一般住宅(特に木造)で主流となっているプラスチック製のボックスです。

【外観の特徴】
色はグレー、黒、茶色などが一般的。金属製に比べて軽量で、複雑な形状(リブ構造)をしています。
一般的なボックスのほか、壁を貼った後に取り付ける「スライドボックス」などもこれに含まれます。
【超重要:試験対策ポイント】
最大の特徴は【絶縁体(電気を通さない)】であることです。
そのため、【接地工事(アース)は不要】です。
試験問題で「木造住宅の工事」が出題された場合、安全のためにこの樹脂製ボックスと樹脂管(PF管・CD管)が選ばれることが多いです。
3. 似ている材料「アウトレットボックス」との見分け方

初心者が最も悩みやすいのが、【アウトレットボックス】との違いです。
どちらも「電線を入れる箱」ですが、試験では明確に区別されます。
スイッチボックス(埋込形)
・主な用途:スイッチやコンセントを取り付ける
・形状:長方形(1個用)、正方形(2個用)
・ネジ穴:配線器具の取付枠に合う約83.5mmピッチ
・覚え方:「器具を付けるための箱」
アウトレットボックス
・主な用途:電線の分岐・接続(ジョイント)を行う
・形状:正方形(大・中)、八角形
・ネジ穴:カバー固定用のネジ穴が四隅にある
・覚え方:「電線を繋ぐための箱」
【試験テクニック】
写真鑑別で「黒い四角い箱」が出たとき、長方形(縦長)であれば、ほぼ間違いなくスイッチボックスです。
正方形の場合は、ネジ穴の位置を確認しましょう。上下の中央付近に器具固定用のネジ穴があれば「スイッチボックス(2個用)」、四隅にしかネジ穴がなければ「アウトレットボックス」です。
4. 試験で差がつく!施工知識の深掘り

ここでは、筆記試験や技能試験で役立つ、もう少し踏み込んだ知識を解説します。
配管との接続には付属品が必要
スイッチボックスに電線管を繋ぐ場合、そのままでは固定できません。材質によって使う「コネクタ」が違います。
・金属製ボックス × 金属管
⇒【ロックナット】を使って、ボックスの内側と外側から締め付けて固定します。また、電線保護のために管端に【絶縁ブッシング】を取り付けます。
・合成樹脂製ボックス × 合成樹脂管(PF管など)
⇒ 専用の【コネクタ】を使用し、ワンタッチまたはネジ締めで固定します。
セパレーター(隔壁)の使用
一つのスイッチボックスに、「100Vの電灯回路」と「弱電(電話やインターホン)回路」を同居させる場合があります。
この時、電圧の違う線同士が干渉したり混触したりしないよう、ボックスの中に【セパレーター】という仕切り板を入れる必要があります。これも試験の正誤判定で出題されることがあります。
まとめ:合格へのチェックリスト

最後に、スイッチボックス(埋込形)について覚えるべきポイントを整理しました。
- 用途は?→ スイッチやコンセントを壁に固定するため。
- 金属製の特徴は?→ 頑丈だが電気を通すため、原則【D種接地工事(アース)が必要】。
- 合成樹脂製の特徴は?→ 絶縁体なので【接地工事は不要】。木造住宅でよく使われる。
- アウトレットボックスとの違いは?→ 器具を付けるのがスイッチボックス、電線を繋ぐだけなのがアウトレットボックス。
たかが箱、されど箱。
この違いを明確に理解していると、筆記試験の「鑑別問題」「配線図問題」「施工方法」のすべてで得点アップにつながります。
実際の現場でも、安全を守るために非常に重要な部材ですので、しっかりマスターしておきましょう!
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