【2026年最新】第一種電気工事士とは?試験の攻略法・二種との違い・実務経験3年・2026年度CBT日程と難易度

第一種電気工事士へのステップアップ!実務経験の短縮や試験難易度を徹底解説

現在、建設・設備業界における人手不足は深刻化しており、確かな技術を持つ電気工事士の需要はかつてないほど高まっています。

本記事では、第二種電気工事士からのステップアップを目指す方に向けて、第一種電気工事士の価値、2021年の法改正以降定着した「実務経験3年」のルール、そしてCBT化が進む最新の2026年度試験情報について詳しく解説します。

【まずはここから】 あなたに最適な資格ルートを確認

「いきなり第一種に挑戦しても大丈夫?」「まずは第二種の復習が必要?」と迷っている方は、試験対策に入る前に資格全体のロードマップを確認しておくと安心です。 電気工事士としての長期的なキャリアステップや、基礎となる第二種の重要ポイントを整理した以下の記事もあわせてご覧ください。全体像を把握してから本記事を読むと、理解度が格段に上がります。

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第一種電気工事士とは?第二種との決定的な違い

第一種電気工事士とは?第二種との決定的な違い

第一種電気工事士は、一般住宅などの低圧設備に加え、工場やビルなどの「高圧」の電気設備工事に従事できる国家資格です。第二種電気工事士の上位資格に位置づけられ、取得することで活躍のフィールドが劇的に広がります。

ビル・工場など大規模施設の工事が可能(最大500kW未満)

第二種電気工事士が扱えるのは「一般用電気工作物(600V以下)」に限られますが、第一種電気工事士を取得すると、最大電力500kW未満の「自家用電気工作物」の工事が可能になります。

具体的には、以下のような設備に関わることができるようになります。

特に、ビルや工場に電気を引き込むための心臓部であるキュービクル内の工事は、第一種の独壇場です。変圧器(トランス)遮断器といった主要機器を扱うため、より専門的な知識と責任感が求められます。

年収・手当のアップが期待できる

対応できる工事の範囲が広がるため、企業内での評価も直結します。多くの電気工事会社やビル管理会社では、第一種電気工事士に対して資格手当を増額設定しています。

また、大規模現場の職長や現場代理人を任されるチャンスも増え、キャリアアップによるベース給与の向上も期待できるでしょう。

【重要】免状交付に必要な実務経験が「3年」に短縮

第一種電気工事士【重要】免状交付に必要な実務経験が「3年」に短縮

かつて第一種電気工事士の免状を取得するには「5年」の実務経験が必要でしたが、現在は法改正により期間が短縮され、より早期のキャリアアップが可能になっています。

法改正による実務経験要件の変更点(5年→3年)

2021年の法改正以降、免状交付に必要な実務経験年数は原則「3年」に統一されています。

以前は5年の経験が必要でしたが、現在は学歴に関わらず、合格後の実務経験(または合格前の経験も含む)が3年以上あれば免状を申請できます。

これにより、第二種を取得して現場に入り、3年仕事を覚えればすぐに第一種として独り立ちできるルートが確立されました。20代のうちに第一種を取得し、現場の最前線で活躍することも決して珍しくありません。

注意! 実務経験に算入できない工事もある 申請前に確認必須

「現場に出て3年経てば、自動的に実務経験として認められる」と考えていませんか?

実は、ここが第一種電気工事士の免状取得における 最大の落とし穴 です。

免状交付の申請時に認められる「実務経験」とは、あくまで 電気工事士法で定められた「電気工事」に従事した期間 のことです。

たとえ電気に関わる現場にいても、作業内容によっては「経験年数」としてカウントされない(却下される)ケースがあります。せっかくの努力が申請時にストップしてしまわないよう、以下のチェックリストでご自身の業務を確認しておきましょう。

【判定表】実務経験に「含まれる業務」と「含まれない業務」

特に注意が必要なのは、「施工管理のみ」 の場合や、「軽微な工事」 しか行っていない場合です。

判定具体的な業務内容の例カウントされない理由・注意点
算入OK
(経験になる)
・屋内配線の敷設、接続作業
・配電盤や電気機器の取付け、取外し
・アース(接地)工事
・配管工事などの付帯工事
第一種・第二種電気工事士として、実際に工具を使って手を動かす施工業務は、基本的にすべて対象です。
算入NG
(経験にならない)
【軽微な工事】
・電球、蛍光灯、ヒューズの交換
・インターホンや火災感知器の取付け(※配線接続を除く)
・600V以下での差込接続器による接続

