記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
まずは実力試しです。第二種電気工事士の試験(配線図問題)において、以下の問いに正解できるかチェックしてみましょう。
【問題】
次の図記号1〜4のうち、「HID灯(高効率放電灯)用安定器」を示すものはどれでしょう?
答えは決まりましたか?
電気工事士の試験では、円の中にアルファベットが入った記号がたくさん出題されます。「どれも同じに見える…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
正解がどれか、そして試験で絶対に間違えないための覚え方をこれから解説します。
自信を持って答えられた方も、勘で答えた方も、この記事を読んで「確実に1点取れる知識」にしてしまいましょう!
これから手に職をつけて現場で働きたいと考えている方にとって、聞き慣れない専門用語は最初のハードルです。
しかし、これらは現場に出れば「当たり前にそこにある設備」です。
今回は、工場や体育館などの大型施設で活躍する「HID灯(高効率放電灯)用安定器」について解説します。
1. ズバリ、正解の図記号はこれ!
先ほどのクイズの答え合わせです。
配線図記号で「HID灯用安定器」を表すのは…
選択肢「1」
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これが正解でした!
覚え方のコツ:頭文字で連想する
なぜ「H」なのか?これは英語の頭文字を取っています。
- H = High Intensity Discharge(高輝度放電)
日本語では「高効率放電灯」と呼ばれますが、現場やカタログでは「HID(エイチアイディー)ランプ」と呼ぶのが一般的です。
「HIDの頭文字Hがついているから、HID灯用」とシンプルに覚えましょう。
試験での定義(JIS C 0617準拠)
この器具の役割は、問題文の定義通りです。
「HID灯用の安定器です。放電を安定させます。」
蛍光灯やHIDランプなどの「放電灯」は、電気を流し続けると電流が暴走してしまう性質があります。それを防ぎ、電流を一定(安定)にするためのブレーキ役がこの「安定器」です。
2. 試験でここだけは注意!「T」ファミリーの使い分け
この問題が試験でよく出る理由は、「似たような記号が多くて紛らわしいから」です。
円の中に「T」が入る記号は「トランス(変圧器)」を指すことが多いですが、添字(右下の小さい文字)によって意味が全く異なります。
試験直前でも役立つ、見分け方リストをまとめました。
| 図記号(イメージ) | 添字 | 名称 | 覚え方・用途 |
| H | HID灯用安定器 | HIDランプ用。今回の主役! | |
| なし | 小型変圧器 | ベル・チャイム用。(Transformer) | |
| N | ネオン変圧器 | Neon管用。ネオンサインを光らせる。 | |
| R | リモコン変圧器 | Remote Control用。リモコン配線の電源。 |
攻略のポイント:
ベースは全て「T」です。右下のアルファベット(添字)だけに注目してください。「H」があれば迷わずHID灯です。
3. 実際の現場ではどこに使われている?
机上の勉強だけでなく、実際の現場(リアル)を知ることで記憶はより定着します。
これから皆さんが活躍するかもしれない現場では、この「HID灯」はどう扱われているのでしょうか?
どんな場所にある?
HID灯(水銀灯、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプなど)は、非常に明るい光を出せるため、以下のような場所で使われています。
- 体育館や倉庫の天井(高いところから広範囲を照らす)
- 工場の作業エリア
- 屋外の街路灯や公園灯
- 野球場のナイター照明
みなさんも、体育館の天井に大きな丸い照明がついているのを見たことがあるはずです。あの照明器具の近くや、分電盤の中に、この「安定器」が設置されています。
現場仕事でのリアル(LED化工事の需要)
実は今、このHID灯は「LEDへの交換工事」で非常にホットな分野です。
水銀灯などのHIDランプは消費電力が大きく、また水銀に関する条約の影響で生産が終了しつつあります。そのため、多くの工場や施設が「HID灯からLED照明へ」の切り替えを急いでいます。
この工事を行う際、既存の「HID灯用安定器(
)」を取り外す(バイパスする)という作業が発生します。
- 既設のHID照明器具を開ける。
- 中にある重たい「安定器(
)」を見つける。 - 配線を切断し、電気を安定器に通さないように結線し直す。
これから電気工事士として働く皆さんにとって、この記号は「過去の遺産」ではなく、「今まさに交換需要がある、稼げる工事のターゲット」なのです。
まとめ
は HID灯(高効率放電灯)用安定器。- 覚え方は 「HIDのH」。
- 他の「T」記号(小型、ネオン、リモコン)と区別するために、添字を見る癖をつける。
- 現場では、体育館や工場の「水銀灯」などに使われており、現在はLED化工事でよく触れる器具である。
記号一つを覚えるにしても、「これは現場のあの高い天井についているやつだな」とイメージできると、試験勉強はぐっと面白くなります。
AIに代替されない「現場の技術」の第一歩として、まずはこの記号を確実にマスターしましょう!

