記事を読む前に!この記事でわかること
電気工事士の試験勉強をしていると、金属管工事の中で「薄鋼(うすこう)」や「厚鋼(あつこう)」、「ねじなし」といった種類が出てきて混乱することはありませんか?
特に、材料写真を見て名称を答える鑑別問題や、配線図の記号を読み取る問題では、これらの違いを明確に理解していないと失点してしまいます。
この記事では、金属管工事の基本となる「薄鋼電線管」について、試験に出るポイントを漏れなく、解説します。
「C管=奇数」という黄金ルールや、施工に必要な数値まで、これを読めば金属管の問題は得点源に変わります!
1. 薄鋼電線管(C管)の基本スペック

薄鋼電線管(Thin Wall Steel Conduit)は、その名の通り肉厚が薄い鋼(スチール)で作られた電線管です。
建物の中(屋内配線)で、電線を保護するために広く使われています。
現場での呼び名と特徴
この電線管は、JIS規格の記号から「C管(シーかん)」と呼ばれるのが一般的です。
試験で問われる最大の特徴は以下の2点です。
- 管の両端に「ねじ」が切ってある
- 表面は亜鉛めっきなどでサビ止め処理されている(銀色)
似ている管との決定的な違い
試験では、見た目がそっくりな「ねじなし電線管(E管)」との違いがよく問われます。
- 薄鋼電線管:両端にねじ山がある(カップリングを回してねじ込む)
- ねじなし電線管:両端にねじ山がない(ねじを切らずに専用のねじで固定する)
写真問題が出たら、管の端っこをよく見て「ギザギザ(ねじ山)」があるかを確認しましょう。

2. 試験で絶対に出る!「サイズ」と「呼び方」の法則

電気工事士試験の筆記問題で、最も重要なのが「サイズの数字」に関するルールです。
ここを覚えるだけで、選択肢を2つまで絞れることもあります。
基準は「外径」で「奇数」
薄鋼電線管のサイズ(呼び径)は、管の「外径(外側の直径)」に近い数字で表されます。
そして、その数字は基本的に「奇数」です。
【薄鋼電線管の主要サイズ】
19, 25, 31, 39, 51, 63, 75 (mm)
試験対策の合言葉は、「薄い(C)のは外見(外径)が大事で、奇数」です。
厚鋼電線管(G管)との比較
一方で、肉厚が厚い「厚鋼電線管(G管)」は、管の「内径」が基準で、数字は「偶数」になります。
【比較表】
- 薄鋼電線管(C管):奇数(19, 25, 31…)|外径基準
- 厚鋼電線管(G管):偶数(16, 22, 28…)|内径基準
「19mm」と書いてあったら薄鋼、「16mm」と書いてあったら厚鋼です。この違いは鉄板の出題ポイントです。
3. 配線図記号の読み解き方
配線図問題では、電線管の種類とサイズが記号で指定されます。
添付画像のテキストにもあるような表記を見てみましょう。

記号の解読手順
例えば、図面に「IV 1.6 (19)」と書かれていた場合、以下のように読み解きます。
- IV 1.6:中を通す電線は、600Vビニル絶縁電線(IV線)の1.6mm。
- (19):電線管のサイズは19mm。
ここで「19」という数字を見て、「お、奇数だ!」と反応できれば合格レベルです。
「奇数 = 薄鋼電線管(またはねじなし電線管)」と判断できます。
もしこれが「(16)」なら、厚鋼電線管(またはVE管などの偶数サイズ管)となります。
ちなみに、ねじなし電線管を指定する場合は「E19」のように「E」が付くことが多いですが、単に「(19)」とだけある場合は薄鋼電線管を想定するのが基本です。
4. 金属管工事の施工ルール(重要数値まとめ)

薄鋼電線管を含む金属管工事には、安全のために守るべき施工ルールがあります。
これらは筆記試験の「不適切なものはどれか?」という問題で頻出です。
① 支持点間の距離は「2m以下」
電線管を壁や天井に固定する際(サドル留めなど)、その間隔は「2m以下」にする必要があります。
合成樹脂管(VE管)の「1.5m以下」と混同しないように注意しましょう。金属管の方が丈夫なので、少し長く飛ばせると覚えましょう。
② 屈曲半径は「内径の6倍以上」
管を曲げる(ベンダ加工する)ときは、中の電線が傷つかないよう、緩やかに曲げる必要があります。
具体的には、曲げ半径を「管内径の6倍以上」にします。
③ ボックス内での接続
原則として、電線管の中で電線同士をつないではいけません。
接続点は必ずアウトレットボックスやジョイントボックスの中で設ける必要があります。
④ 接地工事(アース)
金属管は電気を通すため、漏電時の感電防止として接地工事が必須です。
- 300V以下:D種接地工事
- 300V超:C種接地工事
ただし、以下の条件を満たす場合はD種接地工事を省略できます(ここもよく出ます!)。
- 乾燥した場所で、管の長さが4m以下の場合。
- 対地電圧150V以下で、乾燥した場所または簡易接触防護措置を施し、管の長さが8m以下の場合。
⑤ 木造住宅での制限
参考記事にもある通り、木造住宅の「屋側電線路(家の外壁など)」では、金属管工事は原則としてNG(不適切)とされることが多いです。これは漏電による火災リスクを避けるためです。
ただし、「屋内配線」であれば、適切な絶縁や接地を行えば施工可能です。試験では「木造の屋側 = 金属管NG」のパターンを警戒してください。
5. 薄鋼電線管工事に使う工具

最後に、鑑別問題対策として「工具」をセットで覚えましょう。
- 金切りのこ、パイプカッタ:管を切断する。
- クリックボール + リーマ:切断した管の内側のバリを取る(面取り)。
- パイプベンダ:管を曲げる。
- パイプねじ切り器(リード型):管の端にねじを切る。
- パイプレンチ、ウォータポンププライヤ:カップリングやロックナットを締め付ける。
特に「薄鋼電線管にはねじ切り器が必要」という点が、ねじなし電線管との最大の違いです。
まとめ:薄鋼電線管を攻略する3つの鍵
- 名称は「C管」、サイズは「奇数(19, 25…)」で「外径」基準。
- 見た目は「両端にねじがある」のが特徴。
- 施工は「支持2m以下」「曲げ6倍」「接地工事が必要」。
薄鋼電線管は、電気工事士として現場に出ても必ず触れる基本的な材料です。
「C19」や「C25」という数字を見たら、すぐに「ああ、あの銀色のパイプで、ねじを切るやつだな」とイメージできるようにしておきましょう。
この知識があれば、筆記試験も技能試験も怖くありません!

