記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
電気工事士の試験勉強を進めていると、「数字」を覚える項目がたくさん出てきて混乱していませんか?
特に「高さ」に関する規定は、単純な暗記だけでなく「条件」を読み取る力が試されます。
今回は、配線図問題の中でも頻出の「引込線の取付点」に関する問題です。
まずは今の実力をチェックしてみましょう。
【問題】
下図矢印で示す引込線取付点の高さの最低値 [m] は。
ただし、引込線は道路を横断せず、技術上やむを得ない場合で、交通に支障がないものとする。

- 2.5
- 3.0
- 3.5
- 4.0
答えは決まりましたか?
「基本は4mだった気がするけど、何か条件が書いてあるな……」と気づけた方は鋭いです。
正解と、なぜその数字になるのか、現場の状況をイメージしながら解説します。
1. ズバリ、正解と数字の根拠
正解は、選択肢の 1(2.5m) でした。
この問題のポイントは、問題文にある 「技術上やむを得ない場合で、交通に支障がない」 という一文です。これを見逃すと、ひっかけ問題に足元をすくわれてしまいます。

引込線取付点の高さの「2つのルール」
電気設備技術基準の解釈(電技解釈)では、引込線の取付点の高さについて以下のように定めています。
- 【原則】 4m 以上
- 基本的には、地面から4m以上の高い位置に取り付けなければなりません。
- 【例外】 2.5m 以上
- 以下の条件をすべて満たす場合のみ、2.5mまで下げることができます。
- 交通に支障がない とき
- 技術上やむを得ない とき
- 以下の条件をすべて満たす場合のみ、2.5mまで下げることができます。
今回の問題文には、まさにこの【例外】の条件が書かれていました。そのため、原則の4mではなく、例外の「2.5m」が正解となります。
2. なぜ高さの規定があるの?現場目線で解説
そもそも、なぜ電線の取付点にこれほど厳密な高さ制限があるのでしょうか?
テキストの数字を丸暗記する前に、現場の景色を想像してみると自然と頭に入ります。
トラックや人が引っかからないようにするため
引込線は、道路にある電柱から、私たちの家の壁まで空中を飛んでくる電線です。
もしこれが低い位置にあったらどうなるでしょうか?
引越しのトラックが通ったときや、脚立を持って作業している人が通ったときに、電線に引っかかって切断してしまうかもしれません。最悪の場合、感電事故や大規模な停電につながります。
そのため、原則は4m という、トラックが通っても安全な高さを確保する必要があります。
「2.5m」が許されるケースとは?
では、なぜ2.5mでも良い場合があるのでしょうか。
例えば、建物の軒先(屋根の端)が低く、どうしても物理的に4mの高さを確保できない平屋の建物などがあります。これが「技術上やむを得ない場合」です。
また、その場所が車の通らない裏路地や、人の出入りが少ない場所であれば、高さを下げても危険性は低くなります。これが「交通に支障がない場合」です。
現場では、安全を確保しつつ、建物の構造に合わせて柔軟に施工できるようにルールが作られています。
3. 試験で間違えないための重要ポイント
第二種電気工事士の筆記試験では、この項目は非常によく出題されます。
以下のキーワードに注目して問題を解く癖をつけましょう。
問題文の「条件」を探せ!
問題文を見たとき、以下のフレーズがあるかどうかを必ずチェックしてください。
- 「交通に支障がない」
- 「技術上やむを得ない」
このフレーズが あれば 2.5m です。
もし、これらの条件が一切書かれておらず、単に「引込線取付点の高さは?」と聞かれた場合や、「道路を横断する」などの条件がある場合は、原則通り 4m(道路横断時は5mの場合もあり) を意識する必要がありますが、この図記号問題においては 「2.5m」の例外規定を問う問題が圧倒的に多い です。
配線図での見た目
配線図記号としては、黒丸(●)や、引込口を示す矢印として描かれます。
図面の入口部分(左側など)に配置されることが多く、「Wh(電力量計)」の手前にある点が取付点です。
- 電柱 → 引込線 → 取付点(ここ!) → 引込口 → メーター(Wh)
電気の流れの入り口となる重要な場所であることを覚えておきましょう。
まとめ
- 引込線取付点の高さは、原則 4m 以上。
- 「交通に支障がない」「技術上やむを得ない」場合は 2.5m 以上 に緩和できる。
- 試験問題では、この 2.5m の例外条件 を問われるケースが非常に多い。
- 理由は、車や人が接触して事故になるのを防ぐため。
この問題は、知っていれば1秒で解けるサービス問題です。
「条件文があったら2.5m!」と反射的に答えられるようにしておけば、合格への大きな一歩となります。

