記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
では、まずは実力試しです。第二種電気工事士の試験問題(配線図)において、以下の問いに正解できるかチェックしてみましょう。
【問題】
次の図記号1〜4のうち、「漏電遮断器付コンセント」を示すものはどれでしょう?
- [図記号:コンセントの記号に傍記「EL」]
- [図記号:コンセントの記号に傍記「E」]
- [図記号:コンセントの記号に傍記「ET」]
- [図記号:コンセントの記号に傍記「LK」]
答えは決まりましたか?
正解がどれか、なぜその答えになるのか、これから詳しく解説していきます。
自信を持って答えられた方も、迷った方も、このまま読み進めて「確実に1点取れる知識」にしてしまいましょう!
電気工事士の勉強を進めていると、コンセントの図記号だけで種類が多すぎて混乱してきませんか?
特に「アルファベットの添字(傍記)」が変わるだけで機能が全く異なるため、丸暗記だと現場に出た時に「これなんだっけ?」となりがちです。
今回は、水回りの安全な電気設備になくてはならない「特殊な機能を持ったコンセント」について解説します。
ご提示いただいた画像の器具は、まさにこの機能を備えた実物です。
図記号の意味と、現場でのリアルな使われ方をセットで覚えて、試験の得点源にしましょう。
1. ズバリ、この図記号は何?
先ほどのクイズの答え合わせです。
配線図でコンセントの記号の横に、ある「2文字」が書かれていたら要注意です。
正解:1
コンセントの図記号に「EL」
この「EL」は、Earth Leakage(アース・リーケージ/漏電)の頭文字を取ったものです。
英語の意味(Earth=地球/大地、Leakage=漏れ)を知っていれば、丸暗記しなくても「大地に電気が漏れる=漏電」と連想できますね。
試験での定義(重要)
この器具の役割は非常にシンプルかつ重要です。
「漏電が発生した際、自動的に電気を遮断して感電事故や火災を防ぐコンセント」
通常のブレーカー(配線用遮断器)は「使いすぎ(過負荷)」や「ショート(短絡)」で落ちますが、このEL付きコンセントは「電気が漏れた(漏電)」時にだけ敏感に反応して電気を止めます。
画像にある通り、コンセント自体に小さな「テストボタン」や「リセットボタン」がついているのが特徴です。これは中の遮断器が正常に動くか点検するためについています。
2. 試験でここだけは注意!「E」シリーズのひっかけ
コンセントの記号には「E」がつくものが複数あり、試験ではこれらが混在した選択肢で引っ掛けに来ます。しっかり区別しましょう。
- EL(Earth Leakage):漏電遮断器付コンセント ← 今回の主役!
- 役割:漏電したら「電気を止める」。
- E(Earthing terminal):接地端子付コンセント
- 役割:アース線を繋ぐための「端子(ネジ)がついているだけ」。電気は止めません。
- ET(Earthing terminal + Grounded):接地極付接地端子付コンセント
- 役割:プラグの穴自体にアース極があり、さらにアース端子もついているタイプ。今の冷蔵庫や電子レンジ用でよく見ます。これも電気は止めません。
覚え方のコツ:
「L」がついているものだけが「Leakage(漏れ)」に対応しており、自ら動いて電気を止める機能(遮断器)を持っています。
3. 実際の現場ではどこに使われている?
これから現場に出る方にとって、図記号と実態を結びつけることは重要です。「漏電遮断器付コンセント」は、主に以下のような場所で使われます。
① 水気のある場所のリフォーム
通常、漏電遮断器は家の分電盤(ブレーカーの箱)の中に親玉として設置されています。しかし、古い建物や特定のリフォーム案件では、分電盤の交換が難しく、かつ水回りのコンセントを増設したい場合があります。
- トイレの温水洗浄便座(ウォシュレット)
- 洗濯機置き場
- 屋外の給湯器周り
こういった場所で、万が一の漏電から人を守るために、コンセント側で個別にガードできるこの器具が選定されます。
② 自動販売機や屋外看板
街中にある自動販売機。雨ざらしになるため漏電のリスクが高い場所です。
もし分電盤の大元の漏電ブレーカーが落ちてしまうと、建物全体が停電してしまう恐れがあります。
それを防ぐため、自動販売機のコンセント部分にこの「EL付」を採用し、「もし自販機が漏電しても、自販機だけが止まる(建物全体には迷惑をかけない)」ように設計することがあります。
これを現場用語で「保護協調をとる」などと言ったりします。
4. なぜ今、この知識が必要なのか?
AIやロボット技術が発達しても、各家庭や現場ごとの複雑な配線状況を判断し、適切な安全器具(今回のようなELコンセント)を選定して取り付ける作業は、人間にしかできません。
特にリフォーム需要が高まる昨今、「古い家の安全性をどう高めるか」という提案において、この「漏電遮断器付コンセント」は非常に重宝するアイテムです。
試験では単なる「記号」として暗記するだけでなく、「感電から人を守る最後の砦」として覚えておいてください。
まとめ
- 漏電遮断器付コンセントの図記号は 「コンセント + EL」。
- ELは Earth Leakage(漏電) の略。
- 役割は 漏電時に自動で電気を遮断すること。
- 「E(接地端子)」や「ET(接地極付接地端子)」と混同しないように注意!
この違いを明確にしておけば、配線図問題で迷うことはありません。
現場の安全を守るプロの電気工事士を目指して、まずはこの一問を確実にモノにしましょう!
