記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
電気工事士の試験において、施工技術と同じくらい重要なのが「検査」の知識です。
工事が終わった後、電気が安全に使える状態になっているかを確認するこのプロセスは、筆記試験でも毎年必ず問われる重要テーマです。
今回は、添付のテキストにもある「導通試験の目的」に関する過去問と、それを含む「竣工検査全体の正しい手順」についての解説です。
現場での作業フローをイメージしながら、まずは問題を解いてみましょう。
【問題】
導通試験の目的として、誤っているものは次のうちどれか。
1.充電の有無を確認する
2.器具への結線の未接続を発見する
3.回路の接続の正誤を判別する
4.電線の断線を発見する
答えは決まりましたか?
「全部正しそうに見えるけど……」と迷った方は要注意です。
それぞれの試験には明確な役割分担があります。
現場で使う測定器の違いをイメージしながら、正解を見ていきましょう。
1. ズバリ、正解(誤っている記述)は?
正解は、選択肢の 1(充電の有無を確認する) です。
これがなぜ誤り(導通試験の目的ではない)なのでしょうか?
理由は明確です。
・導通試験は、電気が通っていない状態(停電状態)で、電線がつながっているかを確認する試験です。
・充電の有無(電気がきているかどうか)を確認するのは、検電器を使って行う「検電」の役割です。
試験対策として、「導通試験=電気を通す前のチェック」「充電確認=検電器」と区別しておきましょう。

その他の選択肢(正しい目的)
導通試験は、回路計(テスタ)などを使って行います。以下の3点は、まさに導通試験でチェックすべき項目です。
・2.器具への結線の未接続を発見する
スイッチやコンセントに電線がしっかり差し込まれているか、ネジの締め忘れがないかを確認します。
・3.回路の接続の正誤を判別する
図面通りに配線がつながっているか、スイッチを入れたら正しい照明が点灯する回路になっているかを確認します。
・4.電線の断線を発見する
工事中に電線を傷つけてしまい、被覆の中で銅線が切れていないかを確認します。
2. 試験によく出る!「竣工検査」の正しい手順
さて、今回の問題は導通試験についてでしたが、第二種電気工事士の試験では、この検査を行うタイミング(順番)が非常によく問われます。
工事が完了した際に行う検査を「竣工検査(しゅんこうけんさ)」と言います。
この手順には、安全確保のための鉄則があります。

鉄則:まずは「目で見る」ことから
一般用電気工作物の検査手順は、以下の通りです。
【手順1:目視点検】
最初に行うのがこれです。
配線器具が正しく取り付けられているか、材料が法令に適合しているか、電線の被覆に傷がないかなどを目で見て確認します。測定器を使う前に、明らかな施工ミスがないかをチェックします。
【手順2:絶縁抵抗測定】 または 【接地抵抗測定】
ここがポイントです。
・絶縁抵抗測定:電気が漏れていないか(絶縁性能)を確認
・接地抵抗測定:アースが正しく機能しているかを確認
この2つは、どちらを先に行っても構いません。ただし、必ず電気を通す(受電する)前に行います。
【手順3:導通試験】
絶縁や接地の安全が確認できたら、回路が正しくつながっているかを確認します。ここで先ほどの問題に出てきた「断線」や「誤接続」のチェックを行います。
【手順4:通電試験】
全ての検査で異常がないことを確認して初めて、ブレーカーを上げて電気を流します。実際に機器が使えるかを確認します。
試験での覚え方
試験では「検査の正しい順序はどれか?」という問題がよく出ます。以下のポイントを押さえましょう。
・「目視点検」が必ず最初!
・「絶縁」と「接地」の順番は入れ替えOK!
・その後に「導通試験」!
この流れを覚えておけば、並び替え問題でも迷わずに正解を選べるようになります。
3. 「竣工検査」と「定期検査」の違い
最後に、もう一つ試験で狙われやすいポイントが検査の種類です。
今回解説した、工事が終わった直後に行うのが竣工検査。
それに対して、使用開始後に定期的(数年に1回)に行うのが定期検査です。
・竣工検査:工事の完成時(新設・増設など)に行う
・定期検査:使用開始後、4年に1回以上の頻度で行う
試験では「定期検査は4年に1回」という数字が頻出です。こちらも合わせて覚えておきましょう。
まとめ:安全を守る「最後の砦」
今回は、竣工検査の手順と導通試験の目的について解説しました。
・導通試験:配線の断線や誤接続を見つけるのが目的。「充電の確認」ではない。
・検査の手順:目視点検 → 絶縁・接地抵抗測定(順不同) → 導通試験。
電気工事士の仕事は、工事をして終わりではありません。「安全に電気が使える状態か」を確認するまでが仕事です。
この検査手順は、試験対策としてだけでなく、将来現場に出たときにも必ず役立つ知識ですので、しっかりとマスターしておきましょう!

