【第二種電気工事士】その工事、資格の範囲内?一般用電気工作物と小出力発電設備の境界線を攻略

【第二種電気工事士】その工事、資格の範囲内?一般用電気工作物と小出力発電設備の境界線を攻略

電気工事士として現場に出る際、まず理解していなければならないのが「自分の持っている資格で工事ができる範囲かどうか」という点です。

第二種電気工事士が工事できるのは「一般用電気工作物」に限られます。

では、具体的にどこまでが「一般用」で、どこからが「自家用(より上位の資格が必要)」になるのでしょうか?

今回は、試験で数字の暗記が必須となる「小出力発電設備」を含めた区分の問題を解説します。

まずは、実際の問題形式で実力をチェックしてみましょう。

実践・過去問チャレンジ

一般用電気工作物の適用を受けるものはどれか。ただし、いずれも1構内に設置するものとする。

  1. 低圧受電で、受電電力40kW、出力15kWの太陽電池発電設備を備えた幼稚園
  2. 高圧受電で、受電電力65kWの機械工場
  3. 低圧受電で、受電電力35kW、出力15kWの非常用内燃力発電設備を備えた映画館
  4. 高圧受電で、受電電力40kWのコンビニエンスストア

答えは決まりましたか?

「低圧なら全部OKじゃないの?」「発電設備がつくと何が変わるんだっけ?」と迷った方は、この後の解説で完璧に整理しておきましょう。

特に「発電設備の種類ごとの数字」は、試験作成者が大好きなひっかけポイントです。

解説と正解

正解は、選択肢の 1 です。

この問題を解くためのフローチャートは以下の2ステップです。

これさえ頭に入っていれば、瞬時に選択肢を絞り込むことができます。

問題の正誤と選択肢の図解説の黒板解説

ステップ1:受電電圧を確認する

一般用電気工作物の大前提は 「600V以下の電圧(低圧)で受電していること」 です。

これを超えて「高圧」で受電している施設は、その時点で第二種電気工事士の範囲外(自家用電気工作物)となります。

  • 選択肢 2:高圧受電 → 一般用ではない(×)
  • 選択肢 4:高圧受電 → 一般用ではない(×)

この時点で、答えは 1 か 3 に絞られます。

ステップ2:小出力発電設備の「種類」と「出力」を確認する

低圧受電であっても、発電設備(太陽光やディーゼル発電機など)がある場合は、その出力(パワー)によって扱いが変わります。

一般用電気工作物として扱われる(=第二種電気工事士が工事できる)発電設備を 「小出力発電設備」 と呼びます。

この「小出力」と認められるリミット(上限)は、発電方法によって異なります。ここが最大の暗記ポイントです。

発電設備の種類出力の上限(これ未満ならOK)
太陽電池50kW 未満
風力20kW 未満
水力(ダム除く)20kW 未満
内燃力(エンジン)10kW 未満
燃料電池10kW 未満

※さらに、これらの発電設備の出力合計が50kW未満である必要があります。

選択肢の検証

  • 選択肢 1(正解)
    • 設備:太陽電池発電設備
    • 出力:15kW
    • 判定:太陽電池は 50kW未満 ならOKです。15kWはその範囲内なので「一般用電気工作物」になります。
  • 選択肢 3(不正解)
    • 設備:内燃力発電設備(非常用発電機など)
    • 出力:15kW
    • 判定:内燃力は 10kW未満 でなければなりません。15kWは基準を超えているため、これは「自家用電気工作物」扱いとなります。

試験対策:ここだけは覚えよう!

この分野では、特に以下の2つの数字が頻繁に入れ替えられて出題されます。

  • 太陽光は 50kW 未満
    • 今の世の中、ソーラーパネルは普及しているので基準が緩め(大きくてもOK)とイメージしましょう。
  • 内燃力(エンジン)は 10kW 未満
    • エンジンを使って発電するもの(ディーゼル発電機など)は、燃料を使うため危険度が高く、基準が厳しい(小さくないとダメ)とイメージしましょう。

覚え方のコツ

「太陽(50)は大きくてもOK、エンジン(10)は小さくないとダメ」

参考書の解説図にもある通り、試験では「内燃力発電設備(10kW未満)」の基準を超えた数値を出して、誤答を誘うパターンが非常に多いです。

「低圧受電だから大丈夫」と油断せず、必ず「何の発電設備か?」までチェックする癖をつけてください。

まとめ

  • 高圧受電は即座に「自家用」と判断し除外する。
  • 低圧受電でも、発電設備がある場合は出力値を確認する。
  • 太陽光は50kW未満内燃力は10kW未満がボーダーライン。
  • この範囲に収まるものが「一般用電気工作物」であり、第二種電気工事士が工事できる範囲である。

この区分の理解は、試験合格だけでなく、資格取得後の実務においても「法令遵守」のために非常に重要です。数字をしっかり頭に入れて、自信を持って解答できるようにしておきましょう。