記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
電気工事士の試験において、計算問題や配線図問題は得意でも、「法令」の暗記項目で点数を落としてしまう人は少なくありません。しかし、法令問題は知ってさえいれば一瞬で解ける、いわば「サービス問題」に変えることができます。
今回は、電気事業法における「安全を守るためのルール」についての問題です。
私たちが普段住んでいる住宅(一般用電気工作物)の安全は、法律上、誰が責任を持ってチェックしなければならないのでしょうか?
まずは今の実力をチェックしてみましょう。
【問題】
電気事業法において、一般用電気工作物が設置されたときおよび変更の工事が完成したときに、その一般用電気工作物が同法の省令で定める技術基準に適合しているかどうかの調査義務が課せられている者は。
- 電気工事業者
- 所有者
- 電気供給者
- 電気工事士
答えは決まりましたか?
「工事をしたんだから、工事士がチェックするんじゃないの?」
「家の持ち主(所有者)が責任を持つべきでは?」
そう迷ってしまった方もいるかもしれません。
この問題の正解を導き出すには、日本の電気安全を守るための「仕組み」を理解する必要があります。
それでは、正解と解説を見ていきましょう。
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1. ズバリ、正解は?
正解は、選択肢の 3(電気供給者) です。
ここで言う「電気供給者」とは、電力会社(東京電力や関西電力など)のことを指します。
また、実際には電力会社から委託を受けた「登録調査機関(電気保安協会など)」が実務を行うことが一般的です。

なぜ「電気供給者」なのか?
これには明確な理由があります。
一般住宅や小規模な店舗などの「一般用電気工作物」の所有者(私たち一般市民)は、電気の専門知識を持っていません。
知識のない所有者に「自分で安全を確認してね」と義務付けるのは無理があります。
また、工事を行った業者や工事士は「当事者」であるため、第三者的な視点でのチェック機能としては不十分な場合があります。
そのため、電気事業法では「電気を送る側(電力会社)」に対して、「電気を送る前に、その設備が安全かどうか調べる義務(調査義務)」を課しているのです。
2. 調査のタイミングは「3つのポイント」を押さえる
試験では「誰が」だけでなく、「いつ」調査するかも問われます。
電気供給者が調査を行うタイミングは、主に以下の3回です。
- 設置されたとき(新築などで電気が開通するとき)
- 変更の工事が完成したとき(リフォームなどで設備が変わったとき)
- 定期的(4年に1回以上)

特に重要な「4年に1回」
この「定期的」な調査の間隔も試験によく出ます。
一般用電気工作物の定期調査は「4年に1回以上」です。
オリンピックの開催年と同じ「4年」と覚えておきましょう。
試験問題で「1年に1回」や「3年に1回」といった引っかけ選択肢が出ることがありますが、正解は「4年」です。
3. 「自家用」と「一般用」の違いに注意!
この問題がややこしいのは、「自家用電気工作物」の場合とルールが違うからです。
ここで整理しておきましょう。
一般用電気工作物(一般住宅など)
- 対象:600V以下で受電する一般住宅や小規模店舗など
- 責任者(調査義務):電気供給者(電力会社)
自家用電気工作物(ビルや工場など)
- 対象:高圧で受電するビルや、出力の大きい発電設備を持つ施設
- 責任者(保安義務):設置者(所有者)
- ※ただし、専門家である電気主任技術者を選任して管理させる
試験で「誰の義務か?」と聞かれたら、問題文が「一般用」なのか「自家用」なのかを必ず最初に確認してください。
今回は「一般用」なので、電気供給者が正解となります。
4. 事故報告の義務もセットで覚える
調査義務と合わせて覚えておきたいのが、「事故が起きた時の報告義務」です。
もし、感電死傷事故や電気火災が発生した場合、どうすればよいのでしょうか?
- 報告先:所轄の産業保安監督部長
- 速報:事故を知ってから24時間以内(電話などで概要を報告)
- 詳報:事故を知ってから30日以内(報告書を提出)
「24時間以内の電話」と「30日以内の書類」。
この数字も試験頻出なので、調査義務とセットで頭に入れておくと安心です。
まとめ:この問題の攻略ポイント
- 一般用電気工作物の調査義務は「電気供給者(電力会社)」にある。
- 調査のタイミングは「設置時」「変更時」そして「4年に1回の定期調査」。
- 「所有者」が責任を持つのは、ビルなどの「自家用電気工作物」の場合。
- 事故が起きたら「24時間以内に速報」「30日以内に詳報」。
法令問題は、一度理屈を理解してしまえば、迷うことなく正解を選べるようになります。
「一般家庭の安全は、電気を送るプロ(電力会社)が守ってくれている」というイメージを持って、試験に臨んでください。

