記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
電気工事の技術的な計算問題も大切ですが、実は合格への近道となるのが「法令」のジャンルです。
特に、電気工事士法における「義務」や「免状(免許)」に関するルールは、一度覚えてしまえば計算不要で確実に得点できる「ラッキー問題」になります。
しかし、常識で考えようとすると、意外な落とし穴にはまるのがこの分野です。
特に「住所が変わったとき」や「名前が変わったとき」の手続きの違いは、ベテランでも混同しやすいポイント。
まずは、実際の試験問題形式であなたの知識をチェックしてみましょう。
【問題】
電気工事士の義務または制限に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 電気工事士は、電気工作物の工事に特定電気用品を使用するときは、電気用品安全法に定められた適正な表示が付されたものでなければ使用してはならない
- 電気工事士は、一般用電気工作物の電気工事の作業に従事するときは、電気工事士免状を携帯していなければならない
- 電気工事士は、一般用電気工作物に係る電気工事の作業に従事するときは、「電気設備に関する技術基準を定める省令」に適合するようにその作業をしなければならない
- 電気工事士は、住所を変更したときは、免状を交付した都道府県知事に申請して免状の書き換えをしてもらわなければならない
答えは決まりましたか?
「どれも正しいことを言っているように見える……」と思いませんでしたか?
特に、役所への手続き関係は「変更があったらすぐ申請」というイメージが強いため、4番を選びにくいかもしれません。
しかし、電気工事士法には明確なルールがあります。
なぜその選択肢が「誤り」なのか、根拠となる法律のポイントを解説します。
1. ズバリ、正解(誤っている記述)は?
正解(誤っている記述)は、選択肢の 4 です。
この問題の最大のポイントは、「免状の書き換え」が必要なのはどんな時か? という点です。

なぜ「住所変更」で書き換えは不要なのか?
電気工事士の免状には、主に「氏名」と「生年月日」が記載されていますが、実は「住所」は免状の記載事項(表面に書かれる重要事項)には該当しません。
そのため、法律(電気工事士法)のルールでは以下のようになっています。
- 氏名が変わったとき(結婚・養子縁組など):免状の記載事項が変わるため、「書き換え」の申請が必要。
- 住所が変わったとき(引越しなど):免状の記載事項(氏名)に変更はないため、免状の「書き換え」申請は不要。
ここが非常によく出るひっかけポイントです。「引越し(住所変更)=手続きが必要」という一般的な感覚を逆手に取った問題ですので、「住所変更は書き換え不要」と強く記憶しておきましょう。

2. 覚えておくべき「電気工事士の3つの義務」
選択肢の1、2、3はすべて「正しい記述」です。これらは「電気工事士の3大義務」と呼ばれ、試験では何度も形を変えて出題されます。
セットで覚えておきましょう。
① 基準適合義務(選択肢3)
工事を行う際は、「電気設備に関する技術基準」などのルールに適合するように作業しなければなりません。不良工事を防ぐための最も基本的な義務です。
② 免状携帯義務(選択肢2)
電気工事の作業中は、必ず免状を携帯していなければなりません。「家に置いてきた」「コピーを持っている」ではダメです。いつ提示を求められても出せるように身につけておく必要があります。
③ 指定用品の使用義務(選択肢1)
電気用品(コンセントやケーブルなど)を使うときは、「電気用品安全法」の基準を満たしたマーク(PSEマークなど)がついている適正なものを使わなければなりません。
まとめ:この問題の攻略ポイント
- 問題文に 「住所を変更したときは書き換え」 とあったら、それは 間違い(正解の選択肢)。
- 免状の書き換えが必要なのは、結婚などで 「氏名」 が変わったときだけ。
- 電気工事士には「基準適合」「免状携帯」「適正用品使用」の3つの義務がある。
- 申請先や返納命令者はすべて 「都道府県知事」。
この「住所変更は書き換え不要」というルールを知っているだけで、選択肢を瞬時に絞り込むことができます。法令問題は知っているかどうかが全てですので、この機会に整理しておきましょう。