【工事を伴わない業務】
・設計図面の作成のみ
施工管理(現場代理人)として指示・写真撮影のみ
・検査、メンテナンス(測定のみ)
これらは法律上「電気工事士の資格がなくてもできる作業」や「施工そのものではない業務」とみなされます。
「現場にはいたが、工具を持って作業はしていない」という期間は認められない自治体が多いです。
対象外・船舶、車両、航空機内の電気工事
・電力会社の発電所・変電所等の工事
これらは電気工事士法の適用外(別の法律が適用される)となるため、第一種の実務経験には含めることができません。

※判断に迷う業務がある場合は、申請予定の都道府県窓口へ事前に相談することをおすすめします。

申請先の自治体によって「証明書」の厳しさが違う?

実務経験を証明するのは、あなたが所属する(していた)会社です。

免状交付申請の際、会社に 「実務経験証明書」 を書いてもらい、印鑑をもらう必要があります。

ここで注意したいのが、「申請先の都道府県によって、認められる範囲が異なる」 という点です。

ある県では「施工管理も実務経験に含む」とされても、別の県では「工具を持って施工した期間のみ(管理は不可)」と厳しく判断されることがあります。

合格前に「証明書」の確約を取っておこう

「合格したのに証明書がもらえない!」という事態を防ぐため、受験勉強を始める今の段階で、会社の上司や総務担当者にこう聞いてみましょう。

「将来、第一種の免状を申請したいのですが、私の今の業務は実務経験として証明書を発行してもらえますか?」

この一言を確認しておくだけで、安心して試験勉強に集中できます。

もし現在の業務が対象外だったとしても、早めに相談することで、実務経験として認められる工事現場へ優先的に配置してもらえるなど、会社側もキャリアアップを応援してくれるはずです。

試験合格だけでは免状はもらえない点に注意

重要なポイントは、「第一種電気工事士試験に合格しただけでは、第一種の工事はできない」ということです。

  1. 試験に合格する(合格証書が届く)
  2. 実務経験を3年積む
  3. 都道府県知事に申請し、免状の交付を受ける

この手順を踏んで初めて、法的に第一種電気工事士として作業が可能になります。ただし、試験合格自体に有効期限はないため、実務経験が足りない状態でも先に試験に合格しておく「先取り受験」は非常に有効な戦略です。

【注意】第一種でも「できない工事」がある? 特殊電気工事という例外

第一種電気工事士は、一般用から自家用工作物(500kW未満)まで幅広く扱える「電気工事のスペシャリスト」ですが、法律上、安全確保のために 「別の専門資格」 がなければ作業できない特殊な分野が存在します。

「第一種さえあれば世の中の全ての電気工事ができる」と誤解されがちですが、現場でのコンプライアンス違反を防ぐために、以下の例外(特殊電気工事)については正しい知識を持っておきましょう。

別途「特種電気工事資格者」が必要な2つの工事

以下の工事は、第一種電気工事士の免状だけでは作業できません。これらに従事するには、別途申請や講習を経て 「特種電気工事資格者」 の認定を受ける必要があります。

工事の種類必要な資格概要・注意点
ネオン工事特種電気工事資格者
(ネオン工事)
ネオン管を使用した看板や装飾設備の設置・変更工事。
高電圧を扱う特殊な回路のため、火災予防の専門知識が必要です。
非常用予備発電装置工事特種電気工事資格者
(非常用予備発電装置工事)
病院やビルなどで停電時に作動する非常用発電機の設置・配線工事。
エンジンやタービンなど、通常の電気工事とは異なる知識が求められます。

これも第一種の特権! 「申請だけ」で資格ゲットの道がある

「できないことがあるのか…」とガッカリする必要は全くありません。

実は、第一種電気工事士の免状を取得していれば、上記の「ネオン工事」と「非常用予備発電装置工事」の資格は、試験を受けずに「申請のみ」で取得できる特例ルート が用意されています。

つまり、第一種電気工事士を取得するということは、将来的にこれらの特殊資格が必要になった際も、書類一枚でスムーズに守備範囲を広げられる 「マスターキー」 を手に入れることと同じです。

