記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
電気工事士の試験において、「接地工事(アース)」は安全を守るための最重要項目の一つです。
原則として、金属製の管には漏電時の感電を防ぐために接地を行わなければなりませんが、ある「特定の条件」を満たせば、例外的に工事を省略できるというルールがあります。
今回は、現場でもよく使われる「金属製可とう電線管(プリカチューブなど)」に関する問題です。
試験直前になって「あれ?条件は4mだっけ?8mだっけ?」と迷わないよう、この問題で知識を定着させましょう。
【問題】
乾燥した場所における低圧屋内配線で、2種金属製可とう電線管を使用した工事を行う場合、D種接地工事を省略できるものは次のうちどれか。
ただし、管の長さは電線管の全長とする。
1.使用電圧が100Vで、管の長さが6mのもの
2.使用電圧が200Vで、管の長さが3mのもの
3.使用電圧が400Vで、管の長さが3mのもの
4.使用電圧が100Vで、管の長さが5mのもの
答えは決まりましたか?
「電圧」と「長さ」。この2つの数字の組み合わせが運命の分かれ道です。
自信を持って答えを選べましたか?
それでは正解と、なぜその答えになるのかという「根拠」を解説します。
1. ズバリ、正解は?
正解は、選択肢の 2 です。
なぜ選択肢2なら接地工事を省略できるのか。
その理由は、電気設備の技術基準の解釈に定められている「接地工事の省略条件」に合致するからです。

【接地省略の鉄則ルール】
金属製可とう電線管工事において、接地工事を省略できるのは以下の条件が揃ったときです。
1.使用電圧が【300V以下】であること
2.管の長さが【4m以下】であること
この2つの数字を今回の選択肢に当てはめてみましょう。
- 選択肢1:100Vですが、長さが6m(4mを超えている)なので省略不可。
- 選択肢2:200V(300V以下)かつ、長さ3m(4m以下)。条件クリア!省略可能です。
- 選択肢3:400V(300Vを超えている)なので、原則C種接地工事が必要。省略不可。
- 選択肢4:100Vですが、長さが5m(4mを超えている)なので省略不可。
2. 合格への鍵!「金属管」と「可とう電線管」の違い
ここが試験で一番狙われるポイントです。
普通の真っ直ぐな鉄パイプである「金属管」と、今回解説している自由に曲がる管「金属製可とう電線管」では、省略のルールが微妙に異なります。
試験対策として、以下の違いを整理しておきましょう。
【金属製可とう電線管(プリカ)】
- 条件:300V以下 + 4m以下
- 覚え方:「可とう」はシンプルに【4m】だけ覚える!
【金属管(鉄パイプ)】
- 条件:300V以下 + 4m以下 + 【乾燥した場所】
- 覚え方:鉄パイプは「乾燥」が必須条件!
テキストの規定(電気設備の技術基準の解釈)では、金属製可とう電線管の4m以下省略には「乾燥した場所」という条件は必須ではありませんが、試験問題では「乾燥した場所」という前提条件が付くことが一般的です。「可とう電線管=4m以下なら省略のチャンス」と覚えておけば、正解を選びやすくなります。
3. 接地以外も狙われる!試験に出る「NG工事」3選
金属製可とう電線管については、接地工事以外にもよく出題される「施工のルール」があります。
過去問でも問われている、以下の3点を必ず押さえておきましょう。

① 管の中に「OW線」は入れてはいけない!
これが最もよく出る間違い探しです。
管の中には絶縁電線を通しますが、【屋外用ビニル絶縁電線(OW)】は使用できません。
「管の中にOWはNG」と語呂合わせで覚えてしまいましょう。
② 電線の接続は「管の中」でやらない!
電線をつなぎ合わせる(接続点を作る)ときは、必ずボックスの中で行います。
管の途中で電線をよじって接続してはいけません。これは全ての管工事に共通するルールです。
③ 接続部材(カップリング)の名称
管同士や、管とボックスをつなぐ部材の名前も頻出です。
- 管同士をつなぐ → 【カップリング】
- 管と金属管(鉄管)をつなぐ → 【コンビネーションカップリング】
- 管とボックスをつなぐ → 【ストレートボックスコネクタ】
特に「コンビネーション」は異なる種類の管をコンビでつなぐ、と覚えると忘れにくいです。

まとめ
金属製可とう電線管の工事において、もっとも重要なのは安全確保です。しかし、条件を満たせば施工を簡略化(接地省略)できるというルールもまた、現場の効率化のために重要です。
今日のポイントをおさらいしましょう。
- 接地を省略できるのは【300V以下】かつ【4m以下】。
- 金属管との接続には【コンビネーションカップリング】。
- 中に入れてはいけない電線は【OW線】。
この3点を押さえておけば、金属製可とう電線管に関する過去問の多くに対応できます。
数字の「4m」は、試験会場で絶対に思い出せるようにしておきましょう!

