記事を読む前に!実践・過去問チャレンジ
電気工事の現場において、最も基本的かつ重要な作業の一つが「電線の接続」です。
電線同士をつなぐこの作業は、一歩間違えると「断線」や「発熱」、「火災」といった重大な事故につながる恐れがあります。
そのため、第二種電気工事士の筆記試験でも、施工上の「やってはいけない接続方法」や「守るべき数値」が繰り返し出題されています。
今回は、多くの受験生が数字で迷いやすい「電線の接続(電気設備の技術基準の解釈 第12条)」に関する過去問を解説します。
合格のために必ず覚えておきたい鉄則をマスターしましょう。
【問題】
単相100Vの屋内配線工事における絶縁電線相互の接続で、不適切なものは次のうちどれか。

- 絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効果のあるもので十分被覆した
- 電線の引張り強さが15(%)減少した
- 終端部を圧着接続するのにリングスリーブE形を使用した
- 電線の電気抵抗が10(%)増加した
答えは決まりましたか?
「強度」や「抵抗」について、具体的なパーセンテージ(%)が出てくるとドキッとしませんか?
どれが許容範囲で、どれがNGなのか。自信を持って選べるようにしましょう。
1. ズバリ、正解(不適切なもの)は?
正解(不適切なもの)は、 4 です。
なぜ「4」がダメなのか、そして他の選択肢がなぜOKなのか、詳しく見ていきましょう。
解説:なぜ「4」が不適切なのか

選択肢4には「電線の電気抵抗が10%増加した」とあります。
これは電気工事のルールとして完全にNGです。
電気設備の技術基準(電技解釈 第12条)には、以下のような大原則があります。
「電線の電気抵抗を増加させないように接続すること」
電線を接続する部分で抵抗が増えると、電流が流れたときにその部分が発熱してしまいます(ジュール熱)。
たとえ10%でも、わずかな抵抗の増加が被覆を溶かし、最悪の場合は電気火災の原因になり得ます。
そのため、「抵抗の増加は一切認められない(ゼロでなければならない)」と覚えておきましょう。
2. 他の選択肢はなぜOK(適切)なのか?
正解以外の選択肢(1, 2, 3)は、すべて適切な施工方法です。
特に選択肢2の数値条件は、試験のひっかけ問題として頻出ですので要チェックです。
2. 電線の引張り強さが15(%)減少した(適切)
ここが一番の悩みどころだったかもしれません。
「電線を繋ぐと、どうしても強度は落ちるのでは?」と思いますよね。
その通りです。接続器具を使ったりねじったりすると、物理的な強度は元の1本の状態より落ちてしまいます。
ルールでは次のように決まっています。
「電線の引張り強さを20%以上減少させてはならない。」
これは言い換えると、「減少分が20%未満であれば許容される」ということです。
今回の選択肢では「15%の減少」ですから、許容範囲内(20%未満)なので 適切な工事 となります。
・20%以上の減少 = NG(弱くなりすぎ)
・15%の減少 = OK(セーフ)
この「20%」という境界線は試験で非常によく問われます。
1. 絶縁物と同等以上の絶縁効果のあるもので十分被覆した(適切)
接続するために電線の被覆を剥いた部分は、導体(銅線)がむき出しの状態です。そのままでは感電やショートの原因になります。
そのため、接続後は必ずテープ巻きや絶縁キャップなどで保護する必要があります。
その際、「元の電線の被覆と同じか、それ以上の性能を持つもの」で守ってあげれば安全です。これは当然OKな施工ですね。
3. 終端部を圧着接続するのにリングスリーブE形を使用した(適切)
リングスリーブE形は、電線の「終端接続(行き止まり部分の接続)」や「直線接続」に使用できる標準的な部材です。
適切な工具(JIS適合の圧着ペンチ、柄が黄色のもの)を使って正しく接続されていれば、問題ありません。

3. 試験直前!「電線の接続」暗記リスト
この単元が出たら、迷わず正解を選ぶために以下のキーワードをセットで覚えておきましょう。
【電気抵抗】
・ルール:増加させない(0%増厳守)
・NG例:抵抗が5%増加した
【引張強さ】
・ルール:20%以上減少させない
・OK例:強度が15%減少した(20%未満ならOK)
・NG例:強度が20%減少した(20%以上はNG)
【絶縁処理】
・ルール:同等以上の効力で被覆する
・必須アイテム:絶縁テープ、ワイヤコネクタ、絶縁キャップなど
【接続方法】
・ルール:接続管その他の器具を使用するか、ろう付けをする
・注意:手でねじっただけの接続は、原則としてNG(信頼性が低いため)
まとめ:この問題の攻略ポイント
今回の問題のポイントは、「抵抗は絶対に増やしてはいけない」けれど、「強度は少しなら(20%未満なら)落ちても仕方ない」という違いを理解しているかどうかにありました。
・抵抗増加 → ダメ、絶対。
・強度減少 → 20%未満ならセーフ。
この違いをしっかり整理しておけば、本番で迷うことはなくなります。
電気工事士として安全な工事を行うための第一歩、ぜひマスターしてくださいね。

