記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
まずは実力試しです。第二種電気工事士の試験問題(配線図)において、以下の問いに正解できるかチェックしてみましょう。
【問題】
次の図記号1〜4のうち、「小型変圧器」を示すものはどれでしょう?
答えは決まりましたか?
正解がどれか、なぜその答えになるのか、これから詳しく解説していきます。
自信を持って答えられた方も、少し迷った方も、このまま読み進めて「確実に1点取れる知識」にしてしまいましょう!
電気工事士の勉強を始めると、似たような丸い図記号がたくさん出てきて「どれがどれだっけ?」と混乱することがありますよね。
特に、これから未経験で電気業界へ飛び込もうとしている方にとって、普段馴染みのない機器の名前を覚えるのは大変な作業です。
今回は、配線図問題で意外と出題される「小型変圧器(トランス)」について解説します。
この器具は、私たちの生活の「ある身近な音」を鳴らすために欠かせない存在です。
図記号と役割、そして現場でのリアルな使われ方をセットで覚えて、試験の得点源にしてしまいましょう!
1. ズバリ、この図記号は何?
先ほどのクイズの答え合わせです。
配線図で以下の記号が出てきたら、何を表しているでしょうか?
Ⓣ

正解:小型変圧器(チャイム用変圧器)
円の中に「T」と書かれているので、英語の Transformer(トランスフォーマー/変圧器) の頭文字と覚えましょう。
クイズの選択肢 「1」 が正解でした!
試験での定義(重要)
ご提示いただいた画像の説明文が、そのまま試験の正誤判定や鑑別問題の答えになります。
「交流電圧の使用電圧を60V以下に降圧する変圧器です。小勢力回路に使用されます。」
ここでのキーワードは以下の2つです。
- 降圧(こうあつ): 電圧を下げること(AC100V → AC60V以下)。
- 小勢力回路(しょうせいりょくかいろ): インターホンやチャイムなど、弱い電気で動く回路のこと。
写真鑑別問題では、画像のような四角い箱型の器具が出題されます。「AC100V」と入力側にかかれ、出力側に「6V」「10V」などの低い電圧端子があるのが特徴です。
2. 試験によく出る!「セット」で覚える重要回路
現場では用途はいくつかありますが、第二種の配線図問題ではチャイム(押しボタン)周りで出題されやすいので、まずはそのセットで覚えるのが得です。
必ず「何かを鳴らす」ために使われます。試験の配線図では、以下の黄金セットを探してください。
- 押しボタン
- 玄関先にあるピンポンを押すボタンです。
- チャイム・ベル
- 「ピンポーン」と鳴るスピーカーや、「ジリリリ」と鳴るベルです。
【回路のイメージ】
家庭用のコンセントに来ている電気は100Vです。しかし、玄関のチャイムのような単純な機械に100Vをそのまま流すと強すぎて危険ですし、機械が焼き切れてしまいます。
そこで、このⓉ(小型変圧器)を間に挟むことで、100Vの電気を6V・8V・10Vなどに降圧し、チャイムやベルを動かします。
覚え方:
「Ⓣ(トランス)を通れば、ビリビリ(100V)しない優しい電気(小勢力)になる」
3. 試験でここだけは注意!ひっかけポイント
冒頭のクイズで選択肢にあったように、「T」が入る記号は他にもあります。試験で混同しやすいものを整理しておきましょう。
- Ⓣ (文字のみ): 小型変圧器 ← 今回の主役!

- Ⓣ に「R」の添字: リモコン変圧器
- これは照明などを遠隔操作(リモコン配線)するときに使う変圧器(24V)です。(RemoteのR)
- Ⓣ に「N」の添字: ネオン変圧器
- ネオン管を光らせるための変圧器です。(NeonのN)
- TS : タイムスイッチ
- 設定した時間にオンオフするスイッチです。(Time SwitchのTS)
- Ⓣ に「B」の添字: ベル変圧器
- 呼び鈴(ベル用)の変圧器です。(BellのB)
見分けるコツ:
配線図を見て、近くに「チャイム」や「押しボタン」があれば、それは間違いなく無印のⓉ(小型変圧器)です。
4. 実際の現場ではどこに使われている?
「変圧器」なんて見たことない、と思うかもしれませんが、実は多くの家庭の天井裏や分電盤の近くに隠れています。
昭和〜平成初期の住宅
「ピンポーン」と2音だけ鳴るシンプルなチャイムがついている家には、必ずこのトランスが設置されています。多くの場合、ブレーカーのある分電盤の近くや、廊下の天井付近の高い位置に設置されています。
現場仕事でのリアル(リフォーム・交換工事)
最近はカメラ付きインターホン(ドアホン)が主流です。
カメラ付きドアホンは、親機自体が100V電源を直接つなぐタイプや、コンセントから電源を取るタイプが多いです。
そのため、古いチャイムから最新のカメラ付きドアホンへ交換するリフォーム工事(電気工事士の資格が必要)では、「既存のチャイムトランス(Ⓣ)を切り離して、100V電源を直接ドアホンに持っていく」という作業が頻繁に発生します。
「あ、これが図記号で勉強したⓉか!」と現場で気づく瞬間です。
制御盤の内部
工場やビルの設備管理(ビルメン)の仕事では、制御盤の中でこのトランスによく出会います。
モーターを動かす電気は200Vなどの高電圧ですが、スイッチを押す手元の操作回路まで200Vが来ていたら漏電した時に命に関わります。
そのため、操作する人間が触れるスイッチ部分は、トランスで電圧を落として安全を確保しているのです。
まとめ
- 図記号 Ⓣ は 小型変圧器。
- 役割は AC100Vを60V以下(小勢力回路)に下げる こと。
- 配線図では 「押しボタン」 や 「チャイム」 とセットで登場する。
この3点を押さえておけば、小型変圧器の問題は確実に正解できます。
電気工事士の仕事は、目に見えない電気をコントロールして、安全に使える形に変えてあげることです。このトランスは、まさにその「安全」を作り出す基本のキと言える器具です。



