記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
まずは実力試しです。第二種電気工事士の試験(筆記・配線図問題)において、以下の問いに正解できるかチェックしてみましょう。似たような記号が多い「変圧器シリーズ」からの出題です。
【問題】
次の図記号1〜4のうち、「ネオン変圧器」を示すものはどれでしょう?
答えは決まりましたか?
「円の中にT」までは同じでも、右下の小さな文字(添え字)だけで器具の役割も、扱う電圧の危険度も全く異なります。
正解がどれか、そしてなぜその答えになるのか、これから詳しく解説していきます。
これから手に職をつけて安定して働きたいと考えている方にとって、こうした図記号の理解は、現場での「安全」を守る第一歩です。
このまま読み進めて、試験で迷わず即答できる知識にしてしまいましょう!
1. ズバリ、この図記号は何?
先ほどのクイズの答え合わせです。
「ネオン変圧器」を表す図記号は、以下の通りです。
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正解:3番
円の中に「T」は Transformer(トランスフォーマー/変圧器) の頭文字。
そして、右下の添え字「N」は Neon(ネオン) の頭文字です。
そのまま「ネオンのトランス」と覚えましょう。
試験での定義と役割
JIS C 0617等の規格に基づき、試験では以下のように定義されています。
ネオン管を点灯させるために高電圧に変換する変圧器です。
ここで絶対に覚えておきたいキーワードは「高電圧」です。
家庭用の100Vの電気を、ネオン管を光らせるために数千ボルト〜1万5000ボルト(15kV)といった非常に高い電圧に昇圧(電圧を上げる)します。
写真鑑別問題(器具の写真を見て名前を答える問題)では、灰色の縦長の箱のような器具が出題されます。
「15kV」などの高電圧の表記があるのが最大の特徴です。
[画像:ネオン変圧器の実物写真(縦長の箱型で碍子がついているもの)]2. 紛らわしい「T」シリーズの覚え方
電気工事士の試験では、この「丸にT」の記号がいくつか登場します。これらはセットで整理すると一瞬で覚えられます。
| 図記号 | 名称 | 役割と覚え方 | 電圧のイメージ |
| 小型変圧器 | チャイムやブザー用。「T」単体はこれ。 | 下げる (100V→16Vなど) | |
| リモコン変圧器 | リモコン配線用。「R」はRemoteのR。 | 下げる (100V→24V) | |
| ネオン変圧器 | ネオン管用。「N」はNeonのN。 | 上げる (100V→15000V) |
【ここがポイント!】
小型変圧器(
)とリモコン変圧器(
)は、安全のために電圧を下げる器具です。
一方で、今回の主役であるネオン変圧器(
)だけは、電圧をものすごく上げる器具です。
同じ「変圧器」という名前でも、役割が真逆であることを意識しておきましょう。
3. 実際の現場ではどこに使われている?
机上の勉強だけでなく、実際の現場での使われ方を知ることで、記憶はより定着します。
街の景観を作る「ネオンサイン」
ネオン変圧器は、その名の通りお店の看板などで使われる「ネオンサイン」を光らせるための心臓部です。
ガラス管の中にガスを封入し、そこにネオン変圧器で作った高電圧をかけることで、鮮やかな光を放ちます。
施工・現場目線でのリアル(重要)
実は近年、新しい看板の多くはLED化されており、本物のガラス管を使ったネオンサインの新規設置は減ってきています。
「じゃあ、覚えなくていいの?」と思うかもしれませんが、そうではありません。
電気工事士として現場に出ると、「古いビルの解体」や「店舗の改装(リノベーション)」の仕事で、既存のネオン管を撤去する場面に遭遇します。
この時、ネオン変圧器の特性(高電圧であること)を知らないと大変危険です。
「古い設備だから」と油断せず、「ⓉNの記号がある=ここには高電圧がかかっていた配線があるぞ」と警戒できることが、プロとしての安全管理につながります。
また、レトロブームにより、あえて本物のネオン管を使いたいという店舗オーナーからの需要も根強く残っています。
4. 試験で間違えないためのチェックポイント
第二種電気工事士の試験対策として、以下の3点を押さえておけば完璧です。
- 添え字を確認する: 「N」があればネオン。「R」ならリモコン。何もなければチャイム用。
- 配線図の周囲を見る: ネオン変圧器の図記号の近くには、必ず「放電灯(ネオン管)」の負荷がつながっています。
- 工事の種類: ネオン変圧器の二次側(出力側)は高電圧なので、「管灯回路(かんとうかいろ)」と呼ばれます。通常の配線とは区別されることも覚えておきましょう。
まとめ
- 図記号
は ネオン変圧器。 - 役割は ネオン管を点灯させるために高電圧(15kVなど)を作り出す こと。
- 現場では 撤去工事 で出会うことも多い。高電圧なので取り扱いに注意が必要。
一つひとつの図記号の意味を理解することは、将来の現場での自分の身を守ることにつながります。まずはこの「N」のマーク、確実に覚えて点数に繋げましょう!

