【第二種電気工事士】フロアダクト工事の接地は省略できる?金属線ぴ・各種ダクトの施工ルールを徹底解説

【第二種電気工事士】フロアダクト工事の接地は省略できる?金属線ぴ・各種ダクトの施工ルールを徹底解説

電気工事士の試験勉強を進めていく中で、多くの受験生が頭を悩ませるのが「接地工事(アース)の省略条件」です。

「金属管は4m以下なら省略できるんだっけ?」

「乾燥した場所なら全部OK?」

「フロアダクトはどうだっけ?」

このようにルールが曖昧になっていませんか?

実は、工事の種類によっては「どんな場合でも接地を省略できない」という厳しいルールが存在します。ここを勘違いしていると、試験で痛い目を見ることになります。

今回は、各種ダクト工事の中でも特に注意が必要な「フロアダクト工事」を中心に、金属線ぴ工事との違いや、試験でよく問われるポイントを解説します。

実践!過去問チャレンジ

以下の問題は、電気工事士2種の筆記試験で実際に出題された内容をベースにしています。

不適切なもの(やってはいけない工事)を1つ選んでください。

【問題】

使用電圧100Vの低圧屋内配線工事で、不適切なものは次のうちどれか。

  1. ケーブル工事で、ビニル外装ケーブルとガス管が接触しないように施設した
  2. フロアダクト工事で、ダクトの長さが短いのでD種接地工事を省略した
  3. 金属管工事で、ワイヤラス張りの貫通箇所のワイヤラスを十分に切り開き、貫通部分の金属管を合成樹脂管に収めた
  4. 合成樹脂管工事で、その管の支持点間の距離を1.5mとした

答えは決まりましたか?

「短いから省略してもいいのでは?」と思った方は要注意です。

次で正解と詳しい解説を見ていきましょう。

正解と解説

正解(不適切なもの)は、 2 です。

なぜ「2」が不適切なのか、そして他の選択肢がなぜ適切なのかを順に解説します。ここが今回の最重要ポイントです。

なぜフロアダクト工事の接地省略はNGなのか?

選択肢2には「フロアダクト工事で、ダクトの長さが短いのでD種接地工事を省略した」とありますが、これが誤りです。

電気設備の技術基準において、フロアダクト工事ではD種接地工事を省略することができません。

  • たとえダクトが短くても省略不可
  • たとえ乾燥した場所でも省略不可
  • 使用電圧が低くても省略不可

これは非常に強いルールです。

理由は、フロアダクト工事が「床下のコンクリート内」に行われる工事だからです。床は人が歩く場所であり、清掃などで水気を含む可能性も高く、万が一漏電した際に人が感電するリスクが壁や天井よりも高いと考えられています。そのため、安全を最優先して「例外なくアース(接地)をとる」ことが義務付けられています。

試験では「短いから」「乾燥しているから」という甘い言葉で誘惑してきますが、「フロアダクト=接地は絶対!」と覚えておきましょう。

フロアダクトの施工断面図やジャンクションボックスの図(ブランク)

金属線ぴ工事との違いを整理しよう

今回のテーマには「金属線ぴ工事」も含まれています。フロアダクト工事と混同しやすいので、ここで違いを整理しておきましょう。

金属線ぴ(メタルモールなど)は、壁面や天井面に露出して配線カバーとして使われることが多い材料です。こちらはフロアダクトとは違い、条件を満たせば接地工事を省略できます。

金属線ぴ工事・金属管工事の接地省略条件

金属管、金属可とう電線管、金属線ぴ工事などは、以下の条件でD種接地工事を省略可能です。

  • 長さが4m以下の場合条件なしで省略可能
  • 長さが8m以下の場合「乾燥した場所」かつ「対地電圧150V以下(または接触防護措置あり)」であれば省略可能

比較まとめ

工事の種類接地工事の省略覚え方のポイント
フロアダクト工事絶対に省略できない床下は危険!例外なし
金属線ぴ工事条件により省略「可」4m以下ならOK、乾燥していれば8m以下もOK
金属管工事条件により省略「可」(金属線ぴと同様)

この違いを明確にしておくことが合格への近道です。

その他の選択肢の解説

他の選択肢はすべて「適切な工事」です。現場でも使われる正しい知識ですので、合わせて覚えておきましょう。

1. ケーブル工事とガス管(適切)

ケーブルとガス管は「接触しないように」施設する必要があります。昔の規定では具体的な離隔距離が定められていましたが、現在は「接触しなければ良い」とされています。したがって、この記述は適切です。

3. 金属管とワイヤラス壁(適切)

「ワイヤラス」とは、モルタル壁の下地に使われる金属の網のことです。もし金属管がこの網に触れた状態で漏電すると、壁中の網全体に電気が流れてしまい、火災の原因になります。

そのため、貫通部分は絶縁性のある「合成樹脂管(VE管など)」に収めて、金属同士が触れないようにするのは非常に重要で適切な処置です。

4. 合成樹脂管の支持点間距離(適切)

VE管などの合成樹脂管工事では、管を固定する支持点(サドルなど)の間隔を 1.5m以下 にする必要があります。選択肢の「1.5mとした」は規定通りであり、適切です。

ちなみに金属管の場合は2m以下です。合成樹脂管の方が柔らかいため、より細かく固定する必要があるとイメージしましょう。

まとめ

第二種電気工事士の筆記試験では、このような「例外規定」や「やってはいけないこと」が頻出です。

今回の記事の要点は以下の3つです。

  1. フロアダクト工事は、D種接地工事を絶対に省略できない。
  2. 金属線ぴ工事や金属管工事は、4m以下などの条件で省略できる場合がある。
  3. 接地省略の可否は「工事の種類」と「場所」で決まる。

特に「フロアダクト」という単語が出たら、「接地省略不可」というキーワードを即座に思い出せるようにしてください。これだけで、引っかけ問題を回避して1点を確実にゲットできます。