まずは第一種を取得して「電気工事の王道」を極め、必要に応じてオプション装備(特殊資格)を追加していくのが、最も賢いキャリアアップの順序です。


2026年度(令和8年度)第一種電気工事士試験の日程 申込 CBT 技能を一気に確認

2026年度(令和8年度)第一種電気工事士試験の日程 申込 CBT 技能を一気に確認

2026年度(令和8年度)は、試験制度のデジタル化がさらに定着し、受験者にとって非常に「チャンスの多い年」となります。

最大の特徴は、上期試験の学科試験が「CBT方式(パソコン受験)」に一本化されたことです。これにより、約1ヶ月の期間中から自分の都合が良い日時を選んで受験できるようになり、仕事との両立が格段にしやすくなりました。

「いつ申し込めばいいの?」「試験日はいつ?」という疑問を解消するため、合格から逆算できる詳細スケジュールをまとめました。まずはこの表で、あなたの合格プランを確定させましょう。

【保存版】2026年度 第一種電気工事士 試験スケジュール表

上期と下期で試験の流れが異なります。特に上期受験を考えている方は、筆記試験(マークシート)会場での実施がない点に注意してください。

早い段階で学科をクリアできる 上期 は、技能試験の練習期間を長く確保できるため非常におすすめです。

区分受験申込期間(ネット推奨)学科試験(CBT方式)期間内で日時・会場を選択学科試験(筆記方式)全国一斉開催技能試験日
上期試験2月13日(金) ~
3月2日(月)
4月1日(水) ~
5月8日(金)
実施なし
(CBTのみ実施)
7月4日(土)
下期試験7月27日(月) ~
8月13日(木)
9月11日(金) ~
10月18日(日)
10月4日(日)11月21日(土)

※上記は2026年度の実施予定日です。変更になる場合があるため、必ず公式サイトの最新情報をご確認ください。

受験手数料は「ネット申込」が圧倒的にお得

2026年度より、試験運営コストの上昇に伴い受験手数料が改定されています。

しかし、書面(郵送)での申し込みに比べて、インターネット申し込みは 1,400円も安く 設定されています。この差額があれば、技能試験の練習用ケーブルや参考書の購入費に充てることができます。

申込方法手数料(非課税)メリット・特徴
インターネット申込13,000円スマホ・PCから簡単申請。
費用が安く、24時間いつでも申込可能。
書面(郵送)申込14,400円願書を入手し郵送する手間とコストがかかります。
特別な事情がない限り非推奨です。

2026年合格へのポジティブ戦略

2026年度の日程を見ると、合格への最短ルートが見えてきます。

  1. CBTで早期に学科パス(上期・4月)上期の学科試験(CBT)は4月から始まります。ここで早めに合格ラインを確保してしまえば、7月の技能試験まで約3ヶ月もの準備期間が生まれます。
  2. 技能試験対策に集中 第一種電気工事士の最大の壁は技能試験です。CBTのおかげで生まれた余裕時間を、複線図の練習や欠陥事例の研究に充てることで、合格率は飛躍的に高まります。
  3. 万が一のリベンジも可能 上期で挑戦しておけば、もし技能試験で不合格になっても、すぐに下期(申込7月下旬~)で再挑戦が可能です。

まずはスマホのカレンダーに「2月13日 申込開始」と入力して、最初の一歩を踏み出しましょう。

👉 詳細・申込はこちら:一般財団法人 電気技術者試験センター 公式サイト


第一種電気工事士試験の攻略法

第一種電気工事士試験の攻略法

第一種は第二種に比べて試験範囲が広く、より深い専門知識が問われます。また、2026年度からは試験方式にも変化があるため注意が必要です。

筆記試験の傾向(高圧受電設備の知識が必要)

筆記試験(学科試験)では、第二種の範囲に加え、高圧受電設備の結線図や構造、制御回路に関する問題が多く出題されます。

特に以下の機器についての理解が必須です。

【2026年の試験対策ポイント】

2026年度(令和8年度)の上期学科試験は、従来のマークシート方式(筆記方式)がなくなり、パソコンを使って解答する「CBT方式」のみで実施される予定です。画面上での図面読み取りなどに慣れておく必要があります。

学科合格は使い回せる 学科免除(次回+次々回まで)を受験戦略に入れる

これから第一種を目指す方に朗報です。

試験制度の変更に伴い、一度学科試験に合格すれば、その権利(学科免除)を 「次回および次々回の試験」 まで行使できるようになりました。

以前は「次回まで」でしたが、現在は有効期間が延長され、実質1年間(2回分の試験)は学科試験をスルーして技能試験からスタートできます。この制度を活用すれば、仕事が忙しい方でも無理のない「分割合格プラン」を立てることが可能です。

