【電気工事士】硬質塩化ビニル電線管(VE管)を完全攻略!支持点間距離1.5mと施工ルールを徹底解説

【電気工事士】硬質塩化ビニル電線管(VE管)を完全攻略!支持点間距離1.5mと施工ルールを徹底解説

この記事でわかること

・硬質塩化ビニル電線管(VE管)は絶縁性が高くアース不要なため、試験で頻出の重要材料。

・試験の合否を分ける数値は「支持点間距離1.5m以下」と「接着剤使用時の接続深さ0.8倍」。

・配線図記号の読み方から、ガストーチを使用する曲げ加工、HIVE管との違いまでを網羅。


電気工事士の試験勉強を進めていると、金属管、PF管、CD管など、たくさんの配管用語が出てきて混乱することはありませんか?

その中でも、筆記試験・技能試験の両方で非常に重要な位置を占めるのが【硬質塩化ビニル電線管(VE管)】です。

一見地味な灰色のパイプですが、試験では「材質の特性」や「施工時の数値ルール」が細かく問われる得点源となる分野です。

この記事では、第一種・第二種電気工事士の取得を目指すあなたに向けて、VE管の知識を漏れなく、肉厚に解説します。

1. 硬質塩化ビニル電線管(VE管)とは?

硬質塩化ビニル電線管(VE管)とは?

まずは、この管の基本スペックを頭に入れましょう。

正式名称は「硬質ポリ塩化ビニル電線管」ですが、試験や現場では略称の【VE管(ブイイーかん)】と呼ばれることがほとんどです。

外観と特徴

色は一般的に「グレー(灰色)」をしています。

触ると非常に硬く、PF管のように手で自由に曲げることはできません。直線のパイプ状で販売されています。

硬質塩化ビニル電線管(VE管)の直管の写真

試験で問われる最大のメリット:絶縁性

試験で最も問われる特性は、【電気を通さない(絶縁体である)】という点です。

金属管工事では感電防止のために接地工事(アース)が必要ですが、VE管は樹脂製で絶縁性が高いため、原則として【接地工事が不要】です。

この「アース不要」というメリットは、筆記試験の正誤判定問題で頻出ですので必ず覚えておきましょう。

その他の特徴

・ 腐食に強い:錆びないので、湿気の多い場所や化学工場、屋外などでも使用できます。

・ 熱に弱い:金属に比べて熱による変形が大きく、高温の場所には向きません。

・ 伸縮する:温度変化で長さが伸び縮みするため、長い配管には「伸縮カップリング」を使って対策します。

2. 試験に出る!サイズと図記号の読み方

試験に出る!サイズと図記号の読み方

配線図問題では、図記号を見て適切な材料を選べるかが問われます。

配線図記号

配線図上でVE管は、配線を表す実線に「VE」という文字と「数字」が添えられて表現されます。

配線図記号。線の上にスラッシュが入り、傍記に「VE16」と書かれている図

添付画像の例にある「IV1.6(VE16)」という表記は、以下のような意味になります。

・IV1.6:中に入っている電線(1.6mmのビニル絶縁電線)

・(VE16):使用する管はVE管のサイズ16

サイズ(呼び径)のルール

VE管のサイズ表記は、管の【内径に近い偶数】で表されます。

以下の主要サイズは暗記しておくとスムーズです。

・14

・16 (最も一般的)

・22

・28

・36

金属管(E管やC管)は奇数サイズが多いのに対し、VE管は【偶数】であることが見分けるポイントです。

3. 【最重要】施工方法の数値ルール

【最重要】施工方法の数値ルール

ここが今回のハイライトです。筆記試験の「施工方法」の問題では、以下の【3つの数字】が合否を分けます。絶対に暗記してください。

① 支持点間の距離は「1.5m以下」

VE管を壁や天井に固定する場合、サドルなどの支持材を取り付ける間隔は【1.5m以下】にする必要があります。

・金属管:2m以下

・VE管:1.5m以下

樹脂製のVE管は金属管より強度が低くたわみやすいため、金属管よりも短い間隔で固定しなければなりません。

試験では「支持点間距離を2mとした」という引っ掛け問題がよく出ますが、これはVE管では【不適切(誤り)】です。「VEはイチゴ(1.5)」と覚えましょう。

また、管端やボックスとの接続点の近く(0.3m程度)にも固定が必要です。

② 接続時の差し込み深さ

管同士やボックスと接続する際、どのくらい深く差し込むかにも決まりがあります。

【接着剤を使うかどうか】で数値が変わるのがポイントです。

・ 接着剤を使用しない 場合:管の外径の【1.2倍以上】

・ 接着剤を使用する 場合:管の外径の【0.8倍以上】

接着剤を使えば化学的に結合して抜けにくくなるため、浅めの0.8倍でもOKとされています。

逆に接着剤を使わない(使えない)場合は、深く差し込んで物理的な摩擦で抜けを防ぐ必要があります。

「接着剤ありなら0.8倍」は、第一種・第二種問わず頻出の問題です。

③ 曲げ半径

管を曲げて施工する場合、中の電線を傷めないよう、緩やかに曲げる必要があります。

・屈曲部の内側の半径は、管内径の【6倍以上】とすること。

4. 技能試験と工具:どうやって曲げる?

VE管は硬いため、そのままでは曲がりません。ではどうするか?

熱を加えて柔らかくして曲げます。

必須工具:ガストーチランプ

試験の写真鑑別問題で、ガスボンベが付いたバーナーの写真が出たら、それは【ガストーチランプ】です。

用途は「VE管の曲げ加工」です。

ガストーチランプでVE管を加熱している作業風景

金属管の曲げには「パイプベンダ」を使いますが、VE管には使いません。

あぶって、柔らかくして、冷え固まるまで固定する。これがVE管の加工方法です。

また、管を切断した後は、電線の被覆を傷つけないように「面取り器」や「クリックボール(リーマ)」を使って内側の角(バリ)を削り取ることも重要です。

5. 紛らわしい「HIVE管」との違い

応用問題として登場するのが「耐衝撃性硬質塩化ビニル電線管」、通称【HIVE管(ハイブかん)】です。

・ VE管:色はグレー。衝撃に弱い。

・ HIVE管:色は【濃い紺色】や【黒】。衝撃に【強い】。

HIVEは「High Impact(高衝撃)」の略です。

物がぶつかる可能性がある場所や、寒冷地(寒いと普通のVE管は割れやすいため)ではHIVE管が使われます。

試験の写真問題で「黒っぽい色の管」が出たり、問題文に「耐衝撃性」というキーワードが出たら、HIVE管を選んでください。

まとめ

電気工事士試験におけるVE管の攻略ポイントを整理します。

  1. 名称: 硬質塩化ビニル電線管(VE管)
  2. 特徴: 絶縁体なのでアース工事が不要
  3. 施工(支持点): 間隔は【1.5m以下】(金属管より短い!)
  4. 施工(接続): 接着剤ありなら【0.8倍】、なしなら【1.2倍】
  5. 加工: 【ガストーチランプ】で加熱して曲げる

この5つのポイントさえ押さえておけば、VE管に関する問題は怖くありません。

特に「1.5m」と「0.8倍」という数字は、試験直前に必ず見直して、自信を持って解答できるようにしておきましょう。


電気工事に関する用語をもっと知りたい場合は「テニショク図鑑」を御覧ください

↓硬質塩化ビニル電線管(VE管)の解説はこちら↓

https://faq.tenisyoku.com/faq/materials#ve-conduit