【電気工事士】高圧受電設備「キュービクル」完全攻略!開放形との違いやPF・S形300kVA制限とは?

【電気工事士】高圧受電設備「キュービクル」完全攻略!開放形との違いやPF・S形300kVA制限とは?

ビルやコンビニの駐車場、工場の敷地内で、「変電設備」と書かれたクリーム色の大きな箱を見かけたことはありませんか?

あれこそが、今回のテーマである「キュービクル(キュービクル式高圧受電設備)」です。

電気工事士の試験において、高圧受電設備は配線図問題や知識問題で必ずと言っていいほど出題される重要単語です。

しかし、普段の生活で中身を見る機会がないため、「開放形と何が違うの?」「PF・S形って何?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

今回は、試験で問われる「キュービクルの特徴」と、絶対に覚えておくべき「容量のルール」について、過去問形式で解説します。

まずは、今の理解度をチェックしてみましょう。

記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ

高圧受電設備の「設置環境」や「特徴」に関する問題です。

常識的に考えれば解ける問題ですが、試験独特の言い回しに慣れておきましょう。

【問題】

キュービクル式高圧受電設備の特徴として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 接地された金属製箱内に機器一式が収容されるので、安全性が高い。
  2. 開放形受電設備に比べ、より小さな面積に設置できる。
  3. 開放形受電設備に比べ、現地工事が簡単となり工事期間も短縮できる。
  4. 屋外に設置する場合でも、雨等の吹き込みを考慮する必要がない。

答えは決まりましたか?

「金属の箱だから雨なんて平気でしょ?」という油断が禁物な問題です。

正解と、なぜそれが誤りなのかを解説します。

1. ズバリ、正解(誤っている記述)は?

正解(誤っているもの)は、選択肢の 4 です。

解説

キュービクルは金属製の箱に入っていますが、屋外に設置する場合は、雨水などの侵入(吹き込み)を考慮する必要があります。

箱に入っているとはいえ、内部には高圧の電気が流れています。通気口(換気ガラリ)や扉の隙間から雨水が吹き込むと、絶縁不良やショート事故の原因となります。そのため、屋外用として設計されたものは、適切な防水対策が施された構造になっています。「考慮する必要がない」と言い切っている点が間違いです。

その他の選択肢(1、2、3)はすべてキュービクルのメリット(正しい記述)です。これらはそのまま試験で問われるポイントですので、以下で詳しく深掘りしていきましょう。

【電気工事士】高圧受電設備「キュービクル」完全攻略!開放形との違いやPF・S形300kVA制限とは?の問題の正誤と選択肢の図解説の黒板解説

2. そもそも「キュービクル」とは? 開放形との違い

高圧受電設備とは、電力会社から送られてくる6,600Vなどの高い電圧を、建物内で使える100Vや200Vに変圧するための設備一式のことです。

これには大きく分けて2つのスタイルがあります。

(1) 開放形高圧受電設備

昔の工場などで見られるタイプです。

パイプや形鋼(フレーム)を組み上げ、そこに碍子(がいし)や機器を一つひとつ取り付けていく方式です。

パイプやフレームで組まれた開放形受電設備の図(複雑な配線が見えるもの)

特徴:機器が露出している(充電部がむき出し)。

デメリット:感電の危険性が高い。広い設置スペースが必要。現地での組み立て工事に時間がかかる。

(2) キュービクル式高圧受電設備

現在の主流となっているタイプです。

開放形の設備一式を、頑丈な金属製の箱(筐体)にコンパクトに収納したものです。

金属製の箱に入ったキュービクル式受電設備の立面画像

メリット(試験頻出):

・安全性が高い:金属箱に覆われ、施錠できるため感電事故が少ない。

・省スペース:機器を効率よく配置しているため、開放形より設置面積が小さい。

・工期短縮:工場で組み立ててから運んでくるため、現場での据え付け工事が簡単で早い。

・信頼性:工場生産のため品質が安定している。

試験では「開放形と比較したメリット」がよく問われます。「小さく、早く、安全」と覚えておきましょう。

3. 試験の最重要ポイント!「PF・S形」と「CB形」

キュービクルには、中に入っている主遮断装置(メインのスイッチ)の違いによって、主に2つの種類があります。

ここが第一種・第二種電気工事士試験で最も数字(設備容量)を問われる部分です。

① PF・S形(ピーエフ・エスがた)

主遮断装置に「高圧限流ヒューズ付高圧負荷開閉器(LBS)」を使用するタイプです。

PF・S形(LBS使用)の機器配置図や単線結線図

主遮断装置:LBS(高圧交流負荷開閉器)+PF(高圧限流ヒューズ)

設備容量の制限(超重要):300kVA以下

特徴:

構造がシンプルで安価。

もしショート(短絡)事故が起きたら、ヒューズ(PF)が溶断して電気を止めます。

LBSに必要な機能:

・ストライカ(ヒューズが切れた時にスイッチを強制的に切る機能)

・絶縁バリア(相間や側面を隔てる板)

※「過電流ロック機能」はPF・S形のLBSには不要です(試験によく出るひっかけです)。

② CB形(シービーがた)

主遮断装置に「高圧交流遮断器(CB)」を使用するタイプです。

CB形(遮断器使用)の機器配置図

主遮断装置:CB(高圧交流遮断器)

設備容量の制限:4000kVA以下(一般的に300kVAを超える場合に使用)

特徴:

高機能で、過電流継電器(OCR)などと組み合わせて使う。

繰り返し使用でき、再送電が容易。

まとめ:この問題の攻略ポイント

キュービクルの問題が出たら、以下のキーワードをチェックしてください。

  1. 設置場所:屋外なら「雨水対策(吹き込み防止)」が必須。
  2. メリット:開放形より「安全・狭い場所でOK・工期が短い」。
  3. 容量制限:・300kVA以下 なら PF・S形(ヒューズ付LBS)。・300kVA超 なら CB形(遮断器)。

特に「PF・S形は300kVA以下」というルールは、実務でも設計の基本となる知識ですし、筆記試験でも頻出です。

街中でキュービクルを見かけたら、「あの中には300kVAまでのLBSが入っているのかな?それとも大きなCBかな?」と想像してみると、記憶に定着しやすくなりますよ。