この記事でわかること
・電気工事士試験で頻出の「鋼製(ねじなし)電線管(E管)」の特徴と、なぜ現場や試験で重要なのか
・「ねじ頭をねじ切る」という独特な接続方法や、ボンド線省略の条件などの施工ルール
・筆記試験の鑑別問題で問われる工具(リーマ等)や、配線図記号(E19)の完全な覚え方
第一種・第二種電気工事士の試験勉強において、多くの受験生が苦戦するのが「金属管工事」の種類と区別です。
今回は、添付画像のテキストにもある「鋼製(ねじなし)電線管」について解説します。
現場では通称「E管(イーかん)」と呼ばれ、現在の屋内配線工事で最も主流となっている金属管です。
なぜ「ねじなし」なのか? どうやって繋ぐのか?
試験に出るポイントを余すことなく、肉厚に徹底解説します。
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1. 鋼製(ねじなし)電線管とは?

鋼製(ねじなし)電線管は、その名の通り「管の端にねじを切らずに接続できる」金属製の電線管です。
従来の金属管(薄鋼電線管など)は、接続のために専用の工具で管の端に「ねじ山」を刻む必要がありましたが、この「ねじなし電線管」はその手間をなくし、スピーディーな施工を可能にしました。
試験で問われる「3つの特徴」
- ねじ切り不要:切断してそのまま継手(コネクタ)に差し込めます。
- 薄くて軽い:ねじ溝を掘る厚みがいらないため、金属管の中で最も肉薄で軽量です。
- 防錆処理:表面には亜鉛めっきなどが施され、錆びにくくなっています。

2. E管・C管・G管の違いと覚え方(試験の鉄板)

電気工事士試験では、3種類の金属管の違いがよく出題されます。
特に「サイズ(呼び径)の法則」は必須知識です。
種類の比較
- ねじなし電線管(E管)
- 記号:E
- サイズ基準:外径に近い奇数 (19, 25, 31, 39, 51…)
- 特徴:ねじ切り不要。
- 薄鋼(うすこう)電線管(C管)
- 記号:C (Conduit)
- サイズ基準:外径に近い奇数 (19, 25, 31, 39, 51…)
- 特徴:ねじを切って接続する。
- 厚鋼(あつこう)電線管(G管)
- 記号:G (Gas pipe由来)
- サイズ基準:内径に近い偶数 (16, 22, 28, 36, 42…)
- 特徴:最も肉厚で頑丈。屋外や防爆工事に使われる。
覚え方のコツ
「EとCは奇数(外径)、Gだけ偶数(内径)」と覚えましょう。
配線図問題で「E19」や「C19」とあれば金属管、「G16」とあれば厚鋼電線管です。
「E」は「Easy(簡単=ねじなし)」のEと関連付けて覚えると忘れません。
3. 最大のポイント「ねじ頭をねじ切る」施工

ねじなし電線管の最大の特徴は、接続方法にあります。
ここは筆記試験だけでなく、技能試験(特に第一種)や実務でも超重要なポイントです。
接続には「ねじなしボックスコネクタ」を使う
管自体にねじがないので、接続には専用の継手を使います。
- ボックスとの接続:ねじなしボックスコネクタ
- 管同士の接続:ねじなしカップリング

「ねじ切る」とはどういうことか?
これらの継手には、特殊な「止めねじ」が付いています。
施工手順は以下の通りです。
- 管をコネクタの奥までしっかり差し込む。
- 止めねじをドライバーやスパナで締め付ける。
- さらに強く締め込んでいくと…
- 一定の力で、ねじの頭部が「チンッ」という音と共にポロリと折れる(ねじ切れる)。

なぜ頭をねじ切るのか?
これには2つの重要な理由があります。試験で問われるのはここです。
- 確実な固定の証明頭が取れるまで締めることで、メーカーが規定した「最適な固定力(トルク)」で施工されたことが保証されます。
- 電気的な接続(ボンディング効果)止めねじの先端は鋭く尖っており、強く締め込むことで管の表面塗装や被膜を突き破り、金属管とコネクタが電気的に一体化(導通)します。これにより、漏電した際にアースとしての役割を果たせるようになります。
【試験のひっかけポイント】
ねじなし電線管の場合、この「ねじ切り」を確実に行えば、管とボックス間の「ボンド線(アース線)」を省略することができます。
(※ただし、管の結合が確実でない場合や、可とう電線管など他の管の場合は省略できません)
4. その他に覚えるべき施工ルールと工具

施工に使う工具
金属管工事の鑑別問題でよく出る工具セットです。
- 切断:金切りのこ、パイプカッター
- バリ取り:クリックボール + リーマ
- 金属管を切ると切り口が鋭利になります。そのまま電線を通すと被覆が傷つくため、必ずリーマで内側の面取りを行います。
- 曲げ加工:パイプベンダ
- テコの原理を使って、管を足で踏んで曲げます。

支持点間の距離
配管を壁や天井に固定するサドルの間隔は、2m以下です。
(合成樹脂管は1.5m以下なので、金属管の方が丈夫で長く飛ばせると覚えましょう)
管の端には「絶縁ブッシング」
施工の最後、ボックスの内側に出てくる管の端には、必ず絶縁ブッシング(プラスチック製の保護キャップ)を取り付けます。これも電線保護のため必須です。
5. 配線図記号の読み解き方

配線図問題(単線図)では、以下のように表記されます。
表記例: IV 1.6 (E19)
この記号の意味を分解すると:
- IV:中を通す電線は「600Vビニル絶縁電線」。
- 1.6:電線の太さは「1.6mm」。
- E19:それらを収める保護管として「ねじなし電線管のサイズ19mm」を使用する。
注意点:
金属管工事では、放熱性と施工性の観点から、VVFケーブル(グレーの被覆の平型ケーブル)ではなく、絶縁電線(IV線など)を使用するのが原則です。「金属管=IV線」のセットで覚えておくとスムーズです。
まとめ
鋼製(ねじなし)電線管(E管)は、電気工事士試験において絶対に落としてはいけない得点源です。
- 記号:E
- サイズ:外径基準の奇数(E19, E25…)
- 施工の合言葉:「ねじ頭は、ねじ切れるまで回す!」
- 必須処理:切断後はリーマで面取り、管端には絶縁ブッシング。
この「ねじなし」というキーワードが出たら、「手間なし、ラクラク、頭をポロリ」の施工風景をイメージしてください。
この知識があれば、筆記試験の材料選びも、技能試験の施工判断もバッチリです。
電気工事に関する用語をもっと知りたい場合は「テニショク図鑑」を御覧ください
↓ねじなし電線管の解説はこちら↓
https://faq.tenisyoku.com/faq/materials#screwless-steel-conduit

