【第二種電気工事士】白熱電球の配線、ビニルコードはOK?NG?熱を持つ器具のコード選びと太さのルールを徹底解説

【第二種電気工事士】白熱電球の配線、ビニルコードはOK?NG?熱を持つ器具のコード選びと太さのルールを徹底解説

記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ

電気工事士の試験では、単に図記号を覚えるだけでなく、「その器具の特性に合わせた材料選びができるか」という安全管理の知識が問われます。

特に照明器具は、LEDが主流になった現在でも、試験では「熱を持つ」昔ながらの照明器具に関する出題が定着しています。なぜなら、熱への対策を間違えると火災などの重大な事故につながるからです。

今回は、配線図問題でよく見かける照明器具と、それに使用するコードの組み合わせに関する問題です。

「熱」と「電線の種類」の関係性を理解しているか、実力をチェックしてみましょう。

【問題】

下図の矢印で示す器具にコード吊りで白熱電球を取り付けたい。使用できるコードと最小断面積の組み合わせとして、正しいものはどれか。

白熱灯の図記号(丸に斜線)とプルスイッチの図記号が描かれた屋内配線図の一部
  1. 袋打ゴムコード:0.75 [mm2]
  2. ゴムキャブタイヤコード:0.5 [mm2]
  3. ビニルコード:0.75 [mm2]
  4. ビニルコード:1.25 [mm2]

答えは決まりましたか?

「コードなら何でも良いのでは?」と思いませんでしたか?

それとも「ビニルコード」という単語に違和感を持ちましたか?

正解がどれか、そしてなぜそのコードを選ばなければならないのか。

プロとして知っておくべき「熱と絶縁被覆」の関係を解説します。

1. ズバリ、正解は?

正解は、選択肢の 1(袋打ゴムコード:0.75 [mm2]) です。

この問題を解く鍵は2つあります。

1つ目は「白熱電球は高温になる」という点。

2つ目は「電線の太さ(断面積)の決まり」です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

問題の正誤と選択肢の図解説の黒板解説

2. なぜ「ビニルコード」ではダメなのか?

選択肢の3と4にある「ビニルコード」は、現在の家電製品で最も一般的に使われているコードです。しかし、今回の問題の対象は「白熱電球」です。

白熱電球は、点灯中に非常に高温になります。

ビニル(PVC)という素材は、熱にあまり強くありません。高温の器具に接触し続けると、被覆が溶けたり硬化してボロボロになったりする恐れがあります。被覆が損傷すれば、ショートや漏電、最悪の場合は火災につながります。

そのため、電気設備の規定では以下のルールがあります。

「熱を出す器具(白熱電球など)には、熱に強いコードを使用すること」

「乾燥した場所で白熱電球など高温になる器具には、原則としてビニルコードを使用してはならない」

熱に強い「ゴム」を選ぶ

そこで選ばれるのが、熱に比較的強い「ゴム」を使用したコードです。

選択肢1の「袋打ゴムコード」は、ゴムの絶縁体の上にさらに繊維で編組(へんそ)被覆が施されており、熱を持つ照明器具の吊り下げ用として適しています。

※ちなみに、最近主流のLED電球や蛍光灯は発熱が少ないため、ビニルコードでも使用可能です。試験では「白熱電球=熱い=ビニルNG」というセットで覚えておきましょう。

3. コードの「太さ」のルール

次に、数字の部分(断面積)に注目します。

選択肢2の「0.5 [mm2]」はなぜ間違いなのでしょうか。

これには、屋内配線における電線の太さの規定が関係しています。

電気設備技術基準の解釈において、低圧屋内配線に使用できる電線の太さは以下のように定められています。

  • 低圧屋内配線(通常): 直径1.6mm以上の軟銅線
  • 小勢力回路(チャイム等): 直径0.8mm以上の軟銅線
  • 電球線・移動電線(コード): 断面積 0.75mm2以上

この問題のような「コード吊り」の場合、断面積は最低でも 0.75mm2 必要です。

そのため、選択肢2の「0.5mm2」は細すぎて規定違反となります。

まとめ:この問題の攻略ポイント

この問題が出たら、以下のフローチャートで判断しましょう。

  1. 器具を見る:図記号は「白熱電球」か?(熱を持つか?)
  2. 材質を見る:熱を持つなら「ビニル」は即消去。「ゴム」などを選ぶ。
  3. 太さを見る:コードの断面積は「0.75mm2以上」あるか確認する。

覚え方のコツ

「白熱電球はアツアツ!ビニルは溶けるからダメ!太さは0.75以上!」

このリズムで覚えておけば、迷わず正解を選ぶことができます。

現場でも、照明器具の熱量と電線の耐熱性を考慮することは、安全を守る基本中の基本です。しっかりと理解しておきましょう。