【電気工事士】工事用材料「ライティングダクト」を徹底解説!図記号・施工条件・接地工事の過去問対策

【電気工事士】工事用材料「ライティングダクト」を徹底解説!図記号・施工条件・接地工事の過去問対策

この記事でわかること

  • ライティングダクトの図記号(LD)と配線器具としての基本構造
  • 試験で狙われる施工ルール(支持点間距離2m以下、開口部の下向き設置、貫通禁止など)
  • D種接地工事の省略条件(長さ4m以下など)と周辺部品の名称

今回は、店舗のディスプレイ照明や一般住宅のダイニングなどで大活躍している工事用材料「ライティングダクト」に関する解説です。

第一種・第二種電気工事士の試験において、工事用材料(その他材料)や施工方法の分野で頻出のテーマとなっています。

一見するとただのレールに見えますが、内部には電気が流れる導体がむき出しで通っているため、プロとして絶対に守らなければならない安全上の施工ルールが細かく定められています。

なぜそのルールがあるのかという「理由」とセットで覚えることで、過去問の引っかけ問題にも惑わされなくなります。試験合格に向けて、漏れなく徹底解説していきます。

ライティングダクト

■ 1. ライティングダクトとは?(基本構造と図記号)

ライティングダクト(別名:ライティングレール、ダクトレール)とは、スポットライトなどの照明器具や専用のコンセントを接続できる、溝の形をした配線器具のことです。

レールの内側には電気を供給するための導体が通っており、照明器具をダクト上の好きな位置にカチッと取り付けて、自由に移動させることができます。

照明のレイアウト変更が多いアパレル店舗やカフェなどで重宝されており、電気工事の現場でも施工する機会が非常に多い材料です。

まずは配線図問題で出題される「図記号」を押さえましょう。

ライティングダクトの図記号は、配線の線の横にアルファベットが添えられます。これは「Lighting Duct」の頭文字です。

図記号に「LD」と書かれているのを見ただけで「あ、ライティングダクトだ」と瞬時に判断できるようになることが、過去問攻略の第一歩です。

■ 2. 筆記試験で頻出!絶対に覚えるべき施工ルール5選

電気工事士の筆記試験において、ライティングダクトの施工ルールは引っかけ問題の定番です。以下の5つのポイントは必ずマスターしておきましょう。

【ルール1:支持点間の距離は「2m以下」】

ダクトを天井などに固定する際、ビス等で留める間隔(支持点間距離)は「2m以下」と定められています。

ライティングダクトには複数の照明器具がぶら下がるため、かなりの重量がかかります。間隔が広すぎるとダクトがたわんだり落下したりする危険があるため、しっかりと細かく固定する必要があります。合成樹脂管などの間隔(1.5m以下)と混同しないように注意してください。

【ルール2:開口部は原則「下向き」】

ダクトの溝(開口部)は、原則として「下向き」に取り付けなければなりません。

なぜ下向きなのかというと、ホコリ(じんあい)やゴミが溝の中に溜まるのを防ぐためです。もし上向きに取り付けてしまうと、溝の中にホコリが降り積もり、そこに湿気が加わるとショートやトラッキング現象による火災の原因になります。

ただし例外として、人が容易に触れない場所であり、なおかつ簡易接触防護措置を施して内部にホコリが入らないようにした場合は「横向き」での施工も認められます。上向きは絶対にNGと覚えておきましょう。

【ルール3:終端部はエンドキャップで「閉そく」する】

ダクトの端っこ(終端部)は、導体がむき出しにならないようエンドキャップという専用の部品を取り付けて「閉そくする(塞ぐ)」必要があります。

終端部が開いたままだと、人が誤って指などを入れて感電する危険があるためです。金属ダクト工事などと同じく、感電防止のための重要ルールです。

【ルール4:造営材の「貫通は禁止」】

ライティングダクトを、壁や天井などの造営材を貫通して施設してはいけません。

壁の内部など目に見えない場所(隠ぺい部)にダクトを通してしまうと、万が一接続部が緩んだり発熱したりした時に点検ができず、火災につながる恐れがあるからです。部屋をまたぐ場合は、ダクトを一度途切らせて、ケーブル等の配線で壁を貫通させてから再度ダクトに接続します。

【ルール5:施工できる場所は「展開した場所」か「点検できる隠ぺい場所」】

ライティングダクトは、乾燥した「展開した場所(見えている場所)」および「点検できる隠ぺい場所(天井裏の点検口の近くなど)」でのみ施工可能です。水気のある場所や、点検できない隠ぺい場所には施設できませんので、問題文の条件に注意しましょう。

■ 3. 引っかけ注意!接地工事と漏電遮断器のルール

ライティングダクトは導体が内部に露出している構造上、漏電による感電リスクが高い配線器具です。そのため、接地(アース)と漏電遮断器に関する細かな条件が試験でよく問われます。

【原則は「D種接地工事」】

ライティングダクトは使用電圧が300V以下で使用されるため、金属製のダクト本体には原則として「D種接地工事」が必要です。

【特例:D種接地工事を「省略」できる条件】

試験ではこの接地工事を「省略できる条件」が非常によく問われます。以下のどちらかを満たせば省略可能です。

・条件A:合成樹脂などの絶縁物で、金属製部分をすっぽり被覆したダクトを使用する場合。

・条件B:対地電圧が150V以下であり、かつダクトの長さが「4m以下」の場合。

試験の選択肢で「対地電圧100V、長さ5mのライティングダクトで接地工事を省略した」とあれば、長さが4mを超えているため「不適切な施工」と見抜くことができます。複数のダクトを接続して使用する場合は、その全長が「4m以下」である必要があります。この「4m」という数字は超重要キーワードです。

【漏電遮断器の設置義務】

ライティングダクトに電気を供給する電路には、原則として「漏電遮断器」を設置しなければなりません。誰でも触れる可能性があるため、漏電を素早く検知して電気を遮断する仕組みが必須となります。

■ 4. 構成部品の名称と役割

筆記試験の写真・名称当て問題でよく出題されるのが、ライティングダクトの周辺部品(その他材料)です。それぞれの役割をしっかりと結びつけて覚えましょう。

・フィードインボックス(フィードインキャップ)

ライティングダクトの端に取り付け、電源線(ケーブルなど)を接続してダクト内部に電気を送り込むための入り口となる部品です。

・エンドキャップ

前述した通り、ライティングダクトの終端部に取り付け、充電部が露出しないようにふさぐためのキャップです。

・ジョインタ

ダクト同士を接続して延長するための部品です。真っ直ぐつなぐ「直線ジョインタ」のほか、角を曲がるための「L形ジョインタ」、分岐させるための「T形ジョインタ」や「十字形ジョインタ」などがあります。

■ まとめ

ライティングダクト工事について、試験で問われる重要ポイントをおさらいします。

  • 図記号は「LD」
  • 支持点間距離は「2m以下」
  • 開口部は原則「下向き」(ホコリよけができれば横向きも可、上向きは絶対ダメ)
  • 終端部はエンドキャップで「閉そくする」
  • 造営材を「貫通してはいけない」
  • 施工場所は「点検できる」場所のみ
  • 対地電圧150V以下で長さ「4m以下」ならD種接地工事を省略可
  • 原則「漏電遮断器」を施設する

これらのルールは、すべて「感電」や「火災」を防ぐための理由から成り立っています。なぜそうしなければならないのかという現場の安全意識を想像しながら学習を進めることで、知識がより定着しやすくなります。

第一種、第二種電気工事士の試験合格に向けて、このライティングダクトの項目は確実に得点源にしていきましょう!