【電気工事士】コンクリートボックスとは?アウトレットボックスとの違いや「底が外れる」理由を徹底解説

【電気工事士】コンクリートボックスとは?アウトレットボックスとの違いや「底が外れる」理由を徹底解説

この記事のサマリー

・コンクリートボックスはRC造の「埋め込み配管」専用で、最大の特徴は底面が外せること

・試験の鑑別問題では「八角形」の形状と、型枠固定用の「耳(突起)」が決めてとなる

・よく似たアウトレットボックスとは「使用場所(埋設か露出か)」と「底面の構造」で区別する


電気工事士の勉強を進めていると、似たような金属製の箱がいくつも登場して混乱してしまいませんか?

特に今回解説する「コンクリートボックス」は、見た目がアウトレットボックスと非常によく似ています。しかし、使われる場所や構造には明確な違いがあり、ここを理解していないと試験で失点してしまう可能性があります。

この記事では、電気工事士試験(第一種・第二種)の取得を目指すあなたに向けて、コンクリートボックスの特徴や用途、アウトレットボックスとの違いを、実務の背景も含めて「肉厚」に解説します。

丸暗記ではなく、「なぜそうなっているのか」という理由を知ることで、記憶に確実に定着させましょう。

1. コンクリートボックスとは?基本の定義

コンクリートボックスとは?基本の定義

コンクリートボックスとは、その名の通り【鉄筋コンクリート(RC)造の建物において、コンクリートの中に埋め込んで使用するボックス】のことです。

コンクリートボックスの写真(八角形で左右に耳があるもの)

主な用途

電気工事において、電線管(パイプ)を通ってきた電線同士を接続したり、照明器具やスイッチ類を取り付けたりするための中継点として使用されます。

木造住宅とは違い、コンクリートの壁や天井は一度固まってしまうと後から穴を開けるのが大変です。そのため、コンクリートを流し込む前の段階で、あらかじめこのボックスを仕込んでおくのです。

試験で問われる3つの特徴

写真鑑別問題で正解を選ぶために、以下の3つの特徴を覚えておきましょう。

  1. 【八角形】であること(試験では最も一般的な形状)
  2. 【耳(固定用の突起)】が付いていること
  3. 【底面(裏板)】が取り外せること

2. 最も重要な違い!アウトレットボックスとの区別

最も重要な違い!アウトレットボックスとの区別

受験者が最も悩みやすいのが、アウトレットボックスとの違いです。

どちらも電線の接続に使いますが、決定的な違いは【使用場所】と【底面の構造】にあります。

違い1:埋め込み専用かどうか

・アウトレットボックス

天井裏、壁の中(中空壁)、露出配管など、幅広い場所で使われますが、コンクリートの中に直接埋め込むことは基本的にはしません。

・コンクリートボックス

コンクリート埋設専用です。露出した状態でジョイントボックスとして使うことはありません。

違い2:底面が外れるかどうか

これが最大の見分けポイントです。

アウトレットボックスは箱全体が溶接などで一体化しており、底は抜けません。

一方、コンクリートボックスは、底面(裏板)をネジで取り外すことができます。

【比較まとめ】

・コンクリートボックス:底が外れる、コンクリート埋込用、耳がある

・アウトレットボックス:底は外れない、天井裏や露出用、通常は耳がない

3. なぜ「底面が外れる」のか?現場の視点で解説

なぜ「底面が外れる」のか?現場の視点で解説

参考書には「底面が外れる」と書いてありますが、理由までは詳しく書かれていないことが多いものです。

この理由を知ると、コンクリートボックスの特性が一発で理解できます。

理由は、【コンクリートを流し込む前の「型枠」工事で必要だから】です。

施工の流れ

  1. ビルなどを建てる際、まずはコンクリートを流し込むための「型枠(ベニヤ板などの壁)」を作ります。
  2. 電気工事士は、その型枠にコンクリートボックスを固定します。
  3. この時、ボックスの底面を一度外し、底面パーツだけを釘で型枠に打ち付け、その後ボックス本体をセットする手順をとることがあります(または、底面の隙間を利用して固定します)。
  4. コンクリートが流し込まれ、固まった後に型枠を外します。
  5. すると、コンクリートの表面にボックスの内部空間が現れます。ここで底面が外れる構造でないと、施工性が非常に悪くなってしまうのです。

つまり、あの「外れる底」は、型枠に固定して施工するための工夫なのです。

4. 種類は「八角」と「四角」の2つ

種類は「八角」と「四角」の2つ

コンクリートボックスには、形状によって2つの種類があります。試験ではそれぞれの用途も問われることがあります。

八角コンクリートボックス

・形状:八角形(円に近い形)

・用途:主に照明器具(シーリングライトなど)を取り付ける場所に使われます。

・特徴:角が取れているため、複数の配管が集まってもコンクリートが綺麗に回り込みやすく、強度が出やすいメリットがあります。試験の写真鑑別で出るのはほとんどこのタイプです。

四角コンクリートボックス

・形状:正方形に近い四角形

・用途:配管の本数が多い場所や、スイッチ・コンセントの取り付け箇所に使われます。

・特徴:八角形よりも内部が広いため、たくさんの電線を接続するのに向いています。

5. 試験対策:このキーワードが出たら正解!

実際の試験問題(筆記・CBT)で点数を取るためのキーワードを整理しました。

・写真を見て【八角形】で【耳】が付いていたら「コンクリートボックス」。

・説明文に【コンクリート埋込用】とあったら「コンクリートボックス」。

・特徴として【底面(裏板)を取り外すことができる】とあったら「コンクリートボックス」。

逆に、「木造住宅の天井裏に使用する」や「露出場所で使用する」といった選択肢は、アウトレットボックスの説明なので選ばないように注意しましょう。

6. セットで覚える「塗代(ぬりしろ)カバー」

セットで覚える「塗代(ぬりしろ)カバー」

最後に、コンクリートボックスと必ずセットで使われる重要アイテムを紹介します。

それが【塗代カバー】です。

コンクリートの壁や天井は、そのままでは終わりません。塗装をしたり、クロス(壁紙)を貼ったりして仕上げます。

その仕上げの厚み(塗代)の分だけ、ボックスの口を前にせり出させるための蓋が「塗代カバー」です。

これがないと、スイッチやコンセントが壁に埋もれてしまい、取り付けられなくなってしまいます。

試験の材料選別で「コンクリートボックス」と「塗代カバー」がセットになっている選択肢があれば、それは非常に理にかなった組み合わせと言えます。

まとめ

コンクリートボックスは、鉄筋コンクリートの建物に電気を通すための、縁の下の力持ちです。

・場所は【コンクリートの中】

・最大の特徴は【底面が外れる】こと

・見た目は【八角形で耳付き】

この3点をしっかり押さえておけば、アウトレットボックスとのひっかけ問題にも自信を持って回答できます。

現場の情景をイメージしながら、用語と特徴をセットで覚えてください。