【第二種電気工事士】配電盤の取り付け作業は無資格でOK?「電気工事士でなければできない作業」の境界線を徹底解説

配電盤の取り付け作業は資格が必要?


電気工事士の資格試験において、必ず出題されるのが「法令(電気工事士法)」に関する問題です。

中でも「電気工事士でなければできない作業」と、無資格でも行える「軽微な工事」の区別は、試験の得点源であるだけでなく、現場でのコンプライアンスを守る上でも非常に重要です。

一見するとすべて専門的な工事に見えても、法律上は「資格不要」とされる作業も存在します。

今回は、その境界線を問う過去問をピックアップしました。

自身の知識が正しいか、まずは実力をチェックしてみましょう。

記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ

電気工事には、電気工事士法によって「有資格者でなければ従事できない作業」が明確に定められています。

一方で、危険性が低いとされる特定の作業は「軽微な工事」として除外されています。

このルールを正しく理解できているかが合格へのカギとなります。

【問題】

電気工事士法において、一般用電気工作物の工事または作業で、電気工事士でなければ従事できないものは次のうちどれか。

  1. 開閉器にコードを接続する工事
  2. 配電盤を造営材に取り付ける作業
  3. 地中電線用の暗きょを設置する工事
  4. 火災報知器に使用する小型変圧器(二次電圧が36V以下)の二次側の配線工事

答えは決まりましたか?

「全部、電気工事士の仕事に見える」と思った方もいるかもしれません。

あるいは、「電圧が低いものは大丈夫だったはず」と思い出した方もいるでしょう。

正解がどれか、そしてなぜその作業には資格が必要なのか、理由をセットで覚えることが大切です。

それでは、正解と解説を見ていきましょう。

1. ズバリ、正解(資格が必要な作業)は?

配電盤を造営材に取り付ける作業

正解は、選択肢の 2(配電盤を造営材に取り付ける作業) です。

この作業は、電気工事士法において「電気工事士でなければできない作業」として明確に規定されています。

なぜ「配電盤の取り付け」には資格が必要なのか?

配電盤(分電盤)は、建物全体の電気を管理し、各回路へ分配する非常に重要な設備です。

これを「造営材(壁や柱など)」に取り付ける作業は、重量による落下の危険性や、電気的な接続の重要度が高いため、確かな技術を持った有資格者が行わなければなりません。

もし不適切な取り付けを行うと、感電や火災といった重大な事故につながる恐れがあるためです。

【ポイント】

試験では「造営材(ぞうえいざい)」という用語がよく使われますが、これは「建物を構成する部材(壁、柱、梁など)」のことです。「壁に配電盤を固定するのはプロの仕事」と覚えておきましょう。

2. 他の選択肢はなぜ「資格不要」なのか?

正解以外の 1、3、4 は、電気工事士法施工令で定められた「軽微な工事」に該当します。これらは、電気工事士の資格がなくても行うことが可能です。

試験ではこの「軽微な工事」のパターンを覚えておくことが得点源になります。

1. 開閉器にコードを接続する工事

電圧600V以下の接続器や開閉器(スイッチなど)に、「コード」または「キャブタイヤケーブル」を接続する作業は軽微な工事とみなされます。

ここで重要なのは、接続するのが「コード」であるという点です。屋内配線用の「電線(VVFケーブルなど)」を接続する場合は資格が必要になりますので、混同しないようにしましょう。

3. 地中電線用の暗きょを設置する工事

「暗きょ」とは、地中に電線を通すための溝や管のことです。

これを設置したり変更したりする作業自体は、電気的な接続を伴わない「土木作業」に近い性質のものであるため、電気工事士の資格は不要とされています。

ただし、その中に「電線を収める作業」や「電線を接続する作業」になると、資格が必要になる場合がありますので注意が必要です。

4. 小型変圧器(36V以下)の二次側の配線工事

インターホンや火災報知器などに使用される小型変圧器で、二次側の電圧が「36V以下」の配線工事は、感電の危険性が極めて低いため、無資格でも行える軽微な工事とされています。

この「36V以下」という数値は頻出キーワードですので、必ず覚えておきましょう。

3. 「管」や「ボックス」に関する作業の境界線も要チェック

今回の問題のように、電気工事には「やっていいこと」と「ダメなこと」の微妙な境界線があります。

特に現場で迷いやすいのが、電線管(パイプ)や金属管を使った工事です。

例えば、金属管のねじ切りや、管とボックスを接続する作業。一見すると工作作業のようですが、バリ取り不足で電線を傷つけると漏電の原因になるため、正しい知識が必要です。このあたりの詳しい境界線については、以下の記事で徹底解説しています。

↓【第二種電気工事士】電線管をねじ切りし、電線管とボックスを接続する作業は無資格でやって大丈夫?電力量計の取り付け作業など資格が必要な工事・不要な工事の境界線を徹底解説

また、「設置された管の中に電線を通すだけ」なら誰でもいいのでは?と思いがちですが、ここにも落とし穴があります。金属管工事における「電線を収める作業」のルールもしっかり押さえておきましょう。

↓【第二種電気工事士】金属管に電線を収める作業、無資格でやって大丈夫?「電気工事士でなければできない作業」の境界線について解説

まとめ:この問題の攻略ポイント

  • 配電盤を造営材に取り付ける作業は、危険度が高いため「資格が必要」
  • コードの接続(600V以下)は「軽微な工事(資格不要)」。
  • 地中の暗きょ設置は「土木作業扱い(資格不要)」。
  • 36V以下の小型変圧器(二次側)は「軽微な工事(資格不要)」。

「造営材に固定するもの」や「電線そのものを扱うもの」は基本的に資格が必要であると考え、例外としての「軽微な工事」のリストをしっかり頭に入れておきましょう。

一つ一つの作業の意味と危険性を理解すれば、丸暗記しなくても自然と正解が選べるようになります。