記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
電気工事の現場では、母屋(おもや)から少し離れたガレージや倉庫へ電気を引きたいという依頼がよくあります。本来であれば、電気を引き込む場所には安全のために「開閉器(スイッチ)」を取り付けるのが原則です。
しかし、一定の条件を満たせば、この開閉器を「省略」しても良いという特例ルールが存在します。
今回は、その条件の中でも特に試験で問われやすい「距離」に関する問題です。
まずは今の実力をチェックしてみましょう。
【問題】
下図矢印で示す電路で引込口に開閉器が省略できないのは、電路の長さが何メートルを超える場合か。

1. 8
2. 10
3. 15
4. 20
答えは決まりましたか?
「あれ、10mだったかな? 20mだったかな?」と迷ってしまうことが多いこの問題。
この数字は、電気設備の技術基準において「安全が確保できる範囲」として明確に定められています。
正解の数字と、なぜその距離なら省略できるのか、その理由をしっかり解説していきます。
1. ズバリ、正解は?
正解は、選択肢の 「3」 です。
つまり、電路の長さが 15メートル を超える場合は、開閉器を省略することができません(逆に言えば、15メートル以下であれば省略可能です)。
この「15m」という数字は、第二種電気工事士試験において非常に重要なキーワードです。

2. なぜ「15m以下」なら省略できるの?
本来、別の建物に電気を送る場合、その入り口で電気を遮断できるように開閉器を設置しなければなりません。これは、倉庫側で漏電などのトラブルがあった際、すぐに電気を止めて母屋への波及を防ぐためです。
しかし、以下の3つの条件がすべて揃った場合は、「母屋にあるブレーカーがすぐに検知して電気を止めてくれるから、わざわざ倉庫側に入り口スイッチを付けなくても安全だろう」と判断されます。
省略できる3つの条件
- 使用電圧が300V以下であること(一般住宅は100Vや200Vなので、これはほぼクリアします)
- 母屋側の過電流遮断器が15A以下(配線用遮断器なら20A以下)であること(小さな電流でトリップする安全なブレーカーがついていること)
- 屋側電路の長さが15m以下であること(母屋から近ければ、トラブルがあっても母屋のブレーカーで確実に保護できる範囲内とみなされます)

この3つ目の条件である「15m」が、今回の問題の正解となる根拠です。
3. 試験対策:覚え方のポイント
この問題が出たとき、迷わず「15」を選べるようにするための覚え方をご紹介します。
「イチゴ(15)」で覚える
少し強引ですが、語呂合わせで覚えてしまうのが一番早いです。
「倉庫へ行くならイチゴ(15m)を持って」
「隣の家までイチゴ(15m)以内」
どのようなイメージでも構いません。「別棟への省略」というキーワードが出たら、すぐに「15」という数字が浮かぶようにしておきましょう。
他の「15」と関連付ける
条件の2つ目に注目してください。「過電流遮断器(ヒューズなど)が15A以下」という条件があります。
- 電流制限も 15 A
- 距離制限も 15 mこのように「15」という数字がリンクしていることに気づくと、記憶に定着しやすくなります(※現在の主流である配線用遮断器の場合は20A以下ですが、基準のベースにある数字の感覚として15を持っておくと便利です)。
4. もし15mを超えてしまったら?
問題文の意図とは逆のケースも考えてみましょう。もし、母屋から倉庫までが20mあった場合はどうなるでしょうか?
この場合は「省略のルール」が適用されません。
したがって、原則通り、倉庫の引込口(雨線内)に「開閉器(スイッチ)」を設置する必要があります。
試験では「省略できるか、できないか」を○×で問う問題や、必要な機器を選ぶ問題が出ることもありますので、「15mを超えたらスイッチ必須」と覚えておきましょう。
まとめ:この問題の攻略ポイント
- 別棟(倉庫・車庫など)への配線で開閉器を省略できる距離は 15m以下。
- 15m を超えたら省略できない(設置が必要)。
- 母屋側のブレーカー容量(20A以下/15A以下)も条件の一つ。
この「15m」のルールは、筆記試験だけでなく、実務においてお客様に「ここに電気を引きたいんだけど」と相談された際にも役立つ知識です。
「距離が近いから簡単に工事できますよ」「ちょっと遠いのでスイッチボックスが必要ですね」と判断できるようになります。

