【電気工事士】引止めがいし(引留がいし)とは?DV線の引き留め用途と鑑別問題での見分け方を徹底解説

【電気工事士】引止めがいし(引留がいし)とは?DV線の引き留め用途と鑑別問題での見分け方を徹底解説

この記事でわかること

・引止めがいしの役割とDV線(引込用ビニル絶縁電線)引き留めの仕組み

・電気工事士試験の鑑別問題で頻出する玉がいしやノブがいしとの確実な見分け方

・架空引込線の施工に関する実務知識と過去問対策のポイント

電気工事士の資格取得に向けて学習を進めていると、さまざまな工事用材料が登場します。

今回は、筆記試験の「その他材料」の分野で頻繁に出題される「引止めがいし(引留がいし)」について漏れなく肉厚に徹底解説します。

第一種および第二種電気工事士の鑑別問題では、写真を見て名称や用途を答える問題が定番です。引止めがいしの本来の役割や、間違えやすい類似材料との違いをしっかりと理解して、本番で確実に得点できるようになりましょう。

引止めがいし(引留がいし)

1. 引止めがいしとは?基本的な役割と構造

引止めがいしは、その名前の通り、電線を「引き留める」ために使用される絶縁器具です。

私たちの生活に欠かせない電気は、電柱から架空引込線を通って建物の引込口へと届けられます。この時、空中を渡ってくる電線には、電線自身の重さや風の影響によって常に引っ張られる力(張力)がかかっています。

この強い張力に耐えながら、建物の外壁やスッキリポール(住宅用引込柱)などで電線をガッチリと固定し、屋内の配線に引っ張る力が伝わらないようにするのが引止めがいしの役割です。

また、「がいし(碍子)」は電気を通さない陶磁器や合成樹脂で作られています。金属の金具だけで電線を壁に固定してしまうと、被覆が破れた際に建物の外壁へ漏電して火災に繋がる恐れがあります。引止めがいしを挟むことで、電線と建物を確実に絶縁し、安全を保っているのです。

2. 頻出の組み合わせ!DV線(引込用ビニル絶縁電線)との関係

電気工事士の試験対策として、引止めがいしと必ずセットで暗記すべき電線があります。それが「DV線(引込用ビニル絶縁電線)」です。

DV線の「D」はドロップ(Drop=引き込む)を意味しており、電柱から建物へ電気を引き込むための屋外専用の電線です。

試験問題で「この写真の材料の用途は?」と問われた際、正解となる選択肢には必ずと言っていいほど以下のフレーズが含まれます。

「引込用ビニル絶縁電線(DV線)の引き留めに用いる」

材料の名称だけでなく、何の電線を、どうするための道具なのかを紐付けて覚えておくことが、鑑別問題を攻略する最大のコツです。

3. 鑑別問題対策!他のがいしとの見分け方

試験で受験生が最もつまずきやすいのが、他の「がいし類」との引っかけ問題です。同じ「がいし」という名前がついていても、用途と形状は全く異なります。以下の違いを写真で確実に見分けられるようにしておきましょう。

玉がいし(たまがいし)との違い

玉がいしは、丸いボールのような形をしており、直交する2つの穴が開いているのが特徴です。

用途は「支線の途中に挿入して感電を防止する」ことです。電柱が倒れないように引っ張っているワイヤー(支線)に万が一漏電した際、地面まで電気が流れないように絶縁するための材料です。電線を「引き留める」引止めがいしとは用途が全く異なります。

ノブがいしとの違い

ノブがいしは、キノコのような形をした屋内配線用のがいしです。「がいし引き工事」において、造営材(柱や天井)から電線を浮かせて配線する際に使用されます。

ノブがいしは電線を「支持する(支える)」ためのものであり、引止めがいしのように強い張力で「引っ張って留める」ためのものではありません。

見分けるポイントとして、引止めがいしには、太いDV線を巻き付けてバインド線で縛り上げるための「深いくぼみ(溝)」が外周にあることに注目してください。また、中央には壁面の金具に固定するためのボルトを通す太い貫通穴が開いています。

ピンがいし・懸垂がいし(第一種電気工事士向け)

第一種電気工事士の試験では、高圧配電線路で使われる「ピンがいし」や「懸垂がいし」も登場します。引止めがいしが主に低圧の引込線などでよく使われる比較的小型のものであるのに対し、ピンがいしはヒダが重なったような形状で、電柱の腕金の上に立てて使われます。高圧と低圧での使い分けも意識しておくと、第一種の試験対策として万全です。

4. 現場での施工イメージと関連知識

試験に合格した後、実際に電気工事士として現場に出たときの目線で施工風景をイメージしてみましょう。実務の情景を浮かべることで、知識がより深く定着します。

ストラップ(引込線引留具)との組み合わせ

引止めがいしは単体では壁にくっつきません。まず建物の外壁などの強固な造営材に、「ストラップ」や「引込線引留具」と呼ばれるコの字型の金属金具をネジでしっかりと固定します。その金具の間に引止めがいしを挟み込み、ボルトを貫通させて固定します。試験の鑑別問題でも、がいし単体ではなく金具がセットになった写真が出題されることがあります。

バインド線を使った引き留め

次に、電柱から伸びてきたDV線を引止めがいしの溝に添わせます。ここで、「バインド線」と呼ばれる被覆付きの針金を使用し、DV線と引止めがいしをぐるぐると強固に縛り付けます。これで電線の張力を引止めがいしで完全に受け止めることができます。

最近では、バインド線で縛る手間を省くために、電線を溝にはめ込んでナットを締めるだけで固定できる「樹脂製の引止めがいし」も普及しています。試験の過去問では昔ながらの陶磁器製(白色や茶色)のものが出題されやすいですが、実際の現場では黒色の樹脂製など新しい材料も活躍しています。

まとめ

まとめ

引止めがいしに関する試験対策の重要ポイントを振り返ります。

・用途のキーワードは「引込用ビニル絶縁電線(DV線)」と「引き留め」

・役割は電線の強い張力を受け止め、建物と電線を確実に絶縁すること

・鑑別問題では、支線用の「玉がいし」やがいし引き工事用の「ノブがいし」との違いを写真で見分ける

・現場ではストラップ金具やバインド線と組み合わせて施工される

引止めがいしは、外部から電気を安全に受け取るための最初の関門を守る重要な材料です。試験の過去問を解く際は、材料の写真を見るだけでなく、現場のどこで、何の目的で使われているのかをイメージすることが大切です。

専門用語と用途を正確に結びつけて、本番の試験で確実に得点できるよう準備を進めましょう。