電気工事士の筆記試験において、法令の問題は知っていれば確実に解ける得点源です。
その中でも「電気用品安全法」は、私たちの身の回りの電気製品の安全を守るための重要な法律であり、試験でも頻出のテーマです。
今回は、電気用品の表示義務や事業者の責任に関する過去問を解説します。
紛らわしい選択肢に惑わされず、確実に正解を選ぶためのポイントを押さえましょう。
記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
まずは、実際に出題された試験問題に挑戦してみましょう。
「誰が」「何を」しなければならないのか、法律のルールを思い出してください。
【問題】
電気用品安全法における電気用品に関する記述として、誤っているものは次のうちどれか。
- 電気用品の製造または輸入の事業を行う者は、電気用品安全法に規定する義務を履行したときに、経済産業省令で定める方式による表示を付すことができる
- 電気用品の製造、輸入または販売の事業を行う者は、法令に定める表示のない電気用品を販売し、または販売の目的で陳列してはならない
- 電気用品を輸入して販売する事業を行う者は、輸入した電気用品に、JISマークの表示をしなければならない
- 電気工事士は、電気用品安全法に規定する表示の付されていない電気用品を電気工作物の設置または変更の工事に使用してはならない
答えは決まりましたか?
選択肢3の「JISマーク」という言葉に違和感を持てたでしょうか?
正解と、なぜそれが誤りなのかを詳しく解説します。
1. ズバリ、正解(誤っている記述)は?
正解は、選択肢の 3 です。
この問題の最大のポイントは、「電気用品安全法で義務付けられている表示は何か?」ということです。

なぜ「3」が間違いなのか?
選択肢3には、「輸入した電気用品に、JISマークの表示をしなければならない」と書かれています。
しかし、電気用品安全法において表示が義務付けられているのは「PSEマーク」であり、JISマーク(日本産業規格)ではありません。
JISマークは製品の品質や性能を示す規格であり、電気用品安全法の法的な表示義務とは異なります。
試験ではこのように、法律の名前とマークの種類をすり替えたひっかけ問題がよく出題されます。「電気用品安全法=PSEマーク」とセットで覚えておきましょう。
2. 他の選択肢はなぜ正しい?(各事業者の義務)
他の選択肢(1、2、4)はすべて正しい記述です。
それぞれの立場でどんな義務があるのか、整理しておきましょう。
1. 製造・輸入事業者の義務(正しい)
メーカーや輸入業者は、製品の検査を行い、国の基準に適合していることを確認した上で、PSEマークを表示することができます(義務を履行した証として表示します)。
特に「輸入業者」も、製造業者と同じく検査と表示の義務を負うことを覚えておいてください。「輸入品だから何もしなくていい」ということはありません。
2. 販売事業者の義務(正しい)
電気店やホームセンターなどの販売業者は、PSEマークがない電気用品を販売したり、売るために店に並べたりしてはいけません。
4. 電気工事士の義務(正しい)
私たち電気工事士にも義務があります。
電気工事を行う際は、必ずPSEマークが付いている電気用品を使用しなければなりません。安全が確認されていない(マークのない)製品を工事に使うことは法律で禁止されています。
3. PSEマークの種類と覚え方
電気用品安全法では、製品の危険度によって2種類のPSEマークを使い分けています。
試験では、このマークの形や区分の違いもよく問われます。
特定電気用品(危険度が高い)
電線、ヒューズ、配線用遮断器、コンセントなど、構造や使用方法から見て特に危険性が高いものは「特定電気用品」に指定されています。
この場合、ひし形のPSEマークを表示します。

特定電気用品以外の電気用品(比較的安全)
上記以外の電気用品(換気扇、ダクトなど)は、丸形のPSEマークを表示します。

この「ひし形」と「丸形」の詳しい区分や、試験でよく出る具体的な品目については、以下の記事でわかりやすく解説しています。合わせて確認しておきましょう。
↓【第二種電気工事士】PSEマークはどっち?特定電気用品の「ひし形」と「丸形」を完全攻略
表示には「3つの情報」が必要
PSEマークを表示する際は、マークだけでなく「誰が責任を持っているか」などの情報も一緒に表示する義務があります。
- PSEマーク(ひし形または丸形)
- 届出事業者名(製造・輸入業者名)
- 登録検査機関名(特定電気用品の場合のみ)
これらが正しく表示されていないと、法令違反となります。
表示義務の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。
↓【第二種電気工事士】特定電気用品のPSEマーク!表示義務がある「3つの情報」とは?
まとめ:この問題の攻略ポイント
- 電気用品安全法のマークは「PSEマーク」。JISマークではない。
- 輸入業者には、PSEマークを表示する義務がある。
- 販売店は、PSEマークがないものを売ってはいけない。
- 電気工事士は、PSEマークがないものを工事に使ってはいけない。
法令の問題は、一度ルールを理解してしまえば迷うことはありません。
「誰が何をしなければならないか」を整理して、自信を持って試験に臨んでください!

