この記事でわかること
・金属管工事で電線の被覆を傷から守る「絶縁ブッシング」の役割と重要性が理解できる
・筆記試験の写真鑑別で頻出する「オレンジ色の樹脂製リング」を確実に識別できるようになる
・ロックナットやコネクタとの施工手順の違いを知り、試験でのひっかけ問題に対応できる
電気工事士の試験勉強を進めていると、金属管工事の章で似たようなリング状の部品がたくさん出てきて混乱することはありませんか。
ロックナット、リングレジューサ、そして今回解説する「絶縁ブッシング」。
これらは見た目は地味ですが、試験では「写真鑑別(この器具の名称は?)」や、「用途(何のために使う?)」を問う問題として非常に高い頻度で出題されます。
特に、添付資料の参考書にもある通り、絶縁ブッシングはTSカップリングやねじなしボックスコネクタと並んで「TOP3に入る重要出題項目」です。
この記事では、電気事故を防ぐための小さな巨人「絶縁ブッシング」について、試験に合格するための知識を余すことなく解説します。
目次 非表示
1. 絶縁ブッシングとは?まずは見た目を覚えよう

まずは試験の「写真鑑別」に対応できるよう、見た目の特徴を覚えましょう。
試験問題の写真として出題される絶縁ブッシングは、多くの場合、特徴的な色と素材をしています。

特徴は「合成樹脂製のリング」
金属製の「ブッシング」も存在しますが、第二種電気工事士試験などで最も狙われるのは、安全性が高いこの「絶縁ブッシング」です。
写真では、半透明のオレンジ色や乳白色、あるいは黒色のプラスチック(合成樹脂)製として登場します。金属の光沢がないのが最大の特徴です。
取り付ける場所
一言でいうと、「金属管の端っこ」です。
電線管(金属管)の中に電線を通し、その管がアウトレットボックスなどに接続される際、管の出口(管端)に取り付けます。
2. なぜ必要なのか?その重要な「役割」

なぜ、わざわざ金属管の端にプラスチックのリングを付けるのでしょうか。
答えは、「電線の被覆(ひふく)を傷つけないため」です。これが最大の理由であり、試験でも問われるポイントです。
金属管の切り口は鋭利な刃物と同じ
電気工事の現場では、金属管を必要な長さに切断して使います。
鉄ノコやパイプカッターで切断した金属管の切り口には、鋭利な「バリ(金属のささくれ)」が残ります。もちろんリーマという道具で面取りを行いますが、それでも金属の端は硬く尖っています。
もし、絶縁ブッシング無しで電線を引っ張ったらどうなるでしょうか。
- 電線を管の中に通す(入線する)際、電線が金属管の切り口に強く擦れる。
- 鋭利な金属の端で、電線の「絶縁被覆(ビニール部分)」が削り取られる。
- 中の銅線(導体)がむき出しになり、金属管に接触する。
- 金属管を通じて電気が漏れる「漏電」や、ショートする「短絡」事故が発生する。
これらを防ぐために、管の出口にクッションの役割を果たす「絶縁ブッシング」を被せるのです。
電気設備の技術基準でも必須
電気工事のルールブックにおいても、金属管工事において電線の被覆を損傷しないように適当な防護装置(ブッシング等)を設けることが定められています。
つまり、プロの電気工事士として「絶対になくてはならない安全装置」なのです。
3. 類似品との違い・使い分け

試験では、よく似た部材と並べて「これは何か?」と問われます。間違いやすい部材との違いを整理しましょう。
vs ロックナット

・ロックナット
ボックスと金属管(コネクタ)を「固定するため」に締め付ける金属製のナットです。
・絶縁ブッシング
電線を「保護するため」に先端に付ける樹脂製のキャップです。
通常、ボックス内では「ロックナットで固定したあと、その上に絶縁ブッシングを付ける」という順番になります。
vs 金属製ブッシング
昔ながらの金属製のブッシングもありますが、現在は絶縁性に優れた合成樹脂製の「絶縁ブッシング」が主流であり、試験でもこちらが重視されます。「絶縁」という言葉がついている通り、電気を通さない素材であることがポイントです。
vs リングレジューサ
・リングレジューサ
ボックスの穴径が管よりも大きい場合に、隙間を埋めるための平たいワッシャー状の金具です。
・絶縁ブッシング
管の先端につけるキャップ状のものです。
4. 実際の施工の流れ(イメージで覚える)

文字だけだと分かりにくいので、施工の順番をイメージしてください。この順番を知っていると、技能試験(実技)の公表問題などの理解も深まります。
- コネクタ接続:金属管の端に「ボックスコネクタ」を取り付ける。
- ボックス挿入:コネクタが付いた金属管を、アウトレットボックスの穴(ノックアウト)に差し込む。
- ロックナット固定:ボックスの内側から「ロックナット」を回して、コネクタをボックスにガッチリ固定する。
- 絶縁ブッシング装着:最後に、ボックス内に飛び出ているコネクタのねじ山に「絶縁ブッシング」をねじ込む。
- 入線:この状態で、ようやく電線を管の中に通す。

このように、電線が通る一番最後の出口で待ち構えて、優しく電線を送り出すのが絶縁ブッシングです。
5. 試験対策:このキーワードが出たら即答しよう

過去問を分析すると、絶縁ブッシングの正解を導くための決まり文句があります。以下のキーワードが問題文や選択肢にあれば、答えは絶縁ブッシングである可能性が非常に高いです。
・「電線の被覆を保護する」
・「電線が傷つかないように」
・「金属管の管端(かんたん)に取り付ける」
・「合成樹脂製」
逆に、「管とボックスを接続する」とあれば「ボックスコネクタ」、「管と管を接続する」とあれば「カップリング」が正解です。
「保護」というキーワードとセットで覚えましょう。
まとめ
電気工事士試験における「絶縁ブッシング」の重要ポイントをおさらいします。
- 見た目:オレンジ色などの樹脂製リング。
- 用途:金属管工事において、管の端(またはボックスコネクタの端)に取り付ける。
- 目的:金属の切り口で電線の絶縁被覆が傷つくのを防ぐ(漏電防止)。
- 重要度:筆記試験の写真鑑別で「TSカップリング」「ねじなしボックスコネクタ」と並んでTOP3に入る超重要部材。
たかが小さなプラスチックの輪っかですが、これがなければ建物が火事になるかもしれない重要な部品です。
「金属管の端には絶縁ブッシング」この合言葉を忘れずに、自信を持って試験に臨んでください。
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