【第二種電気工事士】合成樹脂管工事の必須ルール!支持点間距離と接着剤の深さを完全解説

【第二種電気工事士】合成樹脂管工事の必須ルール!支持点間距離と接着剤の深さを完全解説

記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ

電気工事士の試験において、合否を分けるのが「施工方法」に関する細かい数値の暗記です。

特に「合成樹脂管(VE管など)」は、実際の現場でも頻繁に使用されるため、試験での出題頻度が非常に高い重要テーマです。

しかし、金属管工事やケーブル工事など、他の工事方法と数値が混ざってしまい、「あれ? 1.5mだっけ? 2mだっけ?」と迷ってしまう受験生が多くいます。

今回は、そんな迷いを解消するために、実際に出題された過去問を見ながら「絶対に間違えてはいけないポイント」を解説します。

まずは、今の実力をチェックしてみましょう。

【問題】

硬質塩化ビニル電線管による合成樹脂管工事として、不適切なものは次のうちどれか。

  1. 管相互および管とボックスとの接続で、接着剤を使用したので管の差込深さを管の外径の0.5倍とした
  2. 管の直線部分はサドルを使用し、管を1(m)間隔で支持した
  3. 湿気の多い場所に施設した管とボックスとの接続箇所に、防湿装置を施した
  4. 三相200(V)配線で、接触防護措置が施されている場所に施設した管と接続する金属製プルボックスに、D種接地工事を施した


答えは決まりましたか?

「接着剤を使ったから浅くても大丈夫?」

「1m間隔は狭すぎる?」

もし少しでも迷ったなら、この記事で完璧に復習しておきましょう。

この問題の正解と、試験で点数を落とさないための「3つの重要ルール」を解説します。

1. ズバリ、正解(不適切な工事)は?

正解(不適切なもの)は、選択肢の 1 です。

この問題のポイントは、管をつなぐときの【差込深さ】のルールです。

選択肢1では「接着剤を使用して、外径の0.5倍の深さまで差し込んだ」としていますが、これは浅すぎます。

これでは接続の強度が足りず、地震や振動で管が抜けてしまう恐れがあるため、施工不良(不適切)となります。

合成樹脂管工事の必須ルール問題の黒板解説

2. 合成樹脂管工事で覚えるべき「3つの数値」

この問題を確実に解くために、合成樹脂管(VE管)工事における3つの重要な数値ルールを覚えましょう。これさえ頭に入っていれば、類似問題も怖くありません。

① 接続の深さ(接着剤あり vs なし)

管と管(あるいは管とボックス)をつなぐ際、どれくらい奥まで差し込む必要があるかは、【接着剤を使うかどうか】で決まります。

管の接続部分の断面図。接着剤なしで1.2D、ありで0.8Dの寸法が示されている図

【重要ルール】

・接着剤を使用しない場合:管の外径の 1.2倍 以上

・接着剤を使用する場合:管の外径の 0.8倍 以上

接着剤を使うと結合強度が強くなるため、その分、差し込む深さは浅くて済みます(0.8倍)。逆に、接着剤を使わないなら、しっかり奥まで(1.2倍)差し込んで抜けにくくする必要があります。

今回の問題の選択肢1は「0.5倍」でした。これは、接着剤を使った場合の基準「0.8倍」よりもさらに浅いため、ルール違反となります。

覚え方のコツ:「接着剤アリなら、レイハチ(0.8)でOK」と語呂で覚えてしまいましょう。

② 支持点間の距離は「1.5m以下」

管を壁や天井に固定する際、サドル(留め具)の間隔をどれくらいにするかというルールです。

壁面にサドルで固定されたパイプの図。サドル間の距離が1.5m以下であることを示している

【重要ルール】

・合成樹脂管の支持点間距離: 1.5m以下

合成樹脂管は金属管に比べて柔らかいため、あまり間隔を広げすぎると、垂れ下がったりたわんだりしてしまいます。そのため、こまめに固定する必要があります。

(ちなみに、金属管の場合は2m以下です。樹脂管の方が短く持つ必要がある点に注意しましょう。)

選択肢2では「1m間隔で支持した」とあります。

ルールは「1.5m以下」ですから、それより短い「1m」間隔で固定するのは、より安全で丁寧な工事と言えます。ですので、これは【適切な工事】です。

③ 管の曲げ半径は「6倍以上」

管を曲げて施工する場合、中の電線が傷つかないように緩やかに曲げる必要があります。

【重要ルール】

・管の内側の曲げ半径:管内径の 6倍以上

3. その他の選択肢の解説

残りの選択肢についても、なぜ正しいのかを確認しておきましょう。

3. 湿気の多い場所での防湿装置(適切)

電気の大敵は水分です。湿気の多い場所や水気のある場所では、管の中に水が入らないように、接続部分に防湿措置(パッキンを入れる、防水テープを巻くなど)を施す必要があります。これは電気工事の基本ですので、適切な工事です。

4. 金属製ボックスの接地工事(適切)

合成樹脂管自体は電気を通しませんが、途中で使う「金属製のボックス」などは、漏電した際に危険なためアース(接地工事)が必要です。

【重要ルール】

・300V以下の場合: D種接地工事

選択肢4では「三相200V(300V以下)」の回路で「金属製プルボックスにD種接地」をしているので、ルール通り適切な工事です。

※なお、この選択肢には「接触防護措置が施されている」とあります。

対地電圧150V以下で乾燥した場所など、条件が揃えば接地工事を省略できるケースもありますが、「接地工事を行った」こと自体は安全性を高める行為であり、決して不適切ではありません。

まとめ:この問題の攻略ポイント

合成樹脂管工事の問題が出たら、以下のキーワードと数値を思い出してください。

・接着剤ありなら【0.8倍】

・接着剤なしなら【1.2倍】

・支持点間隔は【1.5m以下】

特に「0.8倍」と「1.2倍」のひっかけ問題は非常によく出題されます。

「接着剤があればガッチリつくから少し浅くても(0.8倍でも)大丈夫」

「接着剤がないなら深く入れないと(1.2倍入れないと)抜けちゃう」

というイメージを持って覚えておけば、試験本番でも迷わず正解を選べるはずです。