2026年度合格者の免除期間シミュレーション

例えば、2026年度の上期試験で学科だけ合格し、技能試験が不合格(または欠席)だった場合、以下のスケジュールで再挑戦できます。

3回連続でチャンスがあるため、「1回で決めなきゃ」というプレッシャーから解放されます。

受験回あなたの状況受験内容戦略・メリット
1回目
(2026上期)
学科合格
(技能は不合格)
学科+技能まずは学科突破に全集中。技能はダメ元でもOK。
2回目
(2026下期)
免除技能のみ学科勉強ゼロで、半年間みっちり技能練習ができる。
3回目
(2027上期)
免除技能のみここまで権利が残るため、仕事が忙しい時期があっても安心。

「学科免除」を戦略に入れる3つのメリット

この制度を最大限に活かす攻略法は、「技能試験の準備ができていなくても、とりあえず学科だけは受けて合格しておく」ことです。

  1. 技能試験だけに100%集中できる再受験の際、学科の勉強をやり直す必要がありません。配線図の暗記や計算問題から解放され、空いた時間のすべてを複線図の練習やケーブルの切断作業に充てることができます。
  2. 精神的な余裕が生まれる「今回落ちたらまた学科からやり直し…」という恐怖がなくなります。「あと2回もチャンスがある」という余裕が、本番での手の震えを抑え、冷静な作業につながります。
  3. 申し込み手続きも簡単免除申請といっても、面倒な書類郵送は不要です。インターネット申し込みの画面で「学科免除」を選択し、過去の合格受験番号などを入力するだけで完了します。

まずは2026年上期の学科試験(CBT)に全力を注ぎましょう。そこで合格ライン(30問正解)さえ取ってしまえば、第一種電気工事士の免状はもう半分手に入れたようなものです。

【合格基準と問題数】時間はたっぷり140分!満点は不要です

「第一種は難しそう」と身構える必要はありません。学科試験の仕様を確認すれば、実は時間的にも精神的にもかなり余裕がある試験だと分かります。

問題数は50問ですが、制限時間は140分(2時間20分)もあります。単純計算で 1問あたり3分近く使える ため、焦らずじっくりと解答できます。

最も重要なのは、満点を取る必要がないということです。60点取れば全員合格できる「絶対評価」の試験ですので、難問は潔く捨てて、取れる問題を確実に正解する戦略が合格への近道です。

第一種電気工事士 学科試験スペック表

項目内容・条件ポジティブな捉え方
問題数全50問(四肢択一)4つの選択肢から選ぶマークシート形式(CBTはクリック選択)です。記述式ではないので、うろ覚えでも正解できます。
試験時間140分(2時間20分)第二種(120分)よりさらに長丁場。多くの受験者が1時間程度で見直しまで完了し、途中退出するほどの余裕があります。
配点1問2点(100点満点)均等配点です。難しい計算問題も、簡単な暗記問題も同じ価値(2点)があります。
合格基準60点以上全50問中、30問正解すれば合格です。つまり、20問(4割)間違えても合格証書は手に入ります。

出題分野の全体像(全9科目)

試験範囲は広いですが、実際に出題される分野は決まっています。

特に、以下のリストの4番目「受電設備」や7番目「配線図」は、実務でも直結する最重要パートであり、出題数も多いため得点源になります。

  1. 電気に関する基礎理論(計算問題など)
  2. 配電理論及び配線設計
  3. 電気応用(照明・電動機など)
  4. 電気機器・受電設備・材料・工具(★最重要:高圧機器の名称や役割)
  5. 電気工事の施工方法
  6. 自家用電気工作物の検査方法
  7. 配線図(★最重要:高圧受電設備の単線結線図読み取り)
  8. 発電・送電・変電設備の基礎知識
  9. 関係法令(電気事業法など)

「計算が苦手」という方は、1.や2.の計算問題を後回しにして、4.~9.の暗記系科目で30問(60点)を確保する作戦も非常に有効です。

CBT方式(パソコン受験)ならではの攻略テクニック

2026年度の上期学科試験から本格化するCBT方式では、パソコン画面上で問題を解きます。以下のポイントを意識しておくと、当日スムーズに操作できます。

  • マウスで文字サイズ変更が可能< 細かい配線図や数値が見にくい場合は、画面上のボタンで拡大表示ができます。
  • 「後で見直す」機能を活用 自信がない問題にはフラグ(チェック)を付けておき、最後に一覧画面から戻って再考できます。140分をフルに使って、ケアレスミスを防ぎましょう。
  • 試験終了直後に「スコア」が分かる CBT方式の最大のメリットは、試験終了ボタンを押すとその場で「正答数(得点)」が画面に表示されることです。合否の結果を待つモヤモヤした時間がなく、その日からすぐに技能試験の練習に切り替えられます。

技能試験の難易度と複線図の対策

技能試験では、高圧受電設備の低圧側回路や、変圧器の代用端子台を用いた結線作業が出題されます。

使用するケーブルも太くて硬い KIP電線(高圧絶縁電線) や、CVVケーブルなどが登場するため、第二種よりも握力や手際の良さが必要です。

また、施工条件が複雑になるため、複線図 を素早く正確に描く能力が合否を分けます。回路の仕組みを完全に理解していないと、重大な欠陥(誤配線)につながりやすいため、十分な練習が必要です。

第一種の合格を目指す方へ。詳しい過去問解説や対策情報をまとめています。

👉 第一種電気工事士の過去問・解説記事はこちら

技能試験は「60分」のゲーム!答えは事前に配られます

技能試験と聞くと「手先の器用さが必要では?」と不安になるかもしれませんが、実は第一種の技能試験は 「努力が100%報われるボーナスステージ」 です。

なぜなら、試験で出題される問題(候補問題)は、年度の初めに 全10問 が公表されており、本番ではその中から 1問だけ がそのまま出題されるからです。つまり、サプライズはありません。練習した通りの回路を、練習通りに作るだけの試験です。

第一種電気工事士 技能試験スペック表

まずは試験のルール(仕様)を把握しましょう。第二種と比較して試験時間が長くなっているのが最大の特徴です。

項目内容・仕様ポジティブな攻略ポイント
試験時間60分第二種(40分)の1.5倍の時間が与えられます。高圧機器の施工は増えますが、手順を覚えれば、最後に点検する時間は十分に確保できます。
出題範囲候補問題 全10問事前に公表される10パターンのうち、どれか1つが必ず出ます。13問ある第二種より覚える数は少なく、的を絞った対策が可能です。
合否基準欠陥がないこと作品の「美しさ」は求められません。「電気が安全に通る状態(欠陥ゼロ)」であれば、見栄えが悪くても合格です。

合否を分ける「欠陥」とは? これだけ避ければ合格です

技能試験は減点方式ではなく、「重大な欠陥(施工ミス)が1つでもあれば不合格」 という一発判定方式です。

厳しく聞こえますが、裏を返せば 「以下の代表的なNG例さえ避ければ、確実に合格証書が手に入る」 ということです。

  • 誤結線(ごけっせん)配線を間違えて繋いでしまうこと。これは、作業前に「複線図」を正しく描くことで100%防げます。
  • リングスリーブの刻印ミス第一種では太い電線を使うため、「中」や「小」の圧着マークを間違えやすくなります。「電線の合計断面積が8mm²を超えたら中」といったルールを暗記すれば解決します。
  • 絶縁被覆の噛み込み・剥き過ぎ接続部分から銅線がはみ出しすぎている、または被覆を端子台のネジで踏んでいる状態。これも定規で長さを測る練習を繰り返せば、感覚だけで合わせられるようになります。
  • 未接続・締付不良高圧回路の代用端子台などで、ネジ締め忘れや、差込形コネクタの差し込み不足があると欠陥です。最後にドライバーで「増し締め」確認をするルーチンを作れば回避できます。

「複線図」は型を固定すれば最強の武器になる

多くの受験者が苦手とする「複線図(配線図)」ですが、第一種ではこのスキルが命綱になります。

10問すべての複線図を、何も見ずに3分以内でスラスラ描けるようになるまで練習しましょう。

特に第一種の場合、高圧受電部分(KIP線など)の配置はほぼワンパターンです。「電源はここ」「変圧器はここ」と描く配置(型)を固定してしまえば、本番でも迷わず手が動くようになり、余った時間を施工の丁寧さに充てることができます。


第一種電気工事士は難しい? 合格率データが示す「受かる試験」の真実

第一種電気工事士は難しい? 合格率データが示す「受かる試験」の真実

「第一種電気工事士」という名前の響きや、扱える電圧の大きさから、「選ばれたベテランしか受からない難関資格」だと思い込んでいませんか?

