記事を読む前に! 実践・過去問チャレンジ
電気工事士の筆記試験において、多くの受験生が苦戦するのが「施設場所と工事の種類」に関する問題です。
「屋内」「屋外」「湿気のある場所」「天井裏(隠ぺい場所)」など、場所によって許される工事と許されない工事が厳密に決まっています。
テキストにある複雑な「〇×表」をすべて丸暗記しようとして挫折してしまう方も多いですが、実は「あるシンプルな法則」を知っているだけで、この手の問題は簡単に解けるようになります。
まずは、実際に出題された過去問(類似問題)で、今の実力をチェックしてみましょう。
【問題】
使用電圧100Vの屋内配線で、湿気の多い場所における工事の種類として、不適切なものは次のうちどれか。
- 点検できない隠ぺい場所で、防湿装置を施した金属管工事
- 点検できない隠ぺい場所で、防湿装置を施した合成樹脂管工事(CD管を除く)
- 展開した場所で、ケーブル工事
- 展開した場所で、金属線ぴ工事
答えは決まりましたか?
「全部、金属やプラスチックで守られているから大丈夫そう……」と迷いましたか?
それとも、「湿気」というキーワードにピンときて、瞬時に正解を選べましたか?
この問題は、電気工事士として安全を守るための「基本中の基本」を問うています。
なぜその工事が不適切なのか、現場でのイメージと合わせて解説します。
1. ズバリ、正解(やってはいけない工事)は?
正解は、選択肢の 4(展開した場所で、金属線ぴ工事) です。
この問題の最大のポイントは、問題文にある「湿気の多い場所」という条件です。
選択肢4の「金属線ぴ工事」は、たとえ目に見える「展開した場所」であっても、湿気がある場所での施工は禁止(不適切)されています。

なぜ「金属線ぴ」は湿気に弱いのか?
金属線ぴ(メタルモール)とは、オフィスや店舗などで、壁や床の表面に配線をきれいに隠すために使われる、細長い金属製のカバーのようなものです。
これは基本的に、見た目を良くするための化粧材としての側面が強く、金属管のような完全な密閉構造ではありません。構造上「隙間」が多く、湿気や水気が内部に侵入しやすいため、以下のリスクがあります。
・サビ(腐食):金属が湿気で錆びてボロボロになる。
・漏電:内部に入った水分で絶縁が悪くなる。
そのため、電気設備の技術基準では、「乾燥した場所」でしか使用できないと定められています。
2. これだけ覚えればOK!「最強の4工法」
この単元を攻略するために、テキストの表をすべて丸暗記する必要はありません。
まずは、「どこでも使える万能な工事」を覚えてしまいましょう。
以下の4つの工事方法は、乾燥した場所はもちろん、「湿気の多い場所」でも、「点検できない隠ぺい場所(壁の中や天井裏)」でも施工できる、いわば「最強の4工法」です。
・ケーブル工事(VVFケーブルなど)
・金属管工事
・合成樹脂管工事(CD管を除く)
・2種金属可とう電線管工事
試験問題で「湿気の多い場所」や「隠ぺい場所」が出てきたら、まずはこの4つを探してください。これらは基本的にOK(適切)です。
※ただし、金属製の管を湿気のある場所で使う場合は「防湿装置を施す」などの条件が付きますが、工事方法自体は可能です。
3. 選択肢の解説
では、それぞれの選択肢をもう一度見てみましょう。
- 金属管工事→ 「最強の4工法」の一つです。頑丈な鉄パイプで守るため、防湿装置を施せば、湿気があろうが、隠ぺい場所だろうが施工可能です。(適切)
- 合成樹脂管工事→ これも「最強の4工法」の一つです。樹脂(プラスチック)は錆びないので湿気に強く、隠ぺい場所もOKです。(適切)
- ケーブル工事→ 最も一般的な「最強の4工法」です。被覆で守られているため湿気にも強く、どこでも使えます。(適切)
- 金属線ぴ工事→ これだけ仲間外れです。乾燥した場所でしか使えません。「湿気の多い場所」という条件がある時点で不適切です。(不適切)
4. 「場所を選ぶ」工事たちの覚え方
万能な4つ以外は、基本的に「条件の良い場所」でしか使えないと覚えましょう。
試験によく出る「制限あり」の工事は以下の通りです。
「乾燥した場所」限定(水気厳禁!)
・金属線ぴ工事
・金属ダクト工事
・ライティングダクト工事
これらは、「ダクト」や「線ぴ」と名前につくものは、基本的に湿気が苦手と覚えておけば、試験で選択肢を絞り込む強力な武器になります。

まとめ:この問題の攻略ポイント
・迷ったら「ケーブル・金属管・合成樹脂管・可とう管」の4つを探す。これらはどこでも施工できる。
・「金属線ぴ」や「金属ダクト」などは、「湿気NG」。
・問題文に「湿気の多い場所」とあったら、万能ではない工事(線ぴなど)を探して、それを不適切として選ぶ。
この「万能 vs 制限あり」のグループ分けさえできていれば、施設場所の問題は怖くありません。
現場でも、「水回りだからモール(線ぴ)はやめて、塩ビ管(合成樹脂管)にしておこう」といった判断は非常に重要になります。
効率よくポイントを押さえて、確実に1点をゲットしましょう!

