記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
電気設備は、ライフラインとして世の中に不可欠な存在です。正しい知識を身につければ、長く安定して働ける強力な武器になります。
今回は、工場やビルだけでなく、エアコンなどの身近な設備でも使われる「電動機(モータ)」を守る機器についての問題です。
まずは今の実力をチェックしてみましょう。
【問題】
次の図記号1〜4のうち、図記号の名称が「モータブレーカ(電動機保護兼用)」であるものはどれでしょう?
- [ 画像:四角形の中に「B」、その右下に添字「E」 ]
- [ 画像:四角形の中に「B」、その右下に添字「M」 ]
- [ 画像:四角形の中に「B」のみ ]
- [ 画像:円の中に「M」 ]
答えは決まりましたか?
これらは全て似たようなアルファベットを使った記号ですが、現場での役割は全く異なります。
間違ったブレーカを選定してしまうと、機械が動かなかったり、最悪の場合は火災の原因になったりします。
正解と、現場で役立つ知識を解説していきます。
1. 正解と覚え方のコツ
正解は、選択肢の 2 でした。
[ 画像:四角形の中に「B」、その右下に添字「M」 ]覚え方のポイント
四角形の中に B とあるのは「配線用遮断器(Breaker)」の共通記号です。
その横にある添字の M に注目してください。
これは、Motor(モータ/電動機)の頭文字 M です。
「B(ブレーカ)」 + 「M(モータ用)」 = モータブレーカ
と覚えれば、試験で迷うことはありません。
規格について
この図記号は、JIS C 0617 という規格に基づいています。実際の図面でも頻繁に登場するので必ず覚えておきましょう。
2. そもそも「モータブレーカ」とは?
なぜ、普通のブレーカではなく、わざわざ「モータ専用」のブレーカが必要なのでしょうか?
添付いただいた画像の解説文にはこうあります。
電動機兼用のブレーカです。電動機が過負荷運転したり、配線が短絡すると自動的に遮断します。「2.2KW」など、電動機の容量が表記されています。
少し専門的な話をします。ここが理解できると、現場での対応力が格段に上がります。
普通のブレーカとの決定的違い
モータ(電動機)には、「始動電流」という特性があります。
換気扇やポンプなどのスイッチを入れた瞬間(動き出し)には、定格電流の数倍〜10倍近い大きな電流が一瞬だけ流れます。
もし、普通の家庭用ブレーカ(配線用遮断器)をモータに繋ぐとどうなるでしょうか?
故障ではないのに、スイッチを入れた瞬間の大電流を「あ、異常電流だ!危険!」と勘違いして、すぐに電気を遮断して(落ちて)しまうことがあります。これでは仕事になりません。
そこでモータブレーカの出番です。
モータブレーカは、始動時の一瞬の過電流は見逃し、それ以降に発生した本当の異常(過負荷やショート)はしっかり検知して遮断するという、モータの特性に特化した調整がされています。
3. 試験で間違えやすい!似ている図記号の整理
第二種電気工事士の試験では、以下の記号がセットでよく出題されます。違いを整理しておきましょう。
① 配線用遮断器(ノーマルなブレーカ)
- 図記号: [ 画像:四角形の中に「B」 ]
- 特徴: 一般的な回路の保護に使います。添字が何もありません。
② 漏電遮断器(漏電ブレーカ)
- 図記号: [ 画像:四角形の中に「B」、その右下に添字「E」 ]
- 特徴: 添字の E は「Earth Leakage(漏電)」のE、または「Electric Shock(感電)」のEと覚えましょう。漏電した時に電気を止めます。
③ 電動機(モータそのもの)
- 図記号: [ 画像:円の中に「M」 ]
- 特徴: これはブレーカ(スイッチ)ではなく、モータ本体を表す記号です。四角ではなく丸であることに注意してください。
4. 実際の現場ではここを見る
将来、皆さんが現場に出たとき、このモータブレーカは以下のような場所に設置されています。
- エアコンの室外機周り
- 工場のポンプ設備
- 大型の換気ファン
現場で図面を見る際は、単に「B」と書いてあるか、「B(M)」と書いてあるかを必ずチェックします。
もし、設計図でモータを使う回路なのに普通の「B」が指定されていたら、「これ、始動電流で落ちませんか?モータブレーカにしなくて大丈夫ですか?」と提案できれば、あなたはただの作業員ではなく、信頼される技術者として評価されるでしょう。
ホワイトカラーの仕事では「マニュアル通り」が求められることが多いですが、電気工事の現場では、こうした「知識に基づいた気付き」が自分の価値を高めます。
まとめ
- モータブレーカの図記号は 四角にB、添字M 。
- M は Motor(電動機) の頭文字。
- 普通のブレーカと違い、モータ始動時の大電流で誤作動しないように作られている。
- 過負荷(使いすぎ)や短絡(ショート)から機器を守る重要な安全装置。
図記号一つにも、現場の安全を守るための深い理由があります。
こうした知識の積み重ねが、AIに代替されない「現場力」となっていきます。試験合格を目指して、まずはこの記号を確実にマスターしましょう!

