【第二種電気工事士】その設備は「一般用」?それとも「自家用」?区分の境界線を完全攻略

【第二種電気工事士】その設備は「一般用」?それとも「自家用」?区分の境界線を完全攻略

電気工事士の勉強を始めると、最初に法律の壁にぶつかることがあります。特に「一般用電気工作物」と「自家用電気工作物」の違いは、工事ができる範囲(資格の範囲)に直結するため、非常に重要な単元です。

今回は、試験でも頻出の「一般用電気工作物の範囲」に関する問題を扱います。

特に、近年増えている「発電設備(太陽光や発電機)」が含まれる場合のルールの違いは、数字の暗記が合否を分けます。

まずは過去問形式で実力をチェックしてみましょう。

記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ

【問題】

一般用電気工作物に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 低圧で受電するものは、出力25kWの非常用予備発電装置を同一構内に施設しても、一般用電気工作物になる
  2. 低圧で受電するものは、小出力発電設備を同一構内に施設しても、一般用電気工作物になる
  3. 高圧で受電するものであっても、需要場所の業種によっては、一般用電気工作物になる場合がある
  4. 高圧で受電するものは、受電電力の容量、需要場所の業種にかかわらず、すべて一般用電気工作物となる

答えは決まりましたか?

「一般用電気工作物」=「第二種電気工事士が工事できる範囲(一般住宅など)」というイメージは持っているかもしれません。しかし、そこに発電機や高圧受電といった条件が加わると迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

正解がどれか、そしてなぜ他の選択肢が間違いなのかを解説していきます。

1. ズバリ、正解は?

正解は、選択肢の 2 です。

この問題を解く鍵は、一般用電気工作物の「2つの大原則」と、例外となる「小出力発電設備の数値」を正確に覚えているかどうかです。

ここからは、試験対策として覚えるべきポイントを整理します。

問題の正誤と選択肢の図解説の黒板解説

2. 一般用電気工作物の「定義」を理解しよう

一般用電気工作物(私たちの家の電気設備など)として認められるには、基本的に以下の条件を満たす必要があります。

条件1:低圧(600V以下)で受電していること

これが絶対条件です。一般住宅や小規模な商店がこれに該当します。

逆に言えば、「高圧」で受電している設備は、どんなに規模が小さくても「自家用電気工作物」となります。

この時点で、問題の選択肢 34 は「高圧で受電」と書かれているため、即座に不正解だと判断できます。

条件2:構外にわたる電線路がないこと

敷地の外へ電線を伸ばして電気を送るような設備は、一般用にはなりません(今回は問題に出てきませんが、覚えておきましょう)。

3. 引っかけポイント!「小出力発電設備」の数値

近年、試験で狙われやすいのがこの「発電設備」がある場合のルールです。

低圧受電であっても、大きな発電機を持っていると危険度が増すため「自家用電気工作物」扱いになってしまいます。

一般用電気工作物のままでいられる(=第二種電気工事士が扱える)発電設備は、以下の「小出力発電設備」に限られます。

小出力発電設備の出力上限をまとめた表

この数値を必ず覚えてください。

  • 太陽光発電設備:50kW 未満
  • 風力発電設備:20kW 未満
  • 水力発電設備(ダム除く):20kW 未満
  • 内燃力発電設備(エンジン):10kW 未満
  • 燃料電池発電設備:10kW 未満

※これらを合計して50kW未満であることも条件です。

選択肢1 が間違いである理由

選択肢1には「出力25kWの非常用予備発電装置」とあります。

非常用予備発電装置は、ディーゼルエンジンなどを使うため「内燃力発電設備」に分類されます。

内燃力の一般用の上限は10kW未満です。

25kWは10kWを超えているため、これは「小出力発電設備」の枠を超え、「自家用電気工作物」となります。したがって、選択肢1は誤りです。

選択肢2 が正解である理由

「小出力発電設備を同一構内に施設しても、一般用電気工作物になる」という記述は、定義そのものです。

上記の数値(太陽光50kW未満など)に収まる小出力発電設備であれば、一般用電気工作物として扱われます。

4. 試験対策:数字の覚え方

数字が混同しやすいので、このように整理して覚えましょう。

  • 太陽光は安全なので大きい50kW(一番大きい数値)
  • 自然の力(風・水)は中間20kW
  • 燃料を燃やす系(エンジン・燃料電池)は厳しい10kW(一番小さい数値)

試験では特によく、「内燃力発電設備(エンジン発電機)」が出題されます。「内燃力は10kW未満」という一番厳しいラインをしっかり押さえておけば、多くの引っかけ問題を回避できます。

まとめ:この問題の攻略ポイント

  • 高圧受電という言葉が出たら、絶対に一般用ではない(自家用になる)。
  • 一般用になれるのは600V以下の低圧受電のみ。
  • 発電設備がある場合は、出力の上限値を確認する。
  • 特に内燃力(エンジン)は10kW未満でなければならない。

今回の問題は、一般用電気工作物の定義の基本と、発電設備の詳細な数値知識を組み合わせて解く良問でした。この区分けは、資格取得後の実務でも「自分が工事できる現場かどうか」を判断する大切な知識になります。

数値を整理して、自信を持って回答できるようにしておきましょう。