実は、客観的な合格率データを見ると、そのイメージは大きく覆ります。結論から言えば、第一種電気工事士は 「しっかりと準備した受験者の過半数が合格している、努力が正当に評価される試験」 です。

落とすための競争試験ではなく、基準を満たせば全員が合格できる検定試験であることを、最新の数字で確認してみましょう。

【2024年度最新】合格率は学科・技能ともに「約60%」

直近の2024年度(令和6年度)の試験結果を見てみましょう。学科・技能ともに非常に高い合格率を維持しており、特に技能試験では 10人中6人以上が合格 しています。

2024年度(令和6年度) 合格率実績

試験区分学科試験 合格率技能試験 合格率数字から読み解く難易度
上期59.3%57.0%約6割が合格しています。CBT方式の導入により、自分に合った日程で落ち着いて受験できるようになったことも、高い合格率を後押ししています。
下期55.4%61.9%下期の技能試験では6割以上が合格。事前に候補問題が公表されるため、練習量がそのまま結果に直結している証拠です。

※数値は一般財団法人 電気技術者試験センター公表資料に基づく

この数字が意味するのは、「特別な才能は不要。正しい準備さえすれば、過半数の側(合格者)に必ず入れる」 という事実です。

なぜ「難しい」と言われるのか? 落ちてしまう人の共通パターン

合格率が高いとはいえ、残念ながら不合格になってしまう方もいます。しかし、落ちる理由のほとんどは「能力不足」ではなく「準備の方向性のズレ」です。ここさえ押さえれば、あなたは合格者側に入れます。

1. 学科での失敗: 「高圧受電設備」を捨ててしまう

第二種合格者が陥りやすいのが、「二種の知識の延長でなんとかなる」という油断です。

第一種では、配点の高い重要分野として 「高圧受電設備(キュービクル)」 が登場します。LBSやVCBといった高圧機器の写真は、見慣れていないと解けません。

【ポジティブ対策】

計算問題が苦手なら捨てても構いません。その分、高圧機器の「写真・名称・役割」をセットで暗記することに時間を使いましょう。暗記だけで合格ラインの60点は十分に突破できます。

2. 技能での失敗: 「欠陥」の基準を甘く見ている

技能試験で不合格になる最大の原因は、時間切れではなく 「軽微な欠陥(施工ミス)」 による一発アウトです。

「回路は組めたのに落ちた」という人の多くは、リングスリーブの刻印間違いや、被覆の噛み込みといった細かいミスを見逃しています。

【ポジティブ対策】

練習の段階から 「作業終了後に指差し確認をするルーチン」 を作ってください。自分でミスに気付ける目を持てば、本番での合格率は限りなく100%に近づきます。

結論:対策すれば受かる「努力型の資格」です

第一種電気工事士試験に、ひらめきやセンスは一切不要です。

  • 学科は、高圧機器の名前を覚える
  • 技能は、公表問題を練習し、指差し確認をする

このシンプルな作業を淡々とこなせる人にとって、この資格は決して高い壁ではありません。数字を味方につけて、自信を持って挑戦してください。


現場で役立つ専門知識の補強

第一種電気工事士として現場に出ると、聞き慣れない専門用語や特殊な工具に頻繁に遭遇します。

「この部材は何のためにあるのか?」「この工具はどう使うのか?」という疑問を持ったまま作業をするのは危険です。

例えば、ケーブル接続に使う リングスリーブ のサイズ選定ミスや、VVFケーブル の被覆剥ぎ取りの長さ間違いは、発熱や火災の原因になります。

現場で分からない用語が出てきた際は、以下の「電気工事用語図鑑」を活用して、正しい知識を確認することをおすすめします。写真付きで解説されているため、現場でのイメージ・トレーニングに最適です。

👉 電気工事の用語図鑑:テニショク図鑑(https://faq.tenisyoku.com)


第一種電気工事士の将来性とキャリアパス

第一種電気工事士の将来性とキャリアパス

2026年現在、生成AIがあらゆるデスクワークを効率化していますが、電気工事の現場においては「人の手」の価値 が相対的に上がっています。

AIは最適な配線ルートを設計(CAD作成)することはできますが、実際に狭い天井裏に入り、ケーブルラック を取り付け、硬い電線を曲げて接続するという物理的な作業を行うことはできません。

特に第一種電気工事士が扱う高圧設備は、インフラの根幹です。再生可能エネルギー設備の増加や、データセンターの建設ラッシュに伴い、高圧電気工事の需要は今後も右肩上がりと予測されています。

  1. 第二種で基礎を固める
  2. 第一種を取得し、高圧工事のスキルを磨く
  3. さらに電気工事施工管理技士(1級・2級)を目指して現場監督になる

このようにステップアップすることで、AI時代でも決して食いっぱぐれることのない、強固なキャリアを築くことができるでしょう。

【次のステージへ】 「現場監督」という選択肢も視野に

第一種電気工事士として現場の技術(職人としての腕)を極めた後は、自らが作業する側から、工事全体を指揮・管理する 「現場監督(施工管理)」 へステップアップする道も大きく開かれています。 「電気工事施工管理技士」 を取得すれば、年齢を重ねても体力的な負担を減らしつつ、現場代理人として さらなる年収アップ を実現可能です。「将来は管理職も視野に入れたい」という方は、こちらの資格情報も今のうちからチェックしておきましょう。


取得後もスキルを最新に! 第一種電気工事士の定期講習(5年ごと)

取得後もスキルを最新に! 第一種電気工事士の定期講習(5年ごと)

第一種電気工事士の免状には、運転免許証のような「有効期限」はありません。一度取得すれば、更新手続きなしで 一生涯あなたの資格 として残ります。

その代わり、日進月歩の電気保安技術や法改正に対応するため、「5年ごとの定期講習」 を受講する義務が法律で定められています。

これは試験ではなく、プロフェッショナルとして知識をアップデートするためのセミナーです。「試験に落ちたら資格剥奪?」といった心配は無用ですので、制度の仕組みを正しく理解しておきましょう。

定期講習のサイクルと受講期限

免状を手にしたその日から、高圧電気を扱うプロとしてのキャリアが始まります。以下のタイミングで講習を受ける必要があります。

  • 初回:免状の交付を受けた日から 5年以内
  • 2回目以降:前回の講習を受けた日から 5年以内

「5年」という期間は意外と長く、つい忘れてしまいがちです。受講期限を過ぎて放置すると、法律違反となり、最悪の場合、都道府県知事から免状の返納を命じられるリスクもあります。

合格して免状が届いたら、スマホのカレンダーや手帳の5年後の日付に 「第一種講習期限」 とリマインダーを入れておくのが、長く活躍するための秘訣です。

講習は「座学のみ」 試験はないので安心してください

定期講習の内容は、最新の電気事故の事例研究や、配線規定・技術基準の変更点に関する解説などが中心です。

朝から夕方までの 座学(6時間程度) がメインで、最後に理解度確認の簡単なチェックはありますが、合否を決めるような厳しい試験はありません。

現場の第一線で働く技術者にとって、普段の業務ではなかなか追いきれない最新の法改正情報を、1日で効率よくインプットできる貴重な機会となっています。

【忙しい人のためのeラーニング】

かつては平日に会場へ行く必要がありましたが、現在は自宅や会社のパソコンから受講できる 「オンライン講習(eラーニング)」 を導入する講習機関が増えています。「現場が忙しくて平日は休めない」という方でも、空き時間に分割して視聴できるため、非常に受講しやすくなっています。

受講申し込みは「指定講習機関」へ

現在は複数の民間機関等が経済産業大臣の指定を受けて講習を実施しており、受講者が都合の良い日時や場所を選びやすくなっています。

費用は機関によりますが、おおよそ9,000円前後です。時期が近づいたら以下のリストから自分に合った講習機関を探してみてください。

👉 経済産業省 公式ページ:電気工事士法に基づく指定講習機関一覧

まとめ

  • 第一種電気工事士は、工場やビルなど大規模施設の電気工事が可能になる資格。
  • 実務経験の要件は3年に短縮されており、早期の免状取得が可能になっている。
  • 2026年度の上期試験からは学科がCBT方式のみになるなど、変化する試験情報に注意が必要。
  • AI時代でも代替されない「現場力」を証明する資格であり、年収アップやキャリア安定に直結する。

第二種を取得済みの方は、ぜひ次のステップとして第一種電気工事士に挑戦し、電気技術者としての市場価値をさらに高めていきましょう。