【電気工事士】S形埋込み型照明器具とは?断熱材施工天井の工事ルールとSB・SG・SGIマークの違いを徹底解説

【電気工事士】S形埋込み型照明器具とは?断熱材施工天井の工事ルールとSB・SG・SGIマークの違いを徹底解説

【電気工事士】ダウンライトの施工で火災を防ぐ!S形埋込み型照明器具と断熱材のルール

記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ

近年の住宅は省エネ性能を高めるため、天井裏にたっぷりと「断熱材」が敷き詰められていることが一般的です。

電気工事士として、この断熱材と照明器具(ダウンライト)の関係を正しく理解していないと、最悪の場合、火災事故につながる恐れがあります。

今回は、そんな断熱材施工天井における照明器具の選び方に関する問題です。

表示マークの意味を正しく理解できているか、まずは実力をチェックしてみましょう。

【問題】

写真の照明器具には矢印で示すような表示マークが付されている。この器具の用途として、適切なものは次のうちどれか。

ダウンライトの外観写真と、拡大されたラベルの図。ラベルには「日本照明工業会 SB・SGI・SG形適合品」と書かれている

1. 断熱材施工天井に埋め込んで使用できる。

2. 非常用照明として使用できる。

3. 屋外に使用できる。

4. ライティングダクトに設置して使用できる。


答えは決まりましたか?

写真のマークにある「SB」「SGI」「SG」というアルファベットがヒントです。

これらが何を意味する記号なのか、現場で迷わないためにも確実に覚えておきましょう。

1. ズバリ、正解は?

正解は、選択肢の 1(断熱材施工天井に埋め込んで使用できる) です。

この問題のポイントは、器具に貼られているシール(マーク)です。

ここにある「S形」という言葉は、まさに「断熱材施工(Sekou)に対応した、安全(Safe)な」器具であることを示しています。

【電気工事士】S形埋込み型照明器具とは?断熱材施工天井の工事ルールとSB・SG・SGIマークの違いを徹底解説の問題の正誤と選択肢の図解説の黒板解説

2. 解説:S形埋込み型照明器具とは?

ダウンライトなどの埋込み型照明器具は、天井裏に器具の本体が隠れます。

通常、照明器具は点灯すると熱を持ちますが、もし天井裏に「断熱材」が敷き詰められていた場合、器具が出す熱が断熱材によって逃げ場を失ってしまいます。

そのまま放置すると異常過熱して器具が故障したり、電線が溶けたり、最悪の場合は火災になったりする危険性があります。

そこで登場するのが、【S形埋込み型照明器具】です。

なぜ「S形」なら大丈夫なのか?

S形の器具は、熱を逃がすための独自の構造を持っています。そのため、断熱材や防音材で覆われてしまっても異常過熱せず、安全に使用できるように設計されています。

覚えよう!3つの「S」マーク

試験では、以下の3つのマークが「断熱材施工対応」の証として出題されます。これらは断熱材の工法によって使い分けられます。

SB形、SGI形、SG形の断面図イラスト。断熱材がどのように被さるかの違いを示す図

・SB形(エスビー)

最も性能が高いタイプです。マット状の断熱材だけでなく、綿状の断熱材を吹き込む「ブローイング工法」にも対応しています。「B」はBlowing(ブローイング)のBと覚えましょう。

・SGI形(エスジーアイ)

マット状の断熱材に対応しています。「I」は断熱性能が向上したタイプを示しますが、ブローイング工法には使えません。

・SG形(エスジー)

マット状の断熱材に対応しています。

試験対策としては、細かい工法の違いよりも「Sから始まる記号がついている = 断熱材施工の天井に使ってOK」という大原則を覚えておけば正解できます。

3. 「M形」との違いに注意(やってはいけない工事)

S形と対になる存在として、一般的なダウンライトである【M形(エム形)】があります。

電気工事士として絶対に覚えておかなければならないのは、「断熱材がある天井に、普通のM形ダウンライトをそのまま埋め込んではいけない」というルールです。

もしM形を使用する場合は、以下の対策が必要です。

・断熱材を器具から一定距離(10cm以上など)離して施工する。

・または、専用の防熱ボックスなどを使用する。

現場では、この「離隔距離」を確保するのが手間であるため、最初から断熱材に触れてもOKな「S形」を選ぶのが一般的です。

「M形は断熱材NG」と強く意識しておきましょう。

4. 他の選択肢の解説

なぜ他の選択肢が不適切なのかも確認しておきましょう。

2. 非常用照明として使用できる。

非常用照明には、認定マークやバッテリー内蔵を示す表示(充電モニターランプなど)が必要です。S形のマークは断熱性能を示すものであり、非常用とは無関係です。

3. 屋外に使用できる。

屋外用には「防雨型」や「湿気対策」が施されている必要があります。S形はあくまで「熱」に対する性能表示であり、防水性能を保証するものではありません。

4. ライティングダクトに設置して使用できる。

ライティングダクト用の器具は、ダクトレールに取り付けるためのプラグが付いています。写真は天井に埋め込むタイプ(ダウンライト)なので、形状自体が異なります。

まとめ:この問題の攻略ポイント

・器具のマークに【SB・SGI・SG】があったら、それは【S形】です。

・S形 =【断熱材施工天井】にそのまま埋め込んでOK。

・逆にマークがない【M形】は、断熱材に触れさせてはいけません。

・覚え方は、「S」は施工(Sekou)のS、安全(Safe)のS、とイメージしましょう。

最近の住宅は高気密・高断熱化が進んでおり、天井裏にはほぼ確実に断熱材が入っています。

「ダウンライトを交換したい」という依頼があったときは、必ず器具のマークを確認し、適切なS形器具を選ぶこと。これがプロの電気工事士の仕